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 部屋に入ってほっと一息をつくと間もなく、列車は、北は北海道・札幌へ向けて動き始めました。上野発は19:03、終点の札幌到着は11:15。約16時間10分の汽車旅の始まりです。それにしても、今回の旅で乗る最初の列車が北斗星号のロイヤルとは・・・、いきなり旅のクライマックスを迎えているような気がしなくもないんですが(笑) ただ、旅を計画していた当時の私は、どうもこれを帰りに回すつもりはなかったようです。

 京浜東北線のE233系1000番代など、見慣れた車両たちを車窓を見ながら、北斗星号は、まずは夜の首都圏を走ります。車内放送が終わると、食堂車のボーイがウェルカムドリンクの配達にやってきました。そして車掌による検札が行われ、その際に、個室のカードキーを手渡されました。JR東日本所属の個室寝台車(8〜10号車)の鍵は、検札時に手渡される、緑地に白字で北斗星と書かれたカードです。
 一方、JR北海道所属の個室寝台車(3〜6号車)の鍵は、シリンダー錠または暗証番号キー。カードキーは乗車記念に持ち帰ることができます。

 ウェルカムドリンクセットの内容は、普通のグラス・ワイングラス・ワイン・ウィスキー・お茶・水・氷・コルク抜き・コースター。お茶と水は飲めますが、なにぶん18歳ですから、ワインとウィスキーは飲みようがありません・・・(ま、個室寝台車だし、飲んでもばれずにやり過ごすことはできるけど)。

 カードキーを得た(これがなければ部屋を出られません)私がまず向かったのは、7号車にある食堂車・グランシャリオ。そこでグランシャリオ弁当(900円)、シャワーセット(410円)を購入しました。前者は21時ごろから始まるパブタイムで何かを食べるまでの繋ぎのために、後者は北斗星号のヘッドマーク入りのタオルを手に入れるために購入しました。

ちなみに、家に帰ってからレシートを見て気がついたんですが、これらの購入時に応対にあたった食堂車の人が、シャワーセット(410円)を、誤ってシャワーカード(310円)として登録したらしく、1210円しか払っていないことに気がつきました。一方、私も私で、弁当やシャワーセットの値段がそれぞれいくらか全く知っておらず、またレシートもすぐに財布にしまったため、このことに気がついていませんでした。

 弁当とシャワーセットを購入して部屋に戻ったあと、椅子に座りながら、改めて部屋の中を見てみましたが・・・、いやもう、とにかく広い。天井は高いし、床は歩けるほどの広さがあるし。更に、設備も超充実。テレビ(ビデオのみ)あり、椅子あり、机あり、シャワーあり、トイレあり、洗面台あり・・・。そして極めつけは、先ほどもらったウェルカムドリンク、翌朝のモーニングコーヒー、朝刊・・・。

 北斗星号の廃止までに何としてでも乗らなければと思っていたこのロイヤル・・・、私は他人に何かを自慢するのは好きではないんですが、この1月26日発の下り北斗星号のロイヤルの住人であれたという事実だけは、正直なところ、思いきり自慢したいです。






























 宇都宮駅を発車しました。上野を出てからは、まだ1時間30分ほどしか経っていません。北海道へ向けての旅路は、まだ始まったばかり。

 ところで、今回のロイヤルの部屋は「9号車1番」の部屋だったんですが、これが揺れる揺れる。「9号車1番のロイヤルは台車の真上にあるからよく揺れる。しかも、深夜帯(眠るとき)に、線路の整備状態が良くない三セク区間(IGR・青い森鉄道線内)を通過する」なんていう話は、ロイヤルの寝台券を購入する前から知ってはいました。

 ただ、「鉄道ファンたるもの、揺れと走行音も愛してなんぼよ」と思っていましたし、「揺れると言っても、そんなに凄いものではなかろう」とも思っていました。ところが、いざ乗ってみると、第三セクター区間内どころか、東北本線の首都圏寄りの区間(上野〜宇都宮など)ですら、びっくりするほどの揺れが、駅の分岐器通過時を中心にしばしば発生しました。「とても最上級の部屋とは思えない」ような揺れが。そして当然うるさい。

 ロイヤルの寝台券の購入にあたっては、私は、「ソファーに進行方向向きに座れること」を求めました。そのため、上野〜青森・函館〜札幌でソファーに進行方向向きに座ることができる、9号車1番室または10号車12番室の寝台券の確保を目指しました。そこで、申込書の備考欄に「9号車1番or10号車12番」と書いたんですが、「10号車12番or9号車1番」と書いた方が良かったかなーとやや後悔してしまいました。
 ま、揺れまくる部屋とは言っても、ソファーに進行方向向きに座れる部屋ですから、「逆向きに座るよりは・・・」と考えて自分を納得させました。

 B寝台市民とA寝台貴族の間に設備やサービスの差はあっても、皆この11両編成の動く客車の上にいるわけですから、揺れと騒音ばかりは誰に対しても公平です。鉄路を走るうえでは避けられない揺れと騒音も、ある程度までなら寝台列車の醍醐味だと言えるかもしれませんが、一線を越えると失望に変わりかねません。

 さて、そうこうしているうちに、「食堂車のパブタイム営業を開始する」という放送が入りました。「ディナータイムの食事は高すぎる、でも食堂車で夕飯を食べたい・・・」という人を中心に、パブタイムで遅めの夕飯を食べるという人は多いのではないでしょうか。私もその1人です。

 実は、A寝台(ロイヤル・ツインデラックス)の利用者には、ディナータイム(懐石御膳のみ)・パブタイム・モーニングタイム時に、ルームサービス(料理を部屋まで運んできてくれ、自分の部屋で食事ができる)を受けることができる権利があります。「例えそうでも、鉄道ファンなら食堂車で食べるものでは・・・」と思われるかもしれませんが、「ロイヤルに乗っているんだから、その特権は行使すべきだ」と思い、今回はルームサービスにしました。

 そんなルームサービスのお願い(注文)も、ロイヤルなら、何も食堂車に出向く必要はありません。部屋の中にある内線電話で、自分の部屋にいながら注文することができます(ツインデラックスには内線電話はありません)。

 乗車から下車まで、ロイヤルならば、部屋の中から全く出ずに過ごすことも可能です。ウェルカムドリンクで飲み物を調達でき、シャワーを浴びるのも、用を足すのも、手や顔を洗うのも、そして食事をするのも、全て自分の部屋の中に居ながらすることができます。”引きこもり状態”も、それはそれで、ロイヤルのうまみを最大限に活かした乗り方と言えるかもしれません。






















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