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 9:16発の門司港行きの普通列車は、6両編成の813系でした。車内はガラガラで、席はどこでも自由に選べるというような状況だったので、特に考えることもなく、適当な席を選んで座りました[①]。車内は変哲もない近郊型電車というところで、ともすれば「旅情を感じられない」などと言われてしまいそうですが、九州に来ることなどそうそうない私からすれば、こういう車両でも、乗っていて楽しいと感じます[②]

 小倉を発車した列車は、まずは門司を目指して加速していきますが、その途中、機関車がいくつも留置されている場所が見えました[③]。北九州貨物ターミナルでしょうか。「貨物列車」は特に好きというわけではありませんが、「機関車」は実は結構好きなので、ED76やEF81といった機関車が留置されているその光景はなかなかの垂涎もの。

 門司は山陽本線との接続駅。門司を出ると山陽本線の線路が分岐し、その線路は関門トンネルへと向けて、地下へ進んでいきます[④]。在来線の関門トンネルは長さ3600mほどとそれほど長くなく、門司〜下関間も、駅間距離で6.3qしかありません。そんなわけで、門司(小倉/北九州)と下関は意外と近いので、北九州⇔下関で通勤をするという人も結構多いとか。

 小倉から14分で終点の門司港に到着。横幅の広い、余裕のあるホームには、まだ関門トンネルが未開通で、門司港駅が九州の玄関口だったころの、華やかかりしころの面影が残っているように感じられます[⑤]





















 門司港駅のホームに停車する813系[①]。4年前の前回の九州旅行では乗車しなかった車両です。一方、隣のホームでは、4両編成の415系が久留米行きの表示を出して停車していました[②]。常磐線の415系は帯の色に濃い青色を使用しているのに対し、九州の415系は水色を使用しているので、そういった違いこそありますが、一瞬、「ここは茨城県内か」と錯覚してしまいます。

 駅名標というと、普通はレールに並行する方向で吊り下げられている(立てられている)ものですが、門司港駅には、なぜか枕木に並行する方向で吊り下げられている駅名標がありました[③]。隣の駅を表記しない、駅名だけを記したものでした。ちなみに、ここに「九」とあるように、門司港駅は、特定都区市内制度における北九州市内の駅に属しています。

 門司港駅のホームはどうやら一部だけが嵩上げされているようで、1つの編成の中でも、嵩上げしたところにかかる車両と、嵩上げしていないところにかかる車両の両方が存在してしまう場合があるようです[④]。嵩上げされているのは改札口寄りなので、降りる(乗る)ときに大きな段差に遭遇したくないという場合は、予め改札口よりの車両に乗っておくと良いかもしれません。

 鹿児島本線の起点駅、門司港。関門トンネルが存在する現在は、山陽本線(新幹線)でトンネルを通り、門司(小倉)から九州の各方面へと向かうことができますが、それ以前は、下関から船に乗って九州に来て、門司港から九州の各方面へ向かう必要がありました。つまり、門司港こそが九州の鉄道の”始まりの地”と言えるのです。駅構内にある車止めは、ここから九州の鉄道というものが始まって、ここから長崎や熊本、鹿児島などへと線路が延びていくことを感じさせます[⑤]。0キロポストも、それを手伝います[⑥]

 さて、ただ小倉〜門司港間の乗車をするだけであれば、もうすぐにでも小倉方面へ向けて引き返しても良いんですが、今回は、門司港駅のすぐ近くにある、九州鉄道記念館を訪れることにしていました[⑦]。せっかくはるばる茨城からここまで来て、しかも門司港駅のほど近くにあるのなら、それはやはり行っておくべきだろうと思いましてね。九州鉄道記念館を訪れることは、今回の旅行では外せないことの1つでした。

 この駅では、大正時代に建てられた駅舎を、2012年9月末ごろまで使用していました。門司港駅は「レトロであること」を特徴の1つとしているようで、駅舎内の壁なども、レトロなイメージを壊さないよう、やや古めかしいデザインにされています[⑧]

 その大正時代の駅舎は、老朽化による各種劣化やシロアリ被害などが発見されたということで、2012年9月末〜2018年3月ごろに及ぶ、長期の改修工事に入りました。現在、駅は仮駅舎で営業していて、駅の入り口はこんな感じ[⑨]。大正時代からの駅舎は、壁や屋根で覆われてしまっていて[⑩]、残念ながら、その姿を拝むことすらままなりません。


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