15:00発の(実際には数分遅れ)男鹿線の普通列車に乗って[①]、男鹿線を進んでいきますが・・・、ところで、鉄道好きの人の中でも、男鹿線という路線が存在していることを知らない人は結構多いのではないかと思います。秋田から出ている路線ならまだしも、起点は秋田から離れた追分という駅で、路線距離も26.6qしかありません。また全列車が普通列車で、特急・急行はおろか、快速列車もなく、かなり地味な路線ではないかと思います。
しかし、個人的には、九州にある後藤寺線(新飯塚〜田川後藤寺)こそが、JRの路線の中では最も地味な路線ではないかと思います。
秋田県、いやもっと限定的には、男鹿市と言えばなまはげですね。大みそかに、鬼のような顔をした獣が家々に押し掛け、暴れるという、伝統的な民俗行事です。それにあやかって、男鹿線(と、直通運転する奥羽本線秋田〜追分)には、「男鹿なまはげライン」という愛称が付けられています。また、それだけではなく、男鹿線の各駅(起点の追分を除く)の駅名標は、なまはげの絵が入ったものになっています[②]。
天王を出ると、長い鉄橋を渡ります[③]。この鉄橋を渡り終えると、潟上市から男鹿市へと入ります。氷が水面に浮かんでいますが・・・、まあ、さすがに川面全体が凍結するまでには至りませんか。物凄くどうでも良いことですが、1回くらいは氷上でのワカサギ釣りというものを、ちょっとやってみたいものです。案外、私は色々なものに興味を持つ人間ですよ。他にも、今はサイクリングやバトミントンにも興味がありますし。
普段、関東の鉄道に乗り慣れていますが、旅行でそれ以外のところへ行ったとき、関東では見られない、あるいはあまり馴染みのないものに出会うことがよくあります。乗降口のステップは、まさしくそのうちの1つです[④]。地方では、ホームの高さが低いままという場合も多く、車両もそれに合わせてステップを設けている場合が多いです(近頃の新しい車両では床面高さを下げて、ステップをなくしているとか)。
ステップ付きの車両に乗り降りするときは、一応きちんとステップの存在を認識しておきますが、それでもまれに、ステップがない車両に乗り降りする感覚で足を運ぶときがあり、そうすると結構危険な目に遭います。
リゾートしらかみ号では、他の乗客も「いかにも旅行者」というような具合でしたから、私も数ある旅行者のうちの1人、という感じでしたが、男鹿線の普通列車では、何せ他の乗客はと言えば、学生や地元の人ばかりだったので、私の存在はやや浮き気味だったかもしれません。傍目には「部外者」という感があったことでしょうが、むしろそれくらいの方がが、「遠出して、この地に”潜入”してきたのだ」という気分がしてきて、実は良かったりします。
単線・非電化の男鹿線を進んで行き、列車は終点の男鹿駅に到着しました[⑤]。車両の塗装で、白色と共に使われているのは緑色。地表を覆う白い雪が融け去って、緑色の草たちが姿を現すまでには、まだもう少し時間がかかります。
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