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 出雲横田で後ろ側の車両が切り離されるため、ここから先は1両編成単行での運転となります。このときは、前側の車両がキハ120-1、後ろ側の車両がキハ120-2となっていて、偶然にも第1号車と2号車の組み合わせとなっていました。1番はまだ更新工事を受けていない車両で、2番はそれを受けている車両でしたが、内装が違うほかにも、外観では前照灯・尾灯の違いがあります(LEDかそうでないか)。

 木次線で備後落合まで達するのは1日3往復しかなく、いま乗っているのは、その3往復のうちの貴重な1本です。終点備後落合到着は14:33で、14:37発の新見行きと14:43発の三次行きに接続していますが、今回は備後落合までは行きません。あくまでも「島根県内を旅すること」が主眼なので・・・(乗り鉄旅という意識ではないです)。

 木次行きとなった2号車を見ながら、列車は出雲横田を発ちます。この列車での目的地は八川で、木次線は、松江・出雲ミニぐるりんパスには収まらないことから、別途1,170円の片道乗車券を仕込んでここに来ています。木次〜八川間の所要時間は1時間53分ですが、営業キロとしては56.3kmしかないので、途中下車はできません(そのため出雲横田駅の外には出ていない)。

 列車は13:20に八川に着きました。ここで降りたのはもちろん私だけ。それもそのはず、ここ八川駅の乗車人員の統計では、1日平均の乗車人員は、2011年に0人になったのを皮切りに、2013年を除き、2020年まで毎年0人を記録しているのですから。




           








 1日平均の乗車人員が0人という、木次線の中でも指折りの小駅と言える八川駅(ま、出雲横田〜備後落合間の駅というのは、どこもそんなものですが)。私がここを目指した理由は3つあります。一つ目は、1日平均の乗車人員が0人という状況。二つ目は、ちょうどお昼時で、駅近くには八川そばなる店があるから。そして三つ目は、ここが上りの奥出雲おろち号を迎えるのにちょうど良い場所(待ち時間)だったからです。

 駅の近くにある蕎麦屋・・・といっても、9分9厘の人たちは、列車でここを訪れるということはなく、車でやってくることでしょう。八川に着いたのが13:20、帰りの奥出雲おろち号が14:23発で、八川そばは「休日には行列することもある」と聞かされていましたから、「もし奥出雲おろち号に間に合わなかったらどうするか」と心配していましたが、結果的には杞憂でした。

 普段蕎麦を食べる習慣はないのですが(うどんは湯がきます)、普段食べていない分”ありがたみ”も大きかったのか、なんとも美味ではないかと舌鼓を打ちながら八川そばを味わいました。




                         














 駅の近くを”下横田川”なる川が通っていますが、その上に鯉のぼりが掛けられていました。私が子供だった頃は、まだ近所の家でも鯉のぼりを掲げるところはよくあったと記憶していますが、段々と減って行っていたような覚えがあります。もちろん、私の家も、私が成長してゆくにつれ、いつの間にか出さなくなっていたと思います。

 こうも立派な鯉のぼりを目にするのは、もしかしたら何年単位かぶりの話である気がします。流れる川と、瑞々しい緑。降り注ぐ太陽の光と、パタパタと揺れる鯉のぼり。日本の原風景・・・なんて言ったら気取りすぎでしょうが、都会にはあまりない眺めと言えます。

 で、これから木次行きの奥出雲おろち号に乗るわけですが、ただでさえ列車本数が少ない(1日3往復・・・)出雲横田〜備後落合間にあっては、奥出雲おろち号は、普通列車の増発という役割も兼ねています。幸い、この列車は、定期運行する普通列車を置き換える形での運転ではなく、純粋に別列車として走るので、これがある日は、列車本数が1日4往復に増えます。

 恐らく1934年の駅開業時からのものがそのまま使われているのであろう駅舎は、あたかも映画のセットであるかのような佇まい。言うに及ばず無人駅なのですが、「出札所」の中を覗いてみると、そこには時刻表が山積みになっていて、最も新しいものでは、2020年10月号があることは確認できました。ここで切符を発売していることがあるのでしょうか?


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