●2月23日●
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 日付は変わって2月23日。今日からが真の北海道旅行開始ということになりましょう。どんよりとした空に、青いというより黒い海、そして当然に積もったたくさんの雪。ああ、そうそう、これこそ北海道だよね・・・という景色です。澄み渡る青空に銀世界、というのは、個人的には、あまり北海道を象徴する光景ではないと思っています。

 ホテルを出て桂台駅を目指してゆきます。網走駅は町はずれにあるので、同駅周辺よりも、オホーツク・インがあるところの方が、街並みとしては栄えています(まあ、人家が多いというくらいの話ですが)。今朝の気温は氷点下6度ということで、身構える必要は全くないという程度の気温です。暖かいと言っても良いくらいかもしれません。

 そうしてやってきた桂台駅は、釧網本線において、網走の隣に位置する駅です。見ての通りの小さな駅で、ホームも板張り(秘境駅ほどの代物ではない)ですが、網走市街地に近いのは、網走駅よりもこの駅です。オホーツク・インからも650mほどのところにあり、1.4kmあった網走駅よりも、桂台駅の方がアクセス至便と言えます。釧路方面に向かうならば、網走駅から列車に乗る理由はありません。

 世の中にあるJRの全駅を利用しようというつもりはさすがにないですが、「網走で降りてホテルにやってきたのだから、また網走駅に戻るべき」という囚われをなくすだけで、”利用したことがあるJRの駅”が、簡単にひとつ増えました。




           








 釧網本線の列車に乗って北浜駅に行こうと思います。2月に北浜駅に行く・・・ということは、もちろん目的はひとつで、流氷が見たいのです。快晴の日に流氷が見られれば、それに越したことはありませんが(実はそんな素晴らしいものを見たことがあります)、流氷というものは、その存在が大切です。天気が良くなかろうとも、巨大な氷片が浜に押し寄せていれば、それで冬の北海道を楽しんだことになります。

 乗車しているのは、網走をその日で一番に発車する釧網本線の列車なのですが、既にそこそこの乗客がいました。この列車において最高の席とは、もちろん海側の窓側席であり、そこに座れば、オホーツク海に現れる流氷を列車の中から眺めることができます。あいにく、私は山側の通路側席だったので、ちょっと無理やりに反対側の窓越しで流氷鑑賞・・・。

 私は北浜で下車しましたが、降りる人は多くなく。みんなは北浜へ流氷を見に来たというよりは、このまま釧路方面まで乗り通して長距離を移動したいようです(まあ、HOKKAIDO LOVE!パスが使える時期でしたからね)。なお、この切符、”枚数限定”、”現地でしか買えない”ことから、私が北海道に乗り込む前に、既に売り切れと相成っていました(仕方がないのでフツーの北海道フリーパス・・・決して安くない・・・を買いました)。




                         














 北浜駅にやってくるのは、自分自身4回目です。流氷を間近に見ることができるとして名高く、また駅舎に入っている喫茶店「停車場」も、旅人から人気があります。天気はイマイチ(曇天)ですが・・・、今日は流氷がしっかりと沿岸部まで来ています。冬ならいつでも見られるわけではなく、風向き等々で流氷が来ないときもあります(現に冬なのに見られなかったときもあります)。

 白銀の世界に、ひたすら伸び行く単線の鉄路。海岸と地続きになりそうな流氷、冷たさと険しさを予感させるオホーツク海。細かい説明をくどくどと加えるよりも、ただただその光景を見つめること。眼前に繰り広げられる、美しさと厳しさを併せ持った、冬場の北の大地のワンシーン。まさに旅情を掻き立てられます。

 車窓に流氷がガッツリと見られる路線は、釧網本線を差し置いて他にありません。が、さすがに流氷があるというだけで徐行運転はしてくれないので、押し寄せる流氷をのんびりと見たければ、途中下車をする必要があります。ただの氷の塊、されど季節感と感動を呼び起こす氷の塊。旅人として自然に抱き、そして湧き上がる静かな歓びを感じられるこの絶景は、本当に最高の眺めです。

 停車場は11:00からの営業ですが、今はまだ朝(7:10)なので、流氷を見るだけにして北浜駅を後にします。なお、北浜駅は木造駅舎なので、そのような意味でも鉄道的に価値があります。


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