◆4月25日◆
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 今日も良い天気です。世間は月曜日で会社も学校もある日ですが、私は有給休暇を取ることができたので、引き続き旅ができます。もっとも、高度に情報化された現代社会では、いわゆる”社給携帯”の存在があり、自分自身は休みになっていても、そちらにいつどこで連絡が入ってくるか分かりませんから、そういう意味では気は抜けないのですが。

 本日最初の列車は、出雲市9:05発の特急スーパーまつかぜ1号です。いくら今日が休みであっても、過度に早い出発だと、それはまるで出勤する日を思い起こさせてしまいますが、出雲市9:05発ということで、この日は朝ものんびりと起床してのんびりと朝食をとりました。

 2両の普通列車、1両の普通列車、そして2両の特急列車。15両編成をも収容できる長さがある出雲市駅にとっては、持て余すという次元ではない短さの列車たちですが、これが今の現実です。スーパーまつかぜ1号に乗って目指したのは、大田市でした。松江・出雲ミニぐるりんパスの有効エリアにおける、JR線の西端駅です。

 澄み渡った青空に、紺碧の海。淡い青か、濃い青か。その眺めはある種シンプルですが、しかしそれで十分です。引き算の美学から考えれば、絶景というのは、案外単純なものであるに違いありません。山陰本線は何度か乗車していますが、「もうそれは何回か見ているよ」と思いつつも、やはり日本海側の席を選んでしまいます。大海原の絶景は、何度見ても飽きないものです。

 出雲市〜大田市は30分とかからないので、くつろいでいられるほどの時間はありません。私は大田市で列車を降りました。松江・鳥取方面という文字に加えて、京都・大阪方面との文字も入る表示が、山陰本線の長大さを物語ります。




                           















 大田市で石見交通の路線バスに乗り換えて、次は石見銀山観光の起点となる「世界遺産センター」を目指します。大田市からは、石見川本を経由して広島駅新幹線口まで行く高速バスが運行されているようですが、どうにも島根と広島を都合よく結ぶ陰陽連絡線というものはなく(かつての三江線はどう考えてもまともに使える代物ではなく、木次線も同様)、島根〜広島の主役はバスとなります。

 大田市駅9:37発のバスに乗り、一路世界遺産センターへ。しかし、駅を発車した時点では、バスの乗客は私ひとりのみ。その先で何人かは乗ってきましたが、合計人数は5人を超えることはなかったと思います。これは「平日だから」なのか、それとも「平日にも関わらず」なのか。まあ、地方の路線バスとはそういうもので、だからこそ、「大屋線廃止のお知らせ」という結末に至るのでしょうが・・・。

 駅から33分で終点の世界遺産センターに到着。ここまでの運賃は、本来ならば760円なのですが、松江・出雲ミニぐるりんパスでは、昨日の一畑バスに続き、石見交通の大田市駅〜世界遺産センターもまた乗り降り自由となっています。3日間有効で、JR線は特急列車も乗り降り自由、路線バスも多数含入、そして後で触れますが、更に驚くべき特典もついている松江・出雲ミニぐるりんパスは、これでたったの4,500円です。

 駐車場に停まっている車は非常にまばらで、さすがに平日月曜日だなと思わされます。




                   











 石見銀山世界遺産センターは、かつて銀の採掘地として栄えた石見銀山の歴史について解説する施設であり、一般的な博物館とは異なり、貴重な史料の展示というものはほとんどなく、大半の展示物が模型やレプリカ、映像によって賄われています。もっとも、これは施設も公式に認めているものであり、施設曰く「遺産のガイダンス機能を担っている」とのこと。

 本物の史料に拘らない分、石見銀山のことがより包括的に分かる・・・のかもしれませんが、相変わらず私は”博物館系が苦手”なので、展示の説明等を見ても、細かな部分でつっかえる(ひとつの専門用語の意味が分からず、そこから読み進められなくなる)といった間抜けぶりを連発。「その場で読んでもよく分からないから、後で読もう」と思いつつ写真に撮った解説も、結局その後読まず・・・。

 まあ、ひとつたしかなことは、かつて日本で多くの石炭が採掘されていたのと同様に(当然私はその全盛期を知らない)、銀もまた、自分が与り知らぬ時代には、ここ石見で想像もつかぬ量がとれていたのだということです。石炭の時代は、まだ生き証人がたくさんいるかと思いますが、銀の時代は完全に”教科書の中のこと”レベルと化しているので、イマイチ想像がつきにくいのが難点ですが。

 世界遺産センターを後にして、もう一度石見交通のバスに乗り、”大森”へと移動します。


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