●2月23日●
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 大雪3号の車内整備が続いています。今日の大雪3号は5両編成で運転され、そのうちの中間3両目が「増21号車」となっています。これは2号車と1号車の間に増結された車両であることを意味しており、このようにすることによって、他の車両の号車が変わらない=自由席は○号車、グリーン車は○号車、といった規則性を崩さずに済みます。

 普通車と比べると、キロ182の存在はやはり別格です。外から見たときの外観の違いは大きく、この車両だけ明らかに窓の位置が違います。木目調部品と暖色系の材料で仕立てられた車内は、2+1のゆったりと座席配列も相俟って、国鉄型車両ではないような雰囲気を湛えています(LEDの情報表示器がない点ばかりは、いかにも古い車両という感じですが)。

 キハ183系がいなくなることにより、JR北海道は、JR東海、JR東日本に続いて、国鉄型車両による定期特急列車が存在しない会社となります。それどこから、キハ281系も引退するなど(2022年)、かの会社では、JR世代の車両同士でも取り換えが進んでいます。ただ、気動車特急の何もかもがキハ261系になる(例外は大雪号とオホーツク号ですね)ということは、趣味的には明らかにつまらないことは事実です。

 続いてサロベツ4号がやってきました。JR北海道の特急列車において主力となるキハ261系ではありますが、その先陣として導入された基本番代は、789系そのものな見た目の、後の1000番代とはデザインが異なっており、少しだけ存在感を放っています。車両側面に入れられたビードにより、無骨な雰囲気も高められています。

 道内にあるほとんどの駅から消えてしまった「ホーロー+サッポロビール」の縦型の駅名標ですが、旭川駅は、引き続きサッポロビールの広告を掲出する駅に選ばれたため、今でも広告入りの駅名標が見られます。しかし、色とフォント、また広告のデザインは大きく変わっており、以前の雰囲気ではありません。

 大雪3号は17:05発。しかし、私は17:00発のライラック36号に乗らなければなりません。少々悔しいですが、ここで3番線を離れます。




                           















 ライラック36号に乗ります。カムイ号との違いは、789系0番代であるか789系1000番代であるかにあり、設備的に言えばグリーン車の有無が、そして指定席がuシートタイプの座席であるかどうか(後者はそれ)にありますが、かつて青森までやってきていたスーパー白鳥を思い出せるという点において、私は0番代が使われるライラック号の方が好きです。

 私はこれに美唄まで乗ります。自由席でフリーパスを見せると、どこまで乗車するのかを車掌に問われますが、だいたいの人は「札幌」と答えます。美唄などとのたまう変わり者は、少なくともこの車両にはいませんでした。

 旭川を出た時点では大雪に見舞われていましたが、次の停車駅である深川までの距離は、約30kmほどあり、その間には5本のトンネルが控えています。その距離をトンネルで山越えすれば、天気も変わるということなのか、やがて雪は止み、空には夕焼けの一部が見えるようになっていました。深川では・・・、おお、やはりいま話題の留萌本線にギャラリーが集う・・・。

 天気はいちだんと回復し、列車は滝川へ。どう考えても主要駅として数えられるべき存在だとは思うのですが、縦長のホーロー駅名標への「本場の味 サッポロビール」の広告の掲出が継続される対象とはならなかったようです。北海道に何度かやってきていると、上り列車で滝川を出るとすぐに空知川を渡る・・・といったことも、もはや覚えてしまっています。

 旭川からは50分で美唄に着きます。旭川〜札幌間の85分で考えると、美唄の時点で、既に折り返し地点を越えているということになります。ただし、駅数で言うと、旭川からは11個目、札幌からは15個目にあたり、どちらかというと旭川寄りに位置しています(駅が札幌圏に多いのは当然ですから、まあ当たり前といえばそうなのですが)。




           








 美唄に降り立つと、キハ54形+標準キハ40形+山明キハ40形の3両編成がやってきました。何かの臨時列車ではないかと思ってしまうような組成ですが、この時間帯に運転されている岩見沢発滝川行きの普通列車は、時刻表では”D”の列車番号となっており、普段から気動車で運転されているようです。が、よりにもよって、こんな面白い編成とは。

 美唄は、他の路線と接続しているような駅でもなければ、「美唄行き」という列車があるわけでもないので、よほど目的がないと、なかなか降りることはない・・・と書きかけて、そういえばここは炭鉱があった町だと思い出しました。いや、”あった”という過去形では不正確で、実は美唄には、今もなお稼働している現役の炭鉱があります。

 18:09に下り特急オホーツク3号が美唄を出ます。これに乗れば、23:00前の当日中に網走に着くことができます。さて、これでもうお分かりかと思いますが、ライラック36号を美唄という中途半端なところで降りたのは、このオホーツク3号を迎撃するためでした。キハ183系に乗れそうな機会があるなら、それは決して逃してはならない・・・というのが、今回の旅における重要な指針です。

 合計4種類分の列車の乗車位置案内がある美唄駅ですが、宗谷号は1日1往復(上りは通過)、オホーツク号は1日2往復(2号は通過)ということで、この2つの列車はレアです。30分〜1時間間隔でやってくるカムイ号とライラック号は、運転頻度もさることながら、全ての列車が美唄に停まるので、遭遇機会が多いです。


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