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 言うに及ばず、列車はガラガラです。クロスシートだろうとどこだろうと、座席は選び放題です。ただ一方で、最近流行りの「最終列車を繰り上げます」の対象にされてしまっている割には(2021年10月のダイヤ改正)、「別に走っていてもおかしくはないだろう」というくらいの乗客はいたように記憶しています。まあ、とにかく最終列車を繰り上げることが目的で、実際の乗車率を見ているとは限らないでしょうしね。

 途中の通過する全ての駅にとって「本日の上り最終列車」となりますが、目立った乗降はありません。この列車における私の目的地は松江ですが、松江ではさすがに乗るも降りるも見られます。といっても、それは微々たるものではあるのですが。




                     












 米子行きの最終列車が松江を出ると、発車標には「*このホームの列車は終了しました*」との文字。そして改札口に行くと、「★本日の上り方面は終了しました★」。しかし一方で、下り方面の発車標に目をやると、そこに見えるは「特急やくも29号 0:13 出雲市」の表示。私がこの時間に松江まで来たのは、このやくも29号に乗ることが目的でした。

 みどりの券売機が4:40〜0:10・・・つまり、やくも29号の時間帯まで稼働しているのに対して、みどりの窓口は7:00〜19:00。県庁所在地の代表駅ですが、朝は遅く、夜は早いです。みどりの券売機の充実と引き換えにみどりの窓口の営業時間が短縮される例は枚挙に暇がなく、正直なところ、みどりの窓口が残っているだけでも幸いかもしれません(が、JR西日本なら、松江くらいならいずれ潰しそう)。

 このような時間帯とあっては、駅の近くを行き来する人もいません。路線バスも全て終了しています。タクシーだけはいつ来るか分からない利用客を待ちわびていますが、次のやくも29号が来るまでは、タクシーの利用客が現れることはないでしょう。「こいつは乗ってくれるのか?」という視線も浴びましたが、すみません、私はやくも29号で出雲市に帰るのです・・・。

 下り列車としても最終となるやくも29号は、松江0:13発です。2022年3月のダイヤ改正で例によって繰り上げられますが(ただし改正後も出雲市着は0時越え)、この「出雲市0:37着の0時越え特急」に乗らんがために、私は松江まで来たというわけです。何度も触れているように、松江・出雲ミニぐるりんパスは特急列車にも乗り降り自由ですから、これのために余計な費用がかかることもありません。




           








 やくも29号に乗り込みます。松江で降りる人はそこそこいますが、松江から乗る人は、私以外にはいようはずもありません。出雲市着は月曜日の0:37ということで、週末にどこかに出かけていた人が戻ってくるための列車としては、現地での滞在時間を大きく伸ばすことができるダイヤ設定と言えますが、松江も出雲市も0時越えで帰ってきては通勤・通学も辛かろうということか、乗客はさすがに数えるほどです。

 既に0時を越えていますが、381系は日中と変わりない快走を披露しながら出雲市へと向かいます。もちろん上り列車は終了してしまっているので、すれ違う列車はありません。時間帯が時間帯なので、車窓という車窓もないのですが、0時越え特急を体験しているという事実に対しての満足感は得られます。今後、そのような列車って、どんどん貴重にもなっていくでしょうしね。

 列車は0:37に終点の出雲市に到着します。これで特急やくも号の1日が終わるわけですが、翌日の上り1番列車、特急やくも2号は、出雲市4:42発という、これまた非常に早い時刻設定。そのインターバルは4時間5分ということで、日本で最も休み時間が短い特急列車でもあります。

 真の最終列車ということで、あまりホームに長居していると問題になりそうなので、時計と381系の組み合わせを撮影し、そそくさと退散。これで出雲市駅の1日が終わるとともに、私の1日も終わります。


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