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 さて、そんなわけで岡山にたどり着きました。青い帯を巻いた駅名標は、ここがJR西日本の駅である証です[①]。下りのサンライズ瀬戸・出雲号は、東京を22:00に出て、岡山には6:27に到着します。新幹線・飛行機の最終便より遅く出て、その初便よりも早く着くという、夜行列車の理想的な形を実現しています(上り列車も同様)。そして、岡山からみずほ601号に乗れば、広島には7:21、博多には8:25、熊本には9:00に着くことができます。

 皆さんもご存知のように、下りのサンライズ瀬戸号とサンライズ出雲号はここ岡山で別れ、それぞれ高松・出雲市へと向かっていきます。発車標にも、それぞれの列車名が単独で表示されます[③]。私はまず瀬戸の発車を見送り、さらに出雲の発車を見送ってから、8番線を後にしました[④]

 岡山駅は山陽新幹線、山陽本線、宇野線、津山線、吉備線の5路線が通っていて、また伯備線、赤穂線へ直通する列車も利用できます。実質7路線が通り、さらに四国各方面・鳥取・米子や出雲市へ向かう特急も発着する、文字通りの交通の要衝です。改札口にある発車標も、横幅があり、そして表示する路線や列車の数が実に豊富です[⑤]

 乗換駅としての機能だけではなく、人口約70万人の岡山駅の代表駅としての機能もあるということで、駅構内や通路はいつも人で賑わっているんですが・・・、早朝6時台ということもあってでしょうか、東西を結ぶ自由通路の人の数は、ちょっと少なめでしたね[⑥]

 改札口で途中下車の手続きをとって、東口(新幹線口)へ行きました[⑧]。ビルが林立する、いかにも県庁所在地という具合の駅前です。陽の長い8月といえども、既に夏至は過ぎていますし、また岡山ということで西日本ですから、太陽はまだ昇りかけ。晴れているこの気持ちの良い朝に、ここで一つ背伸びでもしますかねえ・・・。

 駅構内のコンビニでおにぎり等々を買って、さて新幹線ホームへ向かおうかというとき、発車標の「伯備線」の文字を構成するドットに、色が正しく出ないものがあるのを発見しました[⑩]。本来ならば橙色でなければならないところが赤色のままです。まあ、ただそれだけのことで、これ以上は特に申し上げることはございません(笑)

 「赤ヘルきっぷ」という、マツダスタジアムでの広島戦の観戦者向けの割引切符の広告がありました[⑪]。これを見て思ったんですが、岡山県民というのは、広島ファンと阪神ファンのどちらの方が多いんでしょうか?倉敷にあるマスカットスタジアムでのプロ野球の公式戦が、基本的に阪神主催の阪神戦であることを考えると、どうも阪神ファンが多いエリアなのではないか?と思っているんですが・・・。兵庫県(タイガース)と広島県(カープ)に挟まれているという立地上、どちらが多くてもおかしくないような気はします。

 では、そろそろ新幹線ホームへ向かいましょうか。これから乗るのは、7:16発の鹿児島中央行きのさくら541号[⑫]。九州新幹線へ直通する列車ですが、私は山陽新幹線内の小倉で下車します。満席なら、小倉までというのは何だか申し訳ないという感じが(博多行きにでも乗ってろと言われそう)してきそうですが、この日のさくら541号は、指定席にも比較的空きがあったようでした。

 22番線で列車の到着を待っていると、岡山始発のこだま727号となる、8両編成の500系が入線してきました[⑭]。のぞみ号として東京〜博多間を往復した日々はもう過去のもの・・・。編成は8両になり、各駅にちまちまと停車する運用しかないものの、独特の先頭形状をはじめとするカッコよさはそのままなので、人気は非常に高いままだと聞きます。しかし、私としては、やっぱり全速力で駅を通過してこそ500系という気がするんですよね。

 そうこうしているうちに、さくら541号がやってきました[⑮]。東海道・山陽新幹線用の16両編成と違い、純粋な白ではなく、青みがかかった白の塗装を施されています。





















 さくら541号に乗って小倉へと向かいます。山陽・九州新幹線用の8両編成のN700系(S・R編成)の普通車指定席[①]は、グリーン車のように、座席が2+2で配列されています。座席の横幅は465mmで、これは2+3で配列される普通車自由席の座席より5〜25mm広いものです。指定席料金を払うだけで、確実に座れる権利を得つつゆったりとした座席も得られるのですから、利用者としては喜ばしいものです。

 S・R編成はのぞみ型列車のみずほ号でも使用されるので、普通車指定席に乗る場合、同じ料金・同じ速さ(むしろほとんどののぞみ号より速い)でも、みずほ号なら2+2配列のゆったりとした座席、のぞみ号なら2+3配列の普通の座席という差が生じます。

 デッキとの仕切り壁は木目調の仕上げ[②]。テーブルもやはり木目調[③]。以前は、鉄道車両における木目調部品の使用というのは珍しいものだったと思いますが、いつの間にか木目調の部品を使う車両が増えてしまって、今ではすっかり珍しいものではなくなりましたね。

 山陽新幹線を快走するさくら号[④]。N700系のS・R編成は、最高速度は300q/hとなっていますが、「300q/hで走るのは最速達型のみずほ号のときだけで、さくら号で走るときは285q/h(さくら号のほとんどはひかりレールスターの置き換えで誕生しましたが、ひかりレールスターの最高速度はこれでした)が上限かなぁ」と思っていました。しかし、ちょっと調べてみたところ、さくら号でも300q/hは出すそうです。車両が持つ性能を持て余させないのは良いことですね。もっとも、九州新幹線内では、260q/hという低い速度が上限値なんですが・・・。

 岡山を出て最初に停車する駅は福山[⑤]。ここから乗ってくる人も結構いましたね。そして福山を出ると、次の停車駅は広島ですが、広島駅の手前では、進行方向左側にMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島が見えます[⑥]。つまり、球場のすぐ近くを山陽新幹線が通っているんですね。この球場での広島戦の中継では、山陽新幹線の列車が中継映像に映ることも多々あります。

 新山口駅の手前では、山陽本線の普通列車が見えました[⑦]。だいぶ評判のよろしくないJR西日本の単色化計画ですが、何色でも構わないですから、色帯の1本や2本を入れようという話は出なかったんでしょうかね?何も塗装で入れる必要はありません、シールでも全然問題はないでしょう。色帯が入っているだけでも、結構印象が変わるのではないかと思いますが、コスト削減のためには、色帯の使用さえも許されなかったんでしょうか。

 N700系の窓側席には、このような空調を調整するための装置があります[⑧]。しかし、なにぶん小さく、しかも壁と荷物棚の間の僅かな隙間に隠れるように取り付けられているので、こんなものがあるということに気が付かないという人も多いのではないかと思います。

 新下関を通過すると、ほどなくして新関門トンネルに突入。関門海峡の下を潜り抜ければ、そこは九州の大地で、間もなく小倉という放送が流れれれば、情報表示機にも「次は 小倉」の文字が現れます[⑨]。海の下の海底トンネルを潜り抜けて九州に上陸したといっても、何せ新幹線ですから、トンネルの通過にかかる時間は短く、またトンネルを抜けて見えた車窓が、ただの住宅街[⑩]とあっては、青函トンネルを通って北海道に上陸したときのような感動は、残念ながら感じられません。

 列車は下車駅の小倉に到着します。





















 小倉駅にやってきました。小倉は、本州から西へ向かって新幹線に乗ったときに、九州内で最初に停車する駅です。九州新幹線が全通する前は、小倉を出る下りの新幹線は、全て博多を行き先として小倉を出発していきましたが、九州新幹線が全通した現在は、このさくら号のように、鹿児島中央を行き先として出発する列車もあるわけです[②]

 1分の停車で小倉を出発するさくら541号[③]。博多で在来線の特急に乗り換えることなく、これに乗ったままで、久留米や熊本、鹿児島へと行ける時代なんですね・・・。昔は、例えば北海道へ行くためには青森で青函連絡船に乗り換えなければならなかったり、四国へ行くためには宇野で宇高連絡船に乗り換えなければならなかったりと、ある場所へ行くために必ず経なければならない”儀式”のようなものがありました。今は、どちらも1本の列車で乗り換えなしで直通でき、ついに九州も、熊本や鹿児島へ行くときの、”博多駅での乗り換え”がなくなってしまいました。

 「郷に入っては郷に従え」という言葉があります。「そういえばエスカレーターは、東日本は右が優先で、西日本は左が優先だったな」と思い、エスカレーターでは右側に立ちました[④]。しかし・・・、周りの人たちを見ていると、どうも左側に立っている人が多いようです。九州は西日本だから、左が優先だと思っていたんですが・・・、そうではないんですかね?(インターネットで調べてみたところ、九州は右が優先だそうです)私は茨城県民ですから、文字通りの関東人ですが、このときの私は、周りの人にはきっと関西人に見えたことでしょうね。

 新幹線改札口内の発車標は、ちょっと面白いものでした。発車標というと、普通は左側に列車名や時刻が表示され、右側に行き先が表示されるものだと思いますが、この発車標は、左側に行き先を表示するというものでした[⑤]。このような表示の仕方をする発車標は、私は小倉駅以外では目にしたことがありません。

 在来線改札口の前の屋根には、大きな丸穴が開けられていて、そこから太陽光が取り込まれるという構造になっています[⑦]。このため、写真ではちょっと分かりにくいですが、この丸穴の下は、小倉駅の駅舎の中でも、特に明るい場所になっています。

 小倉城口側の駅舎は、ホテルを併設した立派なものになっています[⑧]。政令指定都市である北九州市を代表する駅にふさわしい立派さがあるというところですが、この駅舎の面白いところは、モノレールの線路がその内部に取り込まれているところですね。当然、モノレールの列車は、このように”駅舎の中へ突っ込んで”いくので[⑨]、見慣れない人にとっては、かなり珍しい光景に見えるのではないでしょうか(私もそのうちの1人)。

 さて、そろそろ次の列車に乗り込みましょうか。次に乗るのは在来線の列車です。9:16発の門司港行きの普通列車[⑩]。この列車に乗って門司港へと向かい、まだ未乗車の、鹿児島本線の門司港〜小倉間を乗車してこようと思います。


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