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 食堂車でのディナーを楽しんだ後、客席の入り口にある「食堂車のご利用案内」の内容を読んでいたところ、通路にいた人から「パブタイム待ちの方ですか?」と尋ねられました。今ちょうどディナーの第2回転が終わったところなので、時刻としては20:00過ぎですが、「ご利用案内」によると、パブタイムは21:45から始まるということになっています(というか、そもそもカシオペア紀行にパブタイムってあるんですね)。

 私としては、当然、食堂車は利用できるだけ利用したいので、ディナー・パブタイム・モーニングの全てを制覇したいと考えましたが、パブタイムが始まる1時間45分も前から並ぼうとする人がいるとは。この場面に遭遇したことで、私は今回のパブタイムの利用を諦めました。成人になったので、「食堂車のパブタイムで優雅なるひととき」を楽しみたかったものですが。

 自室であるカシオペアデラックスに戻った後、我々はウェルカムドリンクとして届けられていたお酒を飲むことにしました[①]。私の飲酒のスタイルは、「アルコール度数が弱いものから徐々に強いものに移行する」というもので、これまでバーセットに手を付けていなかったのも、「ディナーでビールを飲み、まずはアルコール慣らしをしなければ」と考えていたためでした。ウイスキーはウ1:水1のハーフロックでいきましょう。

 部屋の灯りを消し、窓への「映り込み」をなくせば、カシオペアデラックスは、たちまち、夜の静寂と共にアルコールを嗜む「オトナのための空間」に様変わりします[②]。線路に降り積もった雪は、鉄道独特の走行音を吸収し、まさに「氷の上を滑るような」を間隔をもたらします。窓越しには北海道の大自然が広がり、それは街のような煌びやかな灯りは放ちませんが、旅人と自然が一体になる気分を味わえます。

 ウイスキーが好きな私ですが、ワインもよく飲みます[③]。バーセットの中に含まれていたワイン「おたる」は、白ワインでしたが、私は赤よりも白の方が好き(というよりも、ある経験・思い出から、赤にはトラウマがある)なので、この方が好都合です。パブタイムこそ放棄せざるを得ませんでしたが、自室で、誰に気兼ねすることもなく、非常に静かな環境下で物思いに耽りながら過ごす夜も、これはこれで良いと言えます。













































 12月末ということで、冬としての全盛期にはまだ至っていないと思いますが、それでも、冬の北海道の旅路はやはり厳しいもの。巻き上げる雪煙が窓に吹きつき、それが走るうちに氷になって、窓にはシャーベット状の雪が広がってきました[①] [②]。思えば、冬に北斗星号やあけぼの号、日本海号などに乗ったときも、同様の現象がありました。冬に乗る夜行列車の醍醐味と言えるかもしれません。

 列車は本州へ向かって南下し続け、20:41に姫川駅に至りました[③]。姫川駅は、いわゆる秘境駅のひとつとしてよく知られていて、2017年3月のダイヤ改正によって廃駅となり、姿を消しました。周りには気が生い茂り、何もないという中で、駅舎(待合室)の照明だけが明々と灯っているのは、ある種不気味である一方で、通過列車の乗客にも「姫川駅」の存在を主張します[④]。そして、これが、姫川駅との最後の出会いになりました。

 カシオペアデラックスは2号車に連結されていて、そして札幌〜五稜郭間では、1号車が機関車側になるため、自室からも、我が行く手を切り拓く機関車の姿がよく見えます[⑤]。よく見えると言っても、夜なので、「そこに機関車がいるらしい」という程度ですが・・・。左右にくねる線路、12両の客車を1機で力強く牽引する機関車、前照灯によって照らし出される2条の道筋。豪華寝台列車で過ごす儚き一夜の時間が流れます[⑥]












































 カシオペア号に乗るのは今回が4度目であり、グッズもいくらか手に入れているので、あまり「グッズを買い込んでやろう」という気にはなっていなかったのですが、個室内にあった車内販売のメニュー表で見た「カシオペアミニヘッドマーク(台座付き)」が気になっていたので、車内販売がやってきたときに購入しておきました[①]。現在はパソコンデスクの机上に立てて飾ってあります。

 カシオペア紀行は、通常は全ての旅客列車が停車し、北斗星号・カシオペア号・トワイライトエクスプレス号も停車していた主要駅、南千歳を本当に通過しましたが(運転停車もしなかった)、同じく「全列車停車」である新函館北斗もそのまま通過していきました[②]。普通の列車では経験できない、カシオペア紀行ならではの体験であるとともに、「新函館北斗」と「カシオペア」という異色の組み合わせでもありました。

 新函館北斗駅の新幹線ホームは、乗り換えの便を考慮したのか、在来線ホームと同レベルの地上に設置されているため、カシオペア号の車内からもその一部を見ることができました[④]。時間帯的には、まだ新幹線の運転は終了していませんが、ちょうどこのときは、新幹線の列車はホームにはいないようでした。新函館北斗通過後もしばらく並走する高架橋は、その北海道新幹線の高架橋です[⑤]



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