まだ見ぬ九州の鉄道を求めて・・・
九州初上陸!夏の南国の地を駆け巡る旅


心地よい振動が伝わる速さで走るハウステンボス号・みどり号。
こうなると睡魔に襲われて、少々は寝て休みたいという思いと、いやいや車窓を見ていたいという思いがガチンコ勝負。

軍配は・・・、寝て休みたい思いでした(笑)
目が覚める! 眠気を誘う、心地よい振動が伝わる速度で列車が走っているせいで、耐えかねない睡魔に襲われた結果、肥前山口駅を出発してからほどなくして、睡眠に入ってしまいました。

目が覚めた時は列車は駅を通過中で、時刻は13時30分。どうやら僅か10分ほどではありましたが、寝ていたようでした。
できるかぎり車窓を楽しみたいと思っていたので、あまり寝すぎなかったのは良かった良かった。
駅です 分かりづらいかもしれませんが、これは13時43分着の有田駅に停車中の画像。
一見すると、目の前にタイガーロープが張られていて、立ち入り禁止の私有地にでも入ってしまったのかと思えてしまいそうです。

有田駅は普段は特にこれという点もないごく普通の駅ですが、年に1度、4月末〜5月初めにかけて行われる「有田陶器市」の開催時には、有田駅行きの臨時列車なども運転されます。

そのようなときには、有田駅も多くの利用客で賑わっていそうです。
早岐到着 有田駅を発車すると、約10分で下車駅の早岐駅に到着しました。
旅が始まった時からの悩みの種の、重〜い荷物を抱えて苦しげな顔で列車から降車すると、既に次の乗車列車はホームに入ってきていました。

早岐駅の到着は14時前の13時53分。1日の中で、最も気温が熱くなる時間帯です。

ここ早岐駅では、ハウステンボス号とみどり号が分かれてそれぞれ単独列車になりますが、その解結作業は見学しませんでした。
今思い出すと、ずいぶんもったいないことをしてしまいました。
ここでも817系 留置線には、今朝、宮崎駅から乗車した6871Mに充当されていた車両と同じ、817系が留置されていました。
側面は白でも、顔は黒。817系のこの対照的な配色が、個人的に好きなところ。
大村線・長崎本線241D(キハ66・67形)
早岐〜長崎
キハ66・67形 さて、次の乗車列車とはこちら。キハ66・67形の大村線経由の長崎行き普通列車。今回の旅で乗車する、数少ない特別料金不要の列車の一つです。

このキハ66・67形の塗装は、数多くの車両を赤色に塗りたくるJR九州の車両でありながら、赤とは反対の青色がメインで、赤色は乗降扉の部分にしか使われていません。
HAIKI 駅名標を、ホームに降り立った記念と証明として残しておきます。

早岐駅からは大村線が分岐していますが、なぜか分岐する大村線の方が佐世保線有田方面との直線ルートで、早岐駅が中間駅になる佐世保線が進行方向をスイッチバック式に転換するようになっています。

これはどういうことなのかと調べてみたところ、元々は佐世保線の肥前山口〜早岐間は長崎本線で、佐世保線というのは早岐〜佐世保間のことでした。

後に長崎本線の肥前山口〜早岐間を佐世保線に編入し、元々は違った路線が一つの路線になってしまったことで、現在のように進行方向を転換させるようになってしまったそうです。
洗面台 ホームには洗面台がありました。

今ではもう、早岐駅に蒸気機関車が牽引する列車が来ることはありませんが、かつては蒸気機関車牽引の列車に乗車中に顔に付いた煤を洗い落とすために、この洗面台が大活躍していたのでしょうね。

もちろん、その時代を私が知るわけはないので、この洗面台が実際に使われていたころの様子は想像するしかありませんが、列車から降りてきた乗客が、この洗面台を使うために列をなしていたのでしょうか・・・?

ちなみに、左側の鏡に映っているのは・・・。
方向幕 方向幕を撮影。行き先の「長崎」の下には「長与経由」とありますが、この長与駅とは長崎本線の旧線上にある駅。
つまり、この列車は旧線を経由して終点の長崎へと向かうということになります。

長崎本線の新線の方は電化されていて、特急列車も経由していますが、旧線は非電化で列車も普通列車のみの運行。
車内 乗降扉が開いたので、冷房が効いた空間を求めて車内に飛び込みました。

頬を伝っていた汗が冷房で冷やされた空気によって、一気に冷やされるのが、何とも言えず気持ちが良いものです。

車内の中ほどには転換クロスシートが配置されていました。もちろん、空いているものならと転換クロスシートに座ります。
転換クロスシート キハ66・67形は車端部はロングシートですが、車内中ほどは転換クロスシートが配置されています。セミクロスシート。

同形式が登場した1974年当時は、転換クロスシートは新幹線の0系にしか存在せず、またキハ58系を始めとする急行型車両もクロスシートを装備していました。
そこに、一般型気動車であるキハ66・67形が、急行型を凌いでしまう転換クロスシートを装備して登場したのは、大きな話題を呼びました。

実際、1980年までは急行列車でも運用されていました。
出発進行、発車〜 発車直前にパラパラと5、6人ほどが乗車してきて、14時7分、先ほどまで乗車していたハウステンボス11号に6分遅れる形で早岐駅を発車。

画像左に写っている黒いものは、画像を縮小しているせいで分かりづらいですが、分岐器の部品と思われるもの。
なぜ、こんなところに置いているのでしょうか・・・?
ハウステンボス 早岐駅発車後5分で到着するハウステンボス駅は、その駅名通りハウステンボスの最寄り駅で、列車内からもそれを見ることができます。

私は、どちらかというとすぐ近くの川の方に目が行ってしまったのですが(笑)
783系の姿も ハウステンボスが駅のすぐ近くにあるというだけあり、駅名標にはハウステンボスのロゴが描かれています。

向こうに停車しているのは783系。
大村線は、起点の早岐駅と隣のハウステンボス駅の間、1区間だけ電化されており、そのおかげで783系の電車特急ハウステンボス号も乗り入れることができています。

さて、ひょっとしたらここで疑問を持った方もおられるかもしれませんね。
「どうせ大村線に乗ってハウステンボスを過ぎるなら、なぜさっきハウステンボス11号を早岐で下車したのか」と。

もちろん理由はあります。この241Dに始発の早岐駅から乗車するためです。
もっとも、始発から乗車したところで何かがあるというわけではないのですが・・・。
心和む景色 単線、非電化の大村線では、列車もあまりスピードを出しません。

「これは綺麗だ!」と思った車窓がすぐに窓の後ろに流れていかず、しばらく眺めていることができるのは車窓好きとしてはありがたいものです。

高層ビルやマンション、道路と車、そして人混みがあちらこちらに見られる光景を、東京や新宿で何度も目にしている身としては、この川・田圃・山といった自然を感じることができる景色がとても新鮮に感じられます。

いつしか、こうした場所を列車で通り過ぎるのではなく、歩いてみたいものですね。
!! 今回の旅で、大村線に乗車した理由は「時間的余裕があったから」で、大村線については「全線乗車できる路線が一つ増えるな」という程度に軽く見ていましたが・・・、恐れ入りました!

まさかこれほど近くに海(大村湾)を望めるとは・・・。

いざ写真に撮ってみると、あまりその美しさが伝わらない画像になってしまいましたが、実際のところは太陽がきらきらと水面に反射していて、それはもう感動的なまでに素晴らしい車窓でした。

予想外の綺麗な車窓に、思わず息をのんでしまいました。
できることなら窓越しにではなく、窓を開けて直に見たいと思ったのですが、冷房がかかっているのでそれは断念。

しかし、窓越しでもその美しさは十分に伝わってきます。
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