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都市の煌びやかさ。それは、人々の活き活きとした営みの結晶です。多くの人々が集って生きていることは、街明かりの源となり、そして美しい夜景を作り出します。にちりんシーガイア24号とは関係のない話になってしまいますが、そういう意味において、私は上りのサンライズ瀬戸・出雲号に乗ったときの姫路〜大阪間あたりの車窓がとてもお気に入りです。

 さて、そうこう言っているうちに、山陽新幹線の高架橋が見えてくるとともに、列車は吉塚に到着しました。駅名標にある通り、ここはJR九州の駅としては、福岡県庁に最も近い駅となっています。にちりんシーガイア24号のように一部の特急列車が停車するほか、吉塚行きとなる特急列車の設定もあります(ただし博多〜吉塚間は普通列車)。







































にちりんシーガイア24号が博多駅5番線にその身を滑り込ませました。宮崎空港から長躯6時間6分をかけて辿り着く博多駅は、きっと、飛行機やバス・新幹線経由で行くときと異なり、ある種の達成感のようなものすらあるのでしょう。・・・と、そのようなことを考えながら部屋を出て、そそくさとホームへ。そのときの身の軽さ、疲れのなさ。これこそまさにグリーン個室のなせる業。

 ビュッフェとトップキャビン(現在DXグリーン席があるところは、以前は準個室と言えるような向かい合わせの席だった)を奪われた現在の787系においては、きっとグリーン個室こそが象徴的な設備と言えるでしょう。にちりんシーガイア24号のような長時間利用もできれば、博多〜佐賀間のかもめ号のような短時間利用まで。1人からも利用可能で、ハードル的にも金銭的にも、JR線で最も気軽に利用できる個室と考えられます。

 私は宮崎空港〜博多間6時間6分のグリーン個室の旅の余韻に浸っているところですが、当の787系は、車両基地への回送に備えて、早くも方向幕を「回送」に切り替えていました。”宮崎空港〜博多間にグリーン個室”というのは、文字だけ見れば特殊そのものですが、毎日運転されて車両も787系とあっては、特別に注目する人はいません。私以外に写真を撮る人もおらず・・・。

 7分の停車時間を経て、787系は車両基地へ向けて引き上げていきました。所要時間6時間6分というのは、在来線の昼行特急列車としては、もちろん日本最長だったのですが(2020年7月当時)、2021年3月のダイヤ改正により、にちりんシーガイア24号に相当する列車は小倉止まりとなり、その1本前の列車が宮崎空港〜博多間のにちりんシーガイア18号になりましたが、所要時間は5時間45分となっています。

 ・・・ところで、今回の旅のそもそもの発端は、「宮崎空港〜博多間を通しで走り、しかもグリーン個室連結。こんなヘンな列車はいつまで残るか分からないから、いまのうちに乗っておけ」という考えが湧いてきたからでした。が、結果的には、1.5往復あったにちりんシーガイア号は1往復になったものの、0.5往復(24号)だけだった787系による列車が下り列車にも充当され、結果1往復に増える始末。

 私の”読み”は完璧に外してしまったというわけですが、まあ、「乗らずに後悔」するよりかは「乗って後悔」する方がマシですからね。













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