全長676キロの「偉大なるローカル線」
日本最長路線・山陰本線を乗りつくす旅−24


岡山駅/岡山→東京
サンライズ瀬戸号が来る4番線に降りると、四国方面の列車が発着するホームに2000系が停車していました。(ただし回送)

「新型特急型気動車を開発する、なんてことをそう言えばJR四国が言っていたけど、それから音沙汰ないな〜」と思っていたら、JR四国から2000系の更新が発表されました。

JR四国は不景気と1000円高速による減収で列車の両数を減らしたり、無人駅を増やしたりしなければならないような状況に陥っていますから、まぁ新型車両の開発などしていられませんね。

まぁ開発が遅れるということは、今開発するよりも高性能になるかもしれないわけですから、必ずしも悪いことではないかも?(今開発していたら、例えば最高速度は130キロだったろうと)
私は「サンライズ瀬戸・出雲」と、瀬戸号の方を先に書いたり、言ったりするのですが、岡山駅では「出雲・瀬戸」と、出雲号の方が先になっていました。

サンライズ瀬戸・出雲に乗るのも、もう今回で7回目。それでも、「これから乗るのか」と思うとわくわくして仕方がないのは、寝台列車が持つ不思議な力とでも言うべきか。
あえなく黄色に塗り替えられてしまった115系と、カフェオレ色の115系の併結。

こういった変な組み合わせも、全ての車両が塗り替えられたわけではない、過渡期だからこそのものなので、ちゃんと記録しておきましょう。

今はもうありませんが、かつては2層建ての寝台列車がありましたよね。ただ、どちらも普通の青色で、色違いの客車(寝台列車)が併結して走ることはありませんでした。
この115系のように、色違いの寝台列車が併結して走るところもちょっと見てみたかったかも。
瀬戸内色の115系。特に珍しい存在でもないので、以前なら見向きもされなかったでしょうが、いつか黄色一色になることを考えてか、私以外にも撮影している人がいました。

サンライズ瀬戸・出雲号のような、希少な列車なら撮影している人はたくさんいますが、こういった「いくらでも見られる」ような車両を撮っている人を見ることはまずないです。

それが、22時をとっくに回ったような時間に、このような「ただの115系」を撮る人がいるというのですから、いかに黄色一色化の計画が恐れられているのか(?)が分かりますね。
サンライズ瀬戸号の先頭車を撮影しようと思い、岡山駅の4番線の一番大阪寄りに来ました。

ひかり584号の車内で、伯備線で倒木があったためにダイヤが乱れている、という案内は見ましたが、岡山駅ではそれによるサンライズ出雲号への影響は案内されていませんでした。しかし、ついに「サンライズ出雲号は伯備線内の倒木の影響で・・・」という放送が。

その際、ご丁寧に「そのため連結作業はありません。」という放送がありました。

そう放送で流れると、連結作業が行われる場所付近にいた人たちの一部が、ぞろぞろと4番線の大阪方にやってきました。

まぁ私は連結作業には興味がないので、最初から先頭車を撮影するつもりでしたが、「やっぱりほとんどの人は連結作業を見たかったみたいだな」と。
22時22分、「線路は続くよどこまでも」の接近メロディが流れ、向こうからゆっくりとサンライズ瀬戸号がやってきました。こちらはちゃんと走っているようですね。

機関車が牽いてくる、重量感のある客車列車とは違って電車ですから、入線もどこか軽やか。
そういうところからも、「近代的な列車」ということを強く感じます。
迫りくる285系。編成のほとんどが2階建て車両という、建築限界ぎりぎりの巨体はかなり迫力がありますが、全体的に丸み帯びているのでふくよかです。
ホームぎりぎりのところで停車。あまりにぎりぎりすぎて撮影しづらいのですが、まぁいくら出雲号が来ないといっても、決められた停止位置以外に停めるわけにはいきませんよね。

柵にもたれかかるようにして座って撮影して、ようやく顔全体が入るのですが、こうして下からちょっと見上げるようにすると、その迫力が倍増します。

在来線車両の285系でもそう思うのですから、新幹線車両で全車2階建てのE1系やE4系を下から見上げたら、285系以上にもっと迫力を感じるのでしょうね。
本来なら岡山駅でサンライズ出雲号と併結するということで、停車時間は11分となっているのですが、今回は連結作業がないので、この長い停車時間も意味がありません。

しかし、その11分の停車時間の意味があろうが無かろうが、写真を撮っていられる時間が長いという点では、我々ファンは大喜びです(笑)

なお、この停車時間中にシャワーカードを購入しておきました。
というのも、汗をかいたので何としてもシャワーを浴びたいが、20枚しかなく、しかも夏場だから皆シャワーを浴びたがる。ならば、今のうちにさっさと買っておいた方が良いだろう、と。

以前、高松から乗車した際に「シャワーカードの販売は岡山を出てから」との放送を聞いた覚えがあるので、断られるかも?と思いましたが、すんなり購入できました。
285系は1998年の登場ですが、行き先表示機は方向幕です。
また車内放送も自動放送ではなく、車掌の手動放送。そして車体の材質も鋼。

当時はLEDの行き先表示はもうごく普通の存在でしたし、自動放送も特に珍しくはなく、またアルミ合金やステンレスの車両も一般的でした。
(自動放送については、JR西日本の特急型車両は、281系を除いて全てなし)

ちょっと確信は持てないのですが、行き先表示機が方向幕という車両、車体の材質が鋼という車両は、285系が最後なのではないでしょうか?
さて、そろそろ車内に入ることとしましょう。本日のお宿は、B寝台個室ソロです。

本当はシングルツインが良かった(上下2段の寝台があるので、片方を荷物置きにできる)のですが、10時打ちをするも敗れてしまい、仕方なくソロとなりました。
ソロは人気があると聞いていますが、まさかシングルツインもそんなに人気があるとは・・・。

で、室内に入って扉を閉じようとすると・・・、リュックのせいで扉がうまく閉まらない!

かといって寝台の上に乗せたら自分が横になれないですし、リュックを手で潰しながら、半ば無理やり、力づくで扉を閉めました(笑)
山陽本線・東海道本線5032M 寝台特急サンライズ瀬戸(285系)
岡山(22:33)〜東京(7:08)
22時33分、サンライズ出雲号と併結せず、7両のまま岡山駅を発車。
寝台列車ですが、それでも他の客車の寝台列車とちょっと違うのは、ゆっくりじわじわと発車するのではなく、電車らしい高加速(それでも1.6km/h/sだが)をするところでしょうか。

ソロはかなり狭いですが、それでも「住めば都」というところ。
車内で2泊するとか言うのであれば別ですが、1晩過ごすだけなら何の問題もありません。

1050円上積みするとシングルが利用できますが、ソロと比べてみても、シングルに1050円高いだけの価値はないかな、と思います。
正直、その差額ぶんの違いをあまり感じないのですよね。ソロから埋まるのも納得です。
右側に出っ張っているのは、階上室の階段。階下室はこれのおかげでかなり狭くなっています。

岡山の発車は22時33分と遅く、もうこのまま眠ってしまって、目覚めたら東京だった、でも良い(本当はそれが寝台列車の正しい使い方)のですが、せっかくの寝台列車の個室です。

室内の灯りを全て消して、流れ行く夜の景色を楽しみましょう。私は寝台列車に乗るといつもそうしてしまい、ついつい夜更かしをしてしまいます(笑)
通過する駅のホーム上には、人影はほとんどありませんでした。

下りだと、東京を出てからしばらくは、帰宅途中のサラリーマンらの熱い視線(?)を浴びるのですが、上りで岡山を出ると、人の少ない県境に向かうこともあってか、そういうことがありません。

そういえば、今回利用した寝台はソロですが、その寝台料金は6300円。これに+特急料金。
一方、昨晩泊まった益田グリーンホテルモーリスの宿泊料金は、5565円。

なるほど寝台列車が避けられてしまうのも無理はないな、と思ってしまいます。
ホテルの宿泊料金よりも高い寝台料金を払って、古風な開放寝台や、狭〜い個室じゃなぁ。
個室内から夜景を楽しむのもそこそこにして、シャワーを浴びに行くこととしましょう。

タオルやシャワーカードを持ってシャワー室へ向かうと、私と同じようにタオルなどを携えた人がラウンジにいました。私は今待っているその人の次、ということになりそうです。

285系のちょっと残念なところは、このラウンジ。
北斗星号のロビー室やカシオペア号のラウンジカーのように立派なものにしろとは言わないまでも、背もたれもない、座り心地が悪い椅子がずらずらと並んでいるだけというのは。。。

これでは息抜きにふらふら〜っと訪れたくなるように気にはならないですし、シャワーの利用待ちをするのもちょっと辛い・・・。
(かといって、自分の個室内で待つというわけにもいかないですしねぇ)

シャワーで汗をさっぱり流せるのはやはりありがたいです。
汗をかいたまま眠るのと、それを流して眠るのとでは大違い。

                  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25
DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ