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目が覚めると、既に太陽が昇っていました。はて、ここはどこやら?
そう思っていると、スピーカーから「皆様、おはようございます。今日は8月15日・・・」と声が聞こえて、まもなく直江津駅に到着するという放送が流れてきました。
どうやらおはよう放送のようです。
分岐器をガタガタとゆっくりと渡り、5時56分、定時に直江津駅に到着しました。
直江津駅では6時17分の発車まで、21分停車します。
既に明るくなってきており、いったん外に出て、写真撮影をするにはもってこいだったのですが、昨晩、米原駅で既に適当に撮影はしており、また下車駅の長岡駅も14分停車するので、もう一度撮影したいならそこですれば良いと、ずっと車内に居ました。
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直江津駅の発車は6時17分で、下車駅の長岡駅の到着は7時14分。その間の所要時間は、およそ1時間というところ。
長岡駅に到着するまでの約1時間、寝台内で時間をつぶすのは何だかもったいない気がしてきたので、ちょっと自分の寝台から離れて車内を散策してみると、乗車している7号車A寝台のデッキ側に、このようなものがありました。
それは583系の普通車で使われるボックスシート。「A寝台車になぜこんなものが?」と思って調べてみると、これは喫煙スペースとのこと。
しかし、今はA寝台車全体が禁煙になったので、ここも煙草は吸うことができないそうです。
誰もいなかったので、煙草を吸わな・・・、吸えない私も座ってみましたが、これが意外と座り心地が良く、快適でした。
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せっかく、喫煙スペースのボックスシートのところまで来たので、このボックスシートに座りながら、直江津駅の発車を迎えることにしました。
発車してからしばらくすると、窓からは京浜東北線・根岸線の209系の姿が見えました。
房総への転用改造待ちかと思いますが、東京や上野で見慣れている車両を、まさかここ直江津で見ることになるとは思ってもいませんでした。
ところで、先ほども書いたように、このボックスシートは意外にも座り心地が良く、快適です。
まだ新幹線が未発達だったころは、583系も長距離走行をする昼行特急、例えばはつかり号などでも活躍していましたが、いくら快適とはいっても、このボックスシートではつかり号の上野〜青森間を移動したりするのは、やはり大変だったのでしょうか。
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どうせ自分の寝台を離れたのならと、車内散策を続けます。
こちらは6号車のグリーン車との連結部付近。8号車寄りにある喫煙スペースとは反対側です。
近頃の車両は、木目調の内装にしたり、金属部品を極力隠していることが多いのですが、583系の内装は木目調ではなく、また金属枠なども隠されてはいません。
その古めかしさと質素さは、個人的には好きなのですが、悪く言えば「時代遅れ」の内装は、大衆的には「いかがなものか」と言われてしまうかもしれません。
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妻面の貫通扉上に、車両番号が記されたステッカーが貼ってあったので、それを撮影。
今回乗車した7号車のA寝台車は、「サロネ581−5」でした。
このサロネ581−5は・・・、
1972年3月9日、サハネ581−55として日本車両で製造後、南福岡電車区に配置。
1975年3月10日、向日町運転所に転属。
1985年2月20日、広島工場でサロネ581−5に改造。
・・・という経歴を持つ車両。
車齢は既に37年で、もう老朽化が進行していることは間違いなさそうですが、延命工事は施されているので、きたぐに号が走り続ける限りはサロネ581−5も残るはずです。
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同じ7号車の洗面台。
温度調整機能付きの自動水栓式洗面器に取り替えられていて、また洗面器正面と左が大理石風の模様で仕上げられているため、この洗面台はわりと近代的だと思います。
ちなみに「温度調整機能付き」と書きましたが、この7号車の洗面器はどうも壊れていたのか調子が悪かったのか、一番冷たい側に回しても熱々のお湯が出続けました(笑)
他の号車の洗面器は冷たい水がしっかりと出たので、どうやら7号車のものだけがおかしかったようです。
このことは前日8月14日の深夜に、歯を磨く際に気がつき、一応その時点で車掌氏には話しておいたのですが、ちょっとやそっとで簡単に直るようなものではなかったようで、15日の朝になってもお湯が出続けました。
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6号車に連結されているグリーン車への扉。スモークガラスに、国鉄形車両でよく見かける書体で「グリーン車」と書かれています。
きたぐに号には、このように一応グリーン車も連結されているのですが、そのグリーン料金は例えば大阪〜新潟の場合、5150円です。
一方B寝台中・上段は5250円と、グリーン車はB寝台中・上段と比較すると僅か100円安いだけなのです。
B寝台は3段式で確かに狭いですが、たった100円足すだけで、座席で座りながら寝るのから、ベッドで横になって寝ることができるようになるのです。
もし、「座って寝るのでも構わない」というのなら自由席という選択肢があり、そちらは格安な急行料金だけで乗車可能。
そういったこともあってか、グリーン車はかなり空席が目立っていました。
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8号車のデッキにやってきて、あまり私とは縁のない、いわば珍しい存在の折戸の乗降扉の撮影などをしていると、乗降扉の縦長の窓越しに何やら綺麗な景色が・・・。
すぐさま窓に顔を近づけて見てみると、そこには雄大な日本海が広がっていました。
「この日本海と一緒に列車を撮ってみたら、味のある写真になるだろうか」などと思わず考えてしまいました。
そのうち、ここで撮影してみたいものですね。
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あまり車内を歩き回っているのも良くないので、見たいものや撮影しておきたいものを適当に見てきて、自分の寝台に戻ってきました。
自分の13番下段の寝台から8号車側を見てみると・・・、このような感じ。
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上の画像を撮影するために開けた通路側のカーテンを再度閉めて、外の景色をぼんやりと眺めているうちに、柏崎駅到着の車内放送が流れました。
列車は速度を落とし、柏崎駅構内へと進入してゆきます。
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柏崎駅を発車すると、下車駅の長岡駅までに停車する駅は来迎寺駅だけ。
夜行列車というものは、寝るまでに見る星空や夜景、他の人たちが寝静まり、自分が歩く足音だけが聞こえる夜のひとときが魅力的です。
しかし、太陽が窓から差し込み、気持ちの良い朝を迎える時というのも魅力的です。
もっとも、個人的には「朝、目覚めたらパラパラと雨が降っていて、どこか気だるい」という夜行列車の朝の方が好きなのですが(笑)
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空を見ると・・・、雲こそ多かったものの、青空は見られ、今日も晴れでした。
今回の旅を天気について振り返ってみると、雨は8月13日〜14日のドリームにちりん号で、行橋駅の前後で少しだけ降った程度で、天候には恵まれていました。
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