カシオペア号が13番線から姿を消すと、我々の目の前に、まだ保護用のビニール袋すらも剥がされていない、設置したてほやほやの真新しい柵が姿を現しました[①]。大理石調の光沢あるホーム表面からは、何やら「ここは特別な場所である」という雰囲気が漂います[②]。
上野駅13番線と14番線の間には、かつて荷物の積み下ろしのために使われていた細長いホーム(作業場)が残っていて、それが「新たな旅立ちの13.5番線」の名称の下、2017年5月1日から運転が開始された四季島号専用の乗降ホームとして活用されることになっていました。このとき、その13.5番線は、四季島号の運転開始に備えて、整備を行っている最中だったというわけです。
まだ未完成で、舗装されていない土台の面も見えてしまっている13.5番線ですが、専用のラウンジも含め、四季島号という新たな豪華寝台列車を世に送り出すための準備は、着々と進行しています。一方ではこうしたハードが、そしてもう一方では受け入れるためのソフトが。
カシオペア号は、北斗星号、トワイライトエクスプレス号などと共に、「豪華寝台特急」という、夜行列車の新たな在り方を創造しました。そして今、それらの魂を受け継ぎ(正直なところ、”拡大解釈”の感は否めませんが)、ななつ星、四季島、トワイライトエクスプレス瑞風といった、次世代の豪華列車が次々と芽吹こうとしています。その息吹は―――流れる歳月を糧にして、確実に動き出そうとしています[③]。
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