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9号車の客室内に入り、指定された4番A席へと向かうと・・・、そこにはグリーン車らしい重厚感漂う座席が・・・。
金色のその座席には横幅があり、肘置きも革張り。フットレストを装備し、ラジオ放送が聞けるオーディオサービス、読書灯も。そして歴代の東海道・山陽新幹線の車両で唯一、背もたれ上部に枕を装備しています。
座らずして見るだけでも、思わず固唾を飲みたくなります。
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東海道新幹線6A のぞみ6号(500系)

名古屋〜東京
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大きな座席にその身を任せるのとほぼ同時に、10時30分、のぞみ6号は東京駅へと名古屋駅を後にしました。
名古屋駅を出ると、いきなり新横浜駅まで1時間24分無停車で走り続けます。
これが、各駅停車のこだま号になってしまうとは・・・。駅を通過させてくれず、停まればその度に後続の列車の通過待ちを食らうという羽目・・・。
今まで、のぞみ号として走っているときに他の車両に対してしてきた「追い越し」を、今度は自分がひたすら喰らうというのは皮肉としか言いようがありません。
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円筒形の車体形状は、実際に座席に座っていてもよく分かります。
ただ、その円筒形ゆえに、一般的には「車内が狭い」と言われていますが、実際狭いかというと、結論からすれば鉄道ファンという愛好的視点をなしにしても「そうでもない」
恐らく、狭いと言っている方は、天井が低いことを指摘しているのではないかと。
500系の天井の高さは2050mmで、平屋建ての新幹線としては一番低いです。(700系は2200mm)
しかし、車内幅は、最大3220mmと、700系のそれ(3130mm)を上回っています。
要は天井が低いゆえに荷物棚も低くなり、高さとしての「狭さ」を感じているだけで、横幅的には上部が窄まると言っても、むしろ広いと言っても良さそうです。
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フットレスト。
両面とも布張りで、靴のままで使用することは推奨されません。
ただ、それでも靴のままで使用する人も結構多く、500系に限らず、両面とも布張りのフットレストが取り付けられているグリーン車では、表面が汚れているフットレストも結構見かけるもので・・・。
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都市的な名古屋市街を抜けると、のどかな風景が車窓として窓越しに見られます。
私は今、「消えゆく500系のぞみ」に乗車していて、やや気分的には張り詰めていますが、よくよく考えれば、この1月30日は特にどうということのない「ただの土曜日」
のどかな土曜日の午前中らしい(?)風景が見られました。
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さて、12ページの下から6番目のところで「さすがにここで500系のぞみ号に乗り換える人は私以外にはいないでしょう(笑)」と書きましたが、それは何故か・・・?
実は米原〜名古屋間で乗車したひかり510号は、名古屋〜東京間の停車駅が豊橋、新横浜、品川と少なく、こののぞみ6号との停車駅での違いは豊橋に停車するかしないかだけの違いなのです。
ひかり510号は東京までのぞみ6号に追い越しされることなく、のぞみ6号の前を先行し続けます。
となれば、当然名古屋駅でひかり510号からのぞみ6号に乗り換える必要は微塵もないのです。
恐らく、その乗り換えをしたのは私だけでしょう(笑)
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「はて・・・?ここはどこやら・・・?」
と思っていると、そこは三島駅でした。どうやら豊橋駅を通過したあたりから寝てしまっていたようです。
まぁ、能登号の中でろくに寝ていないので、仕方がないと言えば仕方がないのですが、こうしてのぞみ号の中で寝てしまうくらいならば、どうして能登号の中でどうして寝られなかったのか?という自問自答も・・・。
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三島駅を通過すると、5分程度でもう熱海駅のあたりまでやってきてしまいます。
柵があったりで明瞭ではないのですが、遠くに見える太平洋が何とも美しい。
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熱海駅の新幹線ホームは旧カーブしているうえに、本線が通過線も兼ねているという事情もあり、通過速度は170キロにまで制限されてしまいます。(N700系は195キロ)
「熱海駅の通過は何だか遅い」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、それはそういった事情があってのことだったのです。
確かに、新幹線としては迫力がなく、物足りない通過ですね。
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名古屋駅を出てから1時間20分、列車は新横浜駅へと到着します。
新横浜駅あたりまで来ると、もう旅気分も薄れてきて「帰ってきたな〜」と思ってしまいます。
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11時54分、新横浜駅に到着〜。
新横浜駅には東海道本線が通っておらず、横浜線が通っているという関係(東京からでも東神奈川で乗り換え)上、新横浜〜東京間で新幹線を利用する人もかなりいるのですが、さすがにグリーン車には新横浜駅からの乗客は1人もいませんでした。
そういった芸当ができるのは国会議員くらいですかね(笑)
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一路東京へと向かうのぞみ6号ですが、新横浜駅を出てから品川駅までの間に、建設中の横須賀線としての武蔵小杉駅の姿が見られました。
2010年の春改正で一応の開業が予定されていて、特急成田エクスプレス号など特急列車も停車する予定となっています。
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湘南色の帯を巻いたE231系を見ると、「あ〜、帰ってきてしまったな〜」と感じずにはいられません。
帰ってきてしまった、と思うのは、何か旅をするときの宿命ではありますが、やはりそう感じると名残惜しさもあるわけで・・・。
ちょっとだけJR東日本管内から出るような旅(例えば御殿場線など)ならば、特に帰ってきた、という感じはしないものですが、金沢、米原、名古屋となると、やはり東京から離れた地なので、帰って来た時の名残惜しさも倍増です。
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東海道新幹線の列車の車内からは、一瞬だけですが東京総合車両センターを眺めることができます。
画像は縮小してあるので何があるのか全く分かりませんが、この時は143系、南武線仕様の209系、切り離されたE231系500番代の中間車などが留置されているのを確認できました。
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12時06分、品川駅に到着。
以前は通過列車もそれなりにあったのですが、現在は全ての列車が停車しています。速達効果が見込めない低速通過よりは、利便性向上のためにも、全列車停車とした方が良かったようですね。
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