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飯田線21M 特急伊那路1号(373系)
豊橋(10:08)〜飯田(12:40)

高級感あるっちゃある①

問題点②

すごく狭い・・・③

豊川に到着④

川で遊ぶ人もいる⑤

トンネルに入る⑥

渡り切らない橋⑦

天竜峡⑧

一気に開ける⑨

終点飯田⑩

 豊橋からは特急伊那路号に乗って、次は飯田を目指します。どうせなら全線を通しで走る普通列車に乗れとか、飯田線で特急は邪道だとか言われてしまいそうですが、新幹線で豊橋に来たわけですからね。乗継割引を活用して伊那路号に乗らなければそれはそれでもったいないですし、あと、やっぱりできるだけ快適に移動したいし。リクライニングシートに身を預ける[①]2時間32分です。

 373系は普通列車でも特急列車でも使える、汎用的な車両として設計・製造されたとのことですが、そのせいか、客室とデッキの間に仕切り扉がありません[②]。私は別に乗降扉が両開きだとか113系並みに開口幅があるだとか、そんなところは全然気にしませんが、この客室とデッキの間に仕切り扉がないことは気に入りませんね。

 373系には以前、ふじかわ号で乗ったことがあるんですが、そのとき何が一番気になったかと言えば、仕切り扉がないことで、走行音がデッキから客室内にどんどん入ってくること。結構、うるさいと言えばうるさいんです。あれ。

 そして、これは別に373系が悪いわけではないんですが、座席間隔が1160mmの700系のグリーン車から乗り換えてきたので、970mmの373系では、なんだかものすごく足元が狭く感じました[③]。190mmの違いはやはり大きいようです。

 10:08に豊橋を発車した373系は、しばらくは名鉄線との共用区間を走行します。最初の停車駅は豊川で[④]、10:17に到着します。飯田線は豊橋から豊川までは複線で、その区間は列車本数も基本的に毎時3〜4本(普通列車)はありますが、豊川から先は単線で、列車本数も格段に減ります。

 表定速度が日本最低の特急列車らしく(決して馬鹿にするわけではなく)、基本的にはのんびり、ゆっくりと走ります。時々速度を上げて飛ばすこともありますが(ただ、最高でも85km/h)、長続きせず、すぐにまたゆっくりとした走りになります。川沿いに走った区間では、家族連れが川で遊ぶという、いかにも夏らしい光景も見られました[⑤]

 飯田線は全長195.7キロですが、トンネルは138か所もあります。もちろん短いトンネルもたくさんありますが、区間によっては、トンネルに入って[⑥]、出て、入って、出てということを繰り返します。こういったあたりに、厳しい地形のところを走っているということを感じますね。

 飯田線には、川を渡り切らないという橋梁があります。有名だと思いますが、城西〜向市場間にある第6水窪川橋梁[⑦]。普通、鉄道では、川に橋梁を架ければ、対岸まで渡って当たり前ですが、第6水窪川橋梁はそうではありません。川の上を走るだけ走って、元の側に戻ります。詳しい説明はこちらに譲りますが、飯田線の特徴的な構造物の1つであると言えるでしょう。

 12:24分に到着するのは天竜峡[⑧]。ここは最後の途中停車駅です。飯田線は、ここまでずっと山の中の険しいところを走ってきたのが、天竜峡から先は視界の開けたところを走るようになります[⑨]。やっぱり、青空はこういう風に広範囲にくっきりと見えなければ。

 そして12:40に終点の飯田に到着です[⑩]。飯田線の起点の豊橋からは129.3キロのところにあり、飯田線の約66%を乗ってきたということになります。伊那路号も、もういっそのこと岡谷とか松本まで走ったら面白いんじゃないかと思うんですが、需要がないんでしょうね(駒ヶ根まで延長運転をしたことはある)。








◆飯  田  駅◆


駅名標①

スタンプは忘れずに②

駅前の様子③

りんご風の駅舎④

フィルムのプリントも・・・⑤

リニア駅はできるのか⑥

セルフでない⑦

向こうの山⑧

飯田線の父か⑨

乗るのは岡谷行き⑩

 飯田市は人口約10万人で、長野県では第4位の人口を擁する市町村です。1番線に駅スタンプがあった[②]ので、これを忘れずに押しておきます。

 駅舎の屋根部分は赤色で塗りたくられていて[④]、どこか長野県の名産品であるりんごを思わせないでもありません。なお、飯田市の中央にある大通りには、「りんご並木」があるそうです。収穫されるりんごは学校の給食で使われたり、官庁などに無償配布されるという形で使われています。

 時間帯的には、ちょうど昼食を食べるのによい時間で、次の列車までの時間もそこそこあるので、「駅の近くにある食堂とかでお昼ごはんでも・・・」と思いながら、とりあえず駅前からまっすぐ伸びる通りを歩きました。しかし、目につく食堂がことごとく定休日だったり、つい最近廃業したものだったりで、結局食堂で昼食を食べることはありませんでした(最終的には、ローソンで適当に昼食を購入)。

 あてどもなく道を歩いていると、「フジカラープリント55分 できます」という案内を発見[⑤]。デジタルカメラ全盛の今、フィルムを持ち込んで現像してくれという人は、どの程度いるんでしょうかね。銀塩写真にはデジタル写真にない味わいがあるとか、そういった理由で未だにフィルムカメラを使用している人もいることはたしかですが、フィルムの現像を行う写真屋も減っているでしょうし、肩身は狭そうです。

 さらに適当に道を歩いていると、「リニア飯田駅設置へ市民募金実施中!」というポスターを見つけました[⑥]。新幹線の駅にしてもそうなんですが、新幹線(あるいはリニア)の駅を設置することは、その土地の繁栄にも衰退にも繋がる紙一重の存在だと思います。

 新幹線(リニア)が通り、駅ができることで、その土地へやってくるのが便利になり、観光客が増えるという考え方。もちろんこれは間違いではないでしょう。一方、いわゆるストロー効果で都市部へ人が流出してしまうという懸念。これも間違いではありません。東京まで40分、名古屋まで25分という所要時間は魅力的としか言いようがありませんが、さてどちらの効果をより誘発させるのか。

 ちょっと驚いたことが1つありまして。コスモ石油のガソリンスタンドがあったんですが[⑦]、「何かが足りない気がする」と。しばらくガソリンスタンドの様子を観察していたところ、車が1台入ってきたんですが、店員が車に寄ってきたと思ったら、店員が給油をしているではないですか。そうです、ここのガソリンスタンドはセルフではなかったんです。そして「セルフ」の看板がなかったわけです。

 私の地元にあるガソリンスタンドはもちろん、旅行先で見るガソリンスタンドもセルフばかりだったので、「まだフルサービスのスタンドが残存しているのか」と、思わず驚きました。・・・そのときは。

 しかし後日調べてみると、2011年度のデータでは、ガソリンスタンドはセルフ式が8596店に対し、フルサービスは29147店だそうです。フルサービス式の方がまだまだ圧倒的多数なんですね(もちろん、そのうち逆転するでしょうが)。フルサービス式でも何ら珍しくはないんですね。

 駅の待合室でコンビニで購入した昼食を食べて、さて次の列車へ。引き続き飯田線を下っていきます。飯田から先は特急や急行はなく、普通列車のみです。次の列車は14:14発の普通列車、岡谷行き[⑩]。「のりば」以外の表示が全て右にずれているのがなんだか気になりますが、まあ、どうでもいいか。そんなことは。







飯田線231M 普通列車岡谷行き(313系)
飯田(14:14)〜伊那田島(14:58)

313系に乗る①

便所脇の席②

節電対策③

さすがに暗い④

田園風景⑤

小休止⑥

伊那大島駅⑦

この勾配を上ってきた⑧

驚異的曲線⑨

伊那田島に到着⑩

 飯田から先は特急や急行がないので、普通列車での移動です。そうなると、なかなか飯田線に乗っているらしくなってきたというところでしょうか。これから乗る14:14発の岡谷行きは313系での運転でした[①]

 とりあえず、岡谷方先頭車の後位側にある便所の脇のクロスシートに陣取ります[②]。便所の脇、とは言うものの、車両の中ほどと違って、”席・通路・便所”という配置で、通路を挟んだ反対側に席がないので、実質”席・通路・壁”というところ。そのため、なんだか小さな個室空間を与えられたような感じで、居心地は意外と良いんですよ。

 飯田を出て3つ目の元善光寺を発車した後、車内の照明が消えました[③]。交直セクションがあるわけでもないのにどうして、と思いましたが、これは節電の一環だそうで、豊橋〜本長篠、元善光寺〜辰野間で行われるそうです(特急は対象外)。

 日中なので、車内の照明が消えていても基本的には何ら問題はないんですが、時には「暗いな」と思う時もあります。その一例は駅に停車したときで、ホーム側は駅舎やホームの屋根がある関係上、日差しが車内に差し込みにくく、人によっては暗いと感じることでしょう[④]

 海がない長野県を走っているので、車窓に広がる風景は田舎の田園風景が中心です[⑤]。海は冬でもそれなりに映えると思うんですが、田園風景は、やはり稲穂が実る夏でこそ映えます。

 14:39に到着するのは伊那大島[⑥]。列車交換をするため、ここには10分停車します。10分停まるならばと、息抜きに外に出ましたが、いや、やっぱり暑かったですね。語弊がある言い方かもしれませんが、普通列車でも冷房車で当たり前という時代に生まれて良かったなと思います。

 ホームの飯田方面の端っこへ何となく行ってみました。向こうへ延びる線路は、目で見てはっきりと急勾配だと分かる傾きを持っていました[⑧]。勾配標にあった数字は「25.0」。もっとも、急勾配だとは言いましたが、飯田線にはこれを軽く上回る、現在JR線で最も急な勾配である40‰の勾配を、赤木〜沢渡間に持っています。

 伊那大島〜上片桐間には、R140mの、飯田線で最もきつい曲線があります。大きな弧を描いて左方向へと進んでいく線路が、車内からでも十分に視認できることは、その曲線のきつさを物語っていると言って良いでしょう[⑨]。なお、当然ですが、ここはかなり低速で通過します。

 下車駅の伊那田島には、14:58に到着[⑩]。下車したのは私1人だけでした。まあ、そういう具合になりそうな駅をわざと選んだわけなんですがね。



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