全長676キロの「偉大なるローカル線」
日本最長路線・山陰本線を乗りつくす旅−4


京都→福知山
行き先表示の方向幕。JR西日本ではお馴染みの黒幕です。
30番線に佇む183系。「やっぱり国鉄色だろう!」と思わず言いたくもなりますが、京都では景観保護のためにマクドナルドの看板が茶色になっているくらいです。

それを考えると、(景観保護地区とは関係ないとはいえ)この183系という車両が、こうして落ち着いた茶色系の塗装をしているというのは、京都という街に来る車両らしい気もします。
福知山方先頭車。こちらは貫通型ではない車両。

塗り分けは583系と共通していますね。
こちらが例のヘッドマーク。

たんば号は青色、まいづる号は橙色、北近畿号は黄色、文殊号は緑色、きのさき号は紫色、はしだて号は赤色と、それぞれ色分けはされていますが、デザインは全て共通です。

せめて北近畿号くらい、コウノトリのものに戻してくれないですかね?
特急シンボルマーク。

JR東日本に在籍している183系や485系では、これがない車両もあり、どこか締まりがないのですが、JR西日本に在籍しているものは両形式ともきちんと取り付けているようですね。

1958年に登場した151系が初めてこれを取り付けて以来、半世紀以上もこれを付けた車両が走り続けています。
まさに、国鉄の特急型車両であることを表すものだと思います。
と、写真をいろいろ撮っていたら、今度は223系の新快速。

いやいや、忙しいですね京都駅は・・・。
ここから延びる線路は、676キロ先の幡生駅まで続いている、というわけですが、路線の区別を考えなければ、この線路は佐世保にも稚内にも続いているわけで、そう考えると、やっぱり鉄道での旅行には、底知れない奥深さや楽しさがあると思います。

その奥深さをこの身で知りたいという一心で、今までずっと私は鉄道旅行をしてきました。
風光明媚な車窓、様々な車両に乗車すること、体に響く走行音、その全てが、何もかもが楽しくて仕方がないのです。でも、それらは1回旅行しただけでは全てを知る(する)ことができません。

1回の旅行で何百キロと移動するのに、それは全体(=日本の全ての鉄道路線)のほんの数%にしか過ぎない・・・。その奥深さが、私を捉えて縛るのです。
贅沢極まりないという自覚はしているのですが、たんば1号でもグリーン車に乗車します。
グリーン車→グリーン車の乗り継ぎ・・・、1度はやってみたいと思っていました!

もちろん、有り余るお金があるからこうしているわけではなく、今回の旅では特急を使わないで移動する区間が結構あるので、そこで浮いたお金を回しているということです。
車内に入りました。座席は2+1配列で、座席自体は281系のグリーン車に配置されているものと全く同じものです。

北近畿ビッグXネットワーク圏内で運用されている183系は、全室グリーン(=クロ)は2+1配列、半室グリーン車(=クロハ)は2+2配列となっています。

どうせ払うグリーン料金が同じなら当然2+1配列のものに乗るべし、と事前に下調べをしておき、たんば1号は2+1配列のグリーン車、つまり全室グリーン車連結ということが分かったため、グリーン車にしました。

つまり、結果としてグリーン車同士の乗り継ぎになっていますが、もしもたんば1号のグリーン車が2+2であれば、普通車指定席にしていました。
こちらは1人掛けの座席。私は今回、1番C席ということで、1人掛け席でした。

1人掛け席はたとえ満席になっても、隣に人が来ないという利点があります。2人掛け席は空いていれば隣の座席に荷物を置いておけるという利点がありますが、満席時は隣に人が来てしまうという問題もあります。

ま、1人掛けでも「荷物ぐらい荷物棚に乗せておけば良い」と言われればそうなのですが。
山陰本線5091M 特急たんば1号(183系)
京都(8:51)〜福知山(10:08)
座席に座って落ち着くと、すぐに列車は発車しました。

旅情を感じさせる鉄道唱歌が流れ、「二条、亀岡、園部、綾部・・・」と、これから停まっていく駅は、どれも今まで訪れたことがない土地。

こうして遠い地の駅名を車内放送で聞くときが、いちばんわくわくするかも。
次の停車駅の二条駅には4分で到着します。

「車内放送の録音も済ませたことだし、そろそろ寛ぐか」と足置きに足を伸ばしたところ、そこには何だか見慣れない形の足置きが・・・。

この281系と同仕様のグリーン車座席の足置きは、上から下におろして使うだけの、しかも随分と細い簡素なものでした。普通車に付いていることがある、おまけ程度のものならともかく、グリーン車でこれは貧弱です。

しかも足を外すと勝手に跳ね上がるので、常に上方向に上がろうとする力があるわけで、どうも落ち着きませんでした・・・。
嵯峨嵐山駅では、先行する普通列車を追い越し。221系でした。

普通列車よりも遅い特急列車があったり、快速列車に抜かれてしまう特急列車が普通に走っている今、普通列車がこちらを待ってくれているだけでもちょっと嬉しくなります。
嵯峨嵐山駅は、嵯峨野観光鉄道の「トロッコ嵯峨駅」が併設されています。

山陰本線の旧線も走るそうですし、そのうち(JR全線乗車ができたら)、乗ってみたいですね。
複線化・電化など、山陰本線の京都口は随分と近代化されましたが、それでも走っているところが大幅に変わったわけではありません。

時折見えるこのような車窓は、きっと今も昔も同じなのでしょうね。

たんば1号のグリーン車に乗車して、一路福知山駅へ。
1時間17分の道のりです。

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