まだ見ぬ九州の鉄道を求めて・・・
九州初上陸!夏の南国の地を駆け巡る旅


お盆のころでしたが、全体的に空席があり、静かなきりしま3号の車内。
しかし、車内から小さな歓声が沸きあがり、思わずカメラで撮りたくなるような素晴らしい車窓が、この後登場するのでした。

それはまさに「絶景」でした・・・。
KOKUBU 9時ちょうど、国分駅に停車。
きりしま3号はこの国分駅をはさんで、一つ前の霧島神宮駅から、霧島神宮・国分・隼人・加治木と4駅に連続停車します。

同じ漢字、同じ読みの「国分(こくぶ)」駅がJR四国の予讃線にもありますが、旧国名を加えるなどしての区別はされていません。
はやと 国分駅を発車すると、4分で次の停車駅の隼人駅に停車します。そのまま駅名を聞いただけでは、人の名前にも思えてしまいそうな駅名です。

八代駅から来ている肥薩線との接続駅ですが、きりしま3号は肥薩線の列車とは接続していません。
カジキ(加治木) 9時11分、加治木駅に到着。
この加治木駅をもって霧島神宮駅から続く連続停車は終わり、次の鹿児島駅までの間に5駅がありますが、それらは全て通過します。

さて、加治木駅を出ると、このページの上に書いた「絶景」が近づいてきます。
海が近づく 西都城駅からきりしま3号に乗ってからというものの、草木や林が磁石で吸いついてくるかのように、ひたすら車窓として出てきましたが、加治木駅を出てから数分(3分程度)もすると、今度は一転、海が見えるようになってきます。

向こうの方にうっすらと見える山のシルエットは桜島。

「絶景とはこれのことか?」と思われた方もおられるかもしれませんが、まだこれは絶景ではありません。もう少し、もう少しで・・・。
これこそ絶景 前ページ、このページの上部、そして3枚目の画像の文章にと重ね重ねに絶景絶景と書いてきましたが、繰り返し言っている絶景とはこれのこと。

果てしなく続く鹿児島湾とその水平線、鹿児島湾をより一層綺麗にさせる太陽の光。
その美しさを、写真ではうまく伝えられないのが本当に残念です。
寄って 先程の画像は道路とヤシの木をはさんでいて、分かりづらかったものかと思うので、今度は鹿児島湾だけを映した画像を。

窓越しに見えるのは海と、(画像にはあまり入っていませんが)立派にそびえる桜島だけ。それ以外には何もなく、この絶景を楽しむことを阻害するものは一切ありません。

これほど近くに鹿児島湾を望むことができるという景色の良さには、鉄道ファンでない方々も関心を寄せていたようで、カメラで撮影していたりする方も見受けられ、またカメラで撮らなくとも、この車窓をしばらく眺め続ける方が多く見られました。

鹿児島湾を望める区間の車窓の一部を動画撮影しました。ご覧になる場合はここをクリックしてください。
(WMV形式・320×240・約8MB)
運転停車 鹿児島駅の一つ前の駅、竜ヶ水駅で列車交換のために運転停車。
竜ヶ水駅は普通列車もおよそ半分が通過するという駅ですが、先程の海を間近に、ゆっくりと見られる駅という点では一度降りてみたくなる駅と言えそうです。

秘境駅としても名高いのか、秘境駅訪問家の某氏が出演する番組で紹介されたことも。
鹿児島市街へ 列車は右へと曲がってゆき、海から離れて鹿児島駅へと向かいます。
次の鹿児島駅は日豊本線の終端駅で、小倉駅でドリームにちりん号に乗車してからひたすら下り続けてきた、日豊本線ともお別れです。

民家や企業のビルが多い北部、門川湾などが見える門川付近、木々の間を縫うようにして走る南部、そして鹿児島湾と桜島を望める鹿児島付近など、日豊本線は車窓の変化があり、景色も楽しめる路線と言えそうです。
ED76 速度を落とし、いざ鹿児島駅に停車しようという時、パンタグラフを下ろして休むED76形の姿が見えました。

富士・はやぶさ号の廃止によって、定期の旅客列車牽引運用がなくなった今、ED76形は貨物列車の牽引でしかその姿を見ることができません。
鹿児島駅到着 9時31分、鹿児島駅に到着。

県名の名前そのままの駅名なので、鹿児島県を代表するような駅かと思われがちですが、実際の鹿児島県の代表駅と、鹿児島市の中心部に近いのは隣の鹿児島中央駅です。

駅の規模も鹿児島中央駅の在来線3面6線、新幹線2面4線に対して鹿児島駅は2面3線と、規模も小さめです。
終点近づく 鹿児島駅を発車してから、終点の鹿児島中央駅までは大して時間もかからないので、降り支度を済ませておいて、もう下車することになる485系の様子、雰囲気、座席など何でも覚えておきたいものは体に記憶として染み込ませておきます。

意外と、写真よりも体自身の記憶の方が後々思い出したいときに頼りになります。

九州の485系が現役であるうちに、また九州に来られるとは限りませんから、何でも今のうちに・・・。
かごしまちゅうおう 9時36分、終点の鹿児島中央駅に到着〜。
駅名標のイラストには、桜島と西郷隆盛が描かれていました。

ところで、鹿児島中央という駅名は2004年の九州新幹線暫定開業時に、旧名「西鹿児島」から改称されたことによって付けられた駅名なのですが、改称から幾年が経過した今でも、まだ「西鹿児島」の方がしっくりきます。

茨城在住で、鹿児島に来たことが一度もないからということもあるとは思うのですが、どういったわけか、なぜか・・・。
お顔を 西都城駅では先頭車の顔を撮影している時間などなかったので、今、ここまで乗車してきたきりしま3号の485系の顔を撮影しておきます。

この画像では縮小してあるので分かりませんが、実際はかなり汚れていて、「今、ここで応急的にでも水をかけて軽く洗ったらいかがなものか」と思ってしまいました。

さて、この485系は愛称表示幕上にある逆三角形の特急シンボルマークは取り付けられていますが、代わりにタイフォンカバー上にあった飾り帯が撤去されてしまっています。

一方、JR東日本には飾り帯はあるものの、逆三角形の特急シンボルマークがない485系や183系が在籍しています。

画面の前のあなたは、どちらがマシだと思いますか?
グリーンエクスプレス 反対側4番線には、緑一色の485系が9時45分発の日豊本線上りの特急きりしま84号として停車していました。
このきりしま84号は国分行きで、総走行距離はなんと僅か33.7km。所要時間は35分。

ちなみに、後に出る10時3分発の同じく国分行きの普通列車(6932M)の所要時間は38分で、きりしま84号との差はたったの3分です。
485×485 ホームを挟んではいますが、きりしま3号として到着した485系ときりしま84号として発車を待つ485系が並びました。

この光景も、九州新幹線が全通して485系が九州から全廃されてしまえば、別のJR世代の形式、つまり787系や783系の並びに変わってしまうのでしょうか。

西鹿児・・・もとい、終点の鹿児島中央駅できりしま3号を下車。
これといったトラブルもなく、旅は順調に進んでいます。
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