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※各画像はクリックすると拡大します。












 能代を16:03に発車する普通列車で東能代に戻ります[①]。以前よりも数は減ってしまいましたが、五能線では、幹線上にある東能代駅と市の中心部にある能代駅を結ぶシャトル列車が多数運転されていて、この列車もそのひとつです。能代〜東能代の1区間だけしか走りません[②]

 先ほど、能代駅の近くにイチョウ並木があることをご紹介いたしましたが、そのイチョウ並木は、どうやら東能代駅にもあるようです[③]。駅前から国道7号線に向かってまっすぐに道路が延びていますが、その両脇で色づいたイチョウが来る人を出迎えています。この旅日記を書き上げるにあたって、Google Earthで能代市の様子を調べましたが、このようなイチョウ並木は、市内の至る所にあるようした。

 リゾートしらかみ号は、1997年4月に運転を開始した列車で、今年で20年目を迎えています。東能代駅の駅舎内に、それを記念して作られた、色付きのペットボトルキャップで車両を描いた作品がありました[⑤]。所詮は快速列車なので、せいぜい520円の指定席券による追加収益が上がる程度なのではないかと思ってしまうのですが、新規に製造した車両を導入するなど、20年経った今でも「力の入っている」列車と言えます。

 全ての列車が停車し、まさに主要駅として取り扱える東能代駅ですが、駅自体は街から離れた場所にあるため、利用客の数は多くなく、1日あたりの平均乗車人員は500人台です。しかし、入出場それぞれ1レーンずつのみという必要最小限の規模ながら、自動改札機が設置されています[⑥]。ちなみに、先ほど訪れた能代駅には自動改札機はなく、駅員による有人改札を行っています。

 これから乗るのは、16:25発の青森行きです[⑦]。そうです、先ほどのリゾートしらかみ5号でのくだりで触れたあの列車です。リゾートしらかみ5号は東能代15:06着ですが、それに綺麗に接続する列車はなく、例え東能代で下車していたとしても、乗るのは結局同じ列車になっていました。「それなら時間潰しも兼ねて能代まで行ってみようか」と考えたのが、能代駅を訪れた動機でした。












 青森行きの普通列車がやってきました[①]。もう外の明るさがだんだんとなくなってきていたこと、ロングシートで体を捩りながら車窓を撮影する気分にはなれなかったこと、そして何よりも疲れによる転寝を繰り返していたことにより、東能代〜大館間の写真や語るべきことは一切ありません。というわけで、申し訳ございませんが、2枚目の写真は「大館到着時の写真」ということで・・・[②]

 この青森行きの普通列車は、大館に8分停車し、その間に、上りの特急つがる5号が到着・出発します[④]。普通列車で移動しても退屈で、また、気分的にまったりとできないので、旅先では、できる限り特急列車等に乗りたいと考えており、もしちょうどつがる号があったならば、東能代〜大館間はそれに乗る気はマンマンでした。同区間の営業キロは47.5kmで、ギリギリ50kmに収まる「お得感のある」区間でもありますからね。

 まだ17:00を過ぎたばかりですが、もう11月に入っているということもあり、駅前はすっかり日没後の暗い世界になっていました[⑤]。大館といえば、駅弁「鶏めし」が名高いですが、それを製造する株式会社花善は駅前に本社を構えており、この暗闇の中でも、「鶏めし」と書かれた赤く灯るサインが目立ちます。建物内でレストランも営業していますが、この時間帯はもうやっていません。

 今日はあまり天気が良くないというように聞いていましたが、田沢湖がちょっと曇り気味だったものの、それ以外は、終始天候に恵まれました。ほぼ満月になった月は大きく、そして低く空に構え、人々が暮らす街を月明かりで優しく照らします[⑦]












 北進はここでいったん中断し、次は花輪線の列車に乗って東へ向かいます。17:31発の盛岡行きに乗車して十和田南に向かいます[②]。花輪線は、2012年1月に、旅日記には掲載しないような旅の中で既に全線乗車しており、今回が初めての乗車ではありません(もし今回が初めての乗車であるならば、私がさんざん申し上げていた”JR線の(仮)全線乗車”は嘘だったということになってしまいますね)。

 大館を発車した時点ではガラガラでしたが、次の東大館で中学生か、あるいは高校生が大量に乗車してきて、車内は一気に賑わいました。東大館が最寄り駅となりそうな高校は2つありましたが、直線距離で計測すると、どちらの学校も、東大館でも大館でも、距離に大差はありませんでした。十和田南方面からの学生なら、東大館にしておけば、月々の定期券代は安くなりますから、それは大きな選択理由になりえます。

 窓がだいぶ曇ってきました[③]。きっと今頃、外は寒いということなのでしょう。とはいえ、真冬の北海道をはじめとして、北から南まで、全国津々浦々の様々な環境の場所を訪れてきた人間ですから、「暑い寒いへの耐性」には、それなりに自信があります。



 さて、ここはいったいどこでしょうか[④]。少なくとも、先ほど乗車した花輪線の列車ではないことはたしかです。いきなり場所が飛んでしまっていて、ちょっと混乱を引き起こしかねないところですが・・・、いま私は、十和田南駅から乗り継いだ秋北バスの車内にいます。

 1936Dは十和田南に18:08に到着し、私は、そこから18:12発の路線バスに乗り換える予定でした。「4分しか時間がないとなると、駅や列車をゆっくり撮影している余裕はなさそうだな」とは思っていましたが、多少忙しくはなるものの、4分程度の時間さえあれば、列車からバスに乗り換えること自体には問題はないだろう、と考えていました。

 ところが、特に天気が悪いわけでもなく、トラブルに巻き込まれたわけでもなく、また乗客の乗り降りに手間取ったわけでもないのに、列車はなぜか遅れて走行していて、下車駅の十和田南には、4分遅れの18:12に着きました。4分でさえ「時間がない」と思っていたのに、”0分”ともなれば、一か八かの勝負に出るしかありません。そう、それは「脇目もふらずにバス乗り場まで駆け抜けること」。

 18:12発の便を逃せば、次の便は30分後(正直、このような地方部で30分待ち程度で済むというのは、かなり優秀だとは思いますが)。なんとか18:12発に乗りたい、バスもちょっと遅れてはいないだろうか、あるいは列車からの乗り換え客を待ってくれてはいないか・・・などと祈りながらバス乗り場に急行したところ、お目当ての便はちょうど駅に到着したばかりのところで、なんとか予定通りの乗り継ぎを果たすことができました。

 そういったこともあり、いきなり列車からバスに場面が変わってしまいましたが、私1人で貸し切りという(唯一の他の客は十和田南で降りていました)状態で20分ほどバスに揺られ、目的地の小坂小学校前停留所に到着しました[⑤]。さて、今日の本当の最終目的地に辿り着くために、真ん丸なお月様に見守られながら、もう少し歩いていきましょう・・・[⑥]

 さあ、目的地です[⑦]。その名は「小坂鉄道レールパーク」。ここで、かつて9回乗車したことのある、あの列車が私を待っています。


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