●2月23日●
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 グリーン車に乗って移動を始める・・・と言いたいところですが、なにぶん今回使っている切符は北海道フリーパス、基本的には普通車に乗るほかありません(特急列車の普通車自由席が乗り降り自由・・・という切符ですから、グリーン料金を足せばグリーン車に乗れる、というのであれば、積極的な乗車を考えたいのですが)。

 朝の曇天模様から一転、今は気持ちの良い青空が広がっています。進行方向右側の席をとると、しばらくの間、網走湖を見られます。昨晩訪れた女満別駅は、実は網走湖畔への最寄り駅でもあり、駅舎の脇から伸びている跨線橋を使えば、湖畔まで簡単に近寄ることができます。

 飛び石連休で、キハ183系の引退が迫っているとなれば、さぞかし満席だろうかと思っていましたが、”今はまだ”そこまでではないようです。今はまだ・・・というのは、オホーツク号、あるいは大雪号においては、やはり北見〜旭川〜札幌間の乗客が多く、網走〜北見間は、いわば末端の閑散とした区間に当たるからです。このあと北見に辿り着けば、多くの乗客が乗って来ることでしょう(過去の経験より)。

 これこそ冬の北海道と言える、白銀の大地と澄み渡る青空。これがずっと続けば、さすがに車窓としては飽きてくるものがありますが、大阪では出会えない景色には、やはり興奮があります。川も、凍結してその上に雪が積もっているところもあれば、部分的には川の流れが見られるところもあり、一様ではありません。

 北見駅の手前は高架線になっており、隣の柏陽駅も高架駅になっています。高架線は、当然ながら、基本的には都市部にこそよく現れるものなのですが、朝に見た釧網本線の高架線といい、北海道においては、”意外なところに意外な高架線”が見られるようです。

 1時間足らずで到着した北見では、降りる人は少なく、乗る人は多く。私は貴重な”降りる人”ですが、先に言及したとおり、札幌方面行きの特急列車には、やはり北見から乗って来る人が多いのです。




                           















 列車を北見で降りました。ハッキリ言うと、北見で降りたのは、”石北本線の主要駅である割には、今までに一度も降りたことがなかったな”ということが理由であり、ここでガッツリと観光しようというわけではありません(北見で降りてしまえば、当然キハ183系への乗車もそれで終わりますから、それこそ車両が目当てなら、ここで降りてしまう理由がない)。

 さて、先ほど北見駅の手前に高架区間がありましたが、北見駅付近で面白いのは、北見を出ると、今度は地下線に入るということです。トンネルではなく、地下区間です。地下区間は、それこそ地下鉄以外には普通現れないものですから、単線非電化の高架線よりもさらに珍しいものです。少なくとも私は、石北本線意外に、”単線非電化の地下路線”は知りません。

 北見駅は、石北本線においては主要な駅として数えられますが、JR北海道にとってはそうでもないということなのか・・・、縦長のホーロー駅名標にある「本場の味 サッポロビール」の広告は、塗り潰される対象となったようです。札幌圏をはじめとするより主要な駅では、デザインを変更したうえで、サッポロビールの広告付き駅名標が存続することになりましたが・・・。

 3月のダイヤ改正でキハ183系がキハ283系に置き換えられることは、当然周知の対象であり、北見駅でもその案内がなされていました。所要時間も、札幌〜網走で平均2分、旭川〜網走間で平均4分短縮されるとのことですが、「その程度では・・・」というのが正直な感想。せめて札幌〜旭川間を130km/hで走れれば、もう少し違う結果があるのかもしれませんが。

 そもそもオホーツク号と大雪号の需要は少ないと読んでいるのか、今後はグリーン車はなし、また基本編成も3両編成となります。次に来るキハ183系のオホーツク1号は、増結車両を1両入れた5両編成で、グリーン車の連結もあるのですが。

 面積がやたらに広い(北海道内の自治体では1位)ということもありますが、とはいえ北見市は人口11万人があるので、間違いなくオホーツク海側では最大の都市です。だだっ広い自然が広がることもなく、人間が築いた”都市”の景色が広がる(ビルというビルが林立しているわけで)駅前の光景は、街の眺めです。車も人も見られますしね。




                           















 北見駅で下車してみたかっただけ、といえども、せっかく降りたからには、少しくらいは観光をしていきたいもの。まあ、身も蓋もないことを言えば、列車本数が列車本数なので、「降りるだけ降りて、すぐに後続の列車に乗る」ということができないという事情もありますが。

 北見くらいの街になれば、大学進学予備校もあるようです。とりあえず写真に撮ってみたのは東進予備校でしたが、北海道には、”北大学力増進会”という予備校もあります(それを展開する会社は、地域ごとにその地域の旧帝大を冠したブランドを展開しているようですが)。

 今日は心なしか暖かい気がしますが、それでも街を見れば、立派に成長した氷柱に除雪作業、盛り上がった吹き溜まりと、やはりここは極寒の地であることを実感させられます。そのような中で、もはや車輪がろくに回りもしないスーツケースを”引きずりながら”辿り着いたのは、木造2階建ての小ぶりが建物が目立つ、ピアソン記念館でした。

 北見に拠点を構えて宣教活動を行った、ピアソン夫妻の旧家を復元したものであり、入館料はかかりません(別に300円くらいは取ってくれても良いのですが・・・)。駅から15分くらいで行けるので、列車の待ち時間で行くのも良いかもしれません。

 ところで、夫ピアソンは身長180cmとのことで、明治末期〜昭和初期の日本では、言うまでもなく巨人だったわけですが、特に狭いと思わなかった(私は178cmです)ので、やはり建物は、ピアソン基準で設計されていたのでしょうか。この手の旧家を観光施設にしているものって、当然、”その当時のサイズ感”であるわけで、時に現代人には小さすぎることがありますよね。

 あまり滞在時間を取れないので、すいすいと展示を見ながらピアソン記念館を後にしましたが、窓越しに差し込む陽射しを受けながら、ソファーにぐでんと座ってでもいたら、さぞかし幸せな休日の時間が流れるんだろうな・・・と思ったり。


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