当時は、2015年12月の災害によって不通となってしまっていた山田線の上米内〜川内間が、唯一の未乗車区間として残っていましたが、 ひとまず、「(代行バス等を含めた)動いているところ」は全て乗り尽くしてしまったため、 同区間が復旧するまでは”やること”がなくなってしまいました(一応、その後に可部線の可部〜あき亀山間が延伸開業しましたが)。 そのため、私は、しばらくの間、自らが企画する鉄道の旅から離れ、「新たな旅の模索」と「いつか来るときのための貯蓄」に走っていました。 その結果、2016年の夏は、毎年慣例となっている鉄道による大型旅行は行わず、レンタカーで北海道をドライブするという旅をしていました。 (同年夏の旅日記がないのもそれが理由です)。 そのような折、2017年9月に、「11月5日から山田線の上米内〜川内間の運転を再開する」との発表がJR東日本よりなされました。 そこで、「おお、これで”やること”ができたではないか」、「そうとなればさっさと乗ってきてしまおう」と思ったわけですが、同時に、私は、 岩手県の岩泉町で運営されている列車ホテル、「ブルートレイン日本海」に一度泊まってみたいと以前から考えていたことを思い出しました。 これにより、山田線の上米内〜川内間の乗車とブルートレイン日本海への宿泊をセットとして一度に行う、という方向性が定まりました。 一方、「とはいえ、それだけをやって帰ってくるんじゃあ何かもったいないし、もう少し”厚み”を持たせたい」と考えていたところ、今度は、 「岩手には日本海があるけど、そういえば、隣の秋田では『あけぼの』の個室寝台車が列車ホテルになっている」と思い出しました。 「岩手・秋田まで行けばもう北海道が近いけど、北海道の北斗市では『北斗星』の保存車があるらしい・・・」、 「東京の馬喰町では『北斗星』の部品を再利用した簡易宿泊施設があるとか・・・」、「あそこにはアレの保存車が・・・」。 様々な思案を巡らせていくうちに、私は、「JR線の(仮)全線乗車を達成した今、かつてのように”乗っていないところを乗りまくる”ことに 束縛される必要はなく、自分の思うままに自由な旅ができる」ということに気が付きました。 「それならば、ここはひとつ、”かつての寝台列車との再会を懐かしむ”をテーマとした旅をしてみよう」。 かくして、「山田線の上米内〜川内間に乗ってこよう」というごく小さな要素を起点に構築が始まった旅は一気に巨大化し、 「特定のテーマのもとに旅に出る」、私にとって全く新しい旅が完成しました。 TOP 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 DISCOVER どこかのトップへ 66.7‰のトップへ |
2016年3月の旅をもって、私は念願の「JR線の(仮)全線乗車」を果たすことができました。