春、去る者たちへ哀悼の意をこめて・・・。
能登、雷鳥、500系のぞみ号惜別乗車の旅 14


品川駅からはたった6分で東京駅に到着です。
降りなければならないこの名残惜しさとはいったい・・・。
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東京〜 12時13分、名古屋駅から1時間43分で終点の東京駅に到着しました。

昨日から始まった今回の旅も、一応これで全ての旅程が終了しました。それは達成感をもたらすと同時に、消えゆく列車・車両にもう一度思いを馳せるきっかけにもなりました。
折り返し博多行きに のぞみ6号として東京駅に到着した500系は、すぐに車内清掃を行って、僅か滞在時間17分で折り返し12時30分発ののぞみ29号博多行きとなります。

そしてまた今来たところを逆走し、17時44分に博多駅に到着します。それで1日の運用を終了してしまいます。
グリーン車 黒帯に黄緑色の四つ葉マークの「GREEN CAR」

その明暗差のおかげで、グリーン車のマークも随分映えて見えるものです。
のぞみ&500系 500系が発車標で「のぞみ」と案内される姿も、もう見ることができなくなります。
翼型パンタ 500系ならではの装備である、この「翼型パンタグラフ」は、300キロ運転を低騒音で実現した立役者の一人。

1本の支柱が垂直に立ち、その上に摺り板があるだけという、過去にも今にも例のないその独特のパンタグラフの形状は、500系を特徴づける一つの要素であると言えます。

残念なことに、こだま号で運用される8両のV編成では、味気ないシングルアームパンタグラフに換装されてしまっています。
WEST JAPAN 運転台近くに形式名を入れたロゴを配するというのは、JR西日本所有の700系B編成でもされていることですが、あちらはただ「JR700」とだけ入れているのに対し、500系は「WEST JAPAN」という文字も入れています。

いかにも、500系がJR西日本が自信を持って送り出した車両であるということを窺い知れます。
窓と言えるか 500系の中でも、W1編成は、JR500のロゴの近くにすれ違いセンサーがついていることが特徴です。

ホクロと呼ばれたりもするのだとか。
運転台 運転台窓。

鋭く突き出た先頭部の中で、1段だけ盛り上がるのが、この運転台窓の部分。窓周りが黒で塗装されることで、より一層顔が引き締まって見えます。
東京&500系 東京駅の駅名標と500系。

東海道新幹線を500系が走っていたという、何よりの証明になる写真です。
さよ〜なら〜! 17分というのは長いようで短いもので、500系の写真撮影を色々としているうちに、17分という時間はあっという間に過ぎ去ってしまいました。

のぞみ号の旧車内チャイムの発車チャイムが流れ、扉が一斉に閉じられます。

ホームから手を振って見送る人。
最後の最後まで写真撮影をする人。
車内で一服してくつろぐ人。
グリーン車に身を任せるスーツ姿の人。

車内も車外も、人それぞれすることは違いますが、皆今日500系に関わった人たち。

12時30分、のぞみ29号は博多駅へと向けて定刻に発車していきました。
今まで日常的で当たり前だった光景が見られなくなるということの寂しさは何とも言えない大きなものですが、早い遅いは別にしても、いつしか来てしまう運命ともいえます。

私は、500系の先頭車が見えなくなるのを待つことなく、ホームを後にしました。

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