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 スーパーまつかぜ10号も2両編成で運転されます。かつて北海道には1両の急行列車もあったとのことですが、さすがに1両の特急列車は前例がないはず・・・。と思ったら、かつて運転された臨時特急「人吉はやとの風号」は、キハ140形1両で運転されたとのこと。1両という時点でも「はっ?」ですが、それがキハ140形と来たらなおのこと「ハァ?」です。

 キハ187系の座席は、取り立てて飾りもない平凡なものですが、座席カバーはぴらぴらの布ではなく、ビニール製のものです。別にそこで特急列車の格を量ろうということもありませんが、コストダウンを目指しているであろうことはたしかです。まあ、それこそ世の中には、座席カバーを付けないで走る特急列車(それもグリーン車で・・・)というのもありますが。

 上りのスーパーまつかぜ号では、自由席が先頭車両になるので、「平日月曜日なら、前面展望ができる席も空いているのでは」と思っていたところ、その読みは外れ、既に先客がいました。キハ187系の座席の背もたれはやけに高いので、後ろの方の座席から前面展望の様子を窺うことは難しいです。行きが海側の座席で、今回は山側ということで、絶景の海景色も遠いところに・・・。

 西出雲駅の西方に電留線が設けられており、ここには増結用の381系3両編成や285系の姿が。どちらも今のこの時間帯は持て余しています。285系も、ノビノビ座席以外全車個室寝台車という構成でなければ、謎めいた臨時列車(例えば開放式寝台車は座席としても売れますから)とかで日中に走ることもできそうです。

 出雲市発車後に渡ることになる斐伊川は絶景として扱われており、例えば臨時快速のあめつち号では、ここを通過するときは徐行運転となります。もちろんキハ187系は、出雲市駅発車後から全開加速を見せつけるので、ここには目もくれませんが。益田〜鳥取の全区間で振り子が使える恩恵に則り、とにかくよく飛ばします。

 最終的に降り立ったのは安来でした。大田市〜安来(米子)の全区間が松江・出雲ミニぐるりんパスのエリア内に含まれているので、やはり別途料金の支払いはありません。なお、もしこの区間を特急列車の普通車自由席に乗った場合は、片道2,720円となります。




             








 安来にやってきました。何か他の路線との接続があるわけではないので、”鉄道的な”観点でここに来たわけではありません。しかし周辺に観光地がいくつかあるようで、「安来駅 名所案内」としてそれらが紹介されています(徒歩で行けそうなところはなく、全てバスで○○分という表記になっているのは気がかりですが・・・)。

 駅名標は、屋根があればそこから吊り下げられるのが普通であると思いますが、安来駅には、「屋根下なのにホーム面に立てている」駅名標がありました。これはホーム屋根が延長されたということなのか? いずれにしても珍しい光景であると思います。

 安来駅前に停まっている「足立美術館」と書かれたバス。私はこれに乗り、足立美術館へと向かいたいと思います。「名園と横山大観コレクション」を基本方針に設立された美術館で、市街地からは少々離れたところにありますが、訪れる価値ありと見た私は、今回の旅に組み込んでみました。ちなみに、安来駅と足立美術館とを結ぶシャトルバスは、毎日無料で運行されています(これは松江・出雲ミニぐるりんパスは関係なし)。




                           















 無料送迎バスで足立美術館にやってきました。水平基調に構築された館が、来館者を迎えてくれます。

 さて、これは是非とも声を大にしてお伝えしたいことですが、足立美術館の入館料は通常2,300円と、少なくとも大安売りの大バーゲン価格ということはありません。しかし、松江・出雲ミニぐるりんパスを所持している人ならば、入館料が無料になるという恐ろしい特典があるのです。4,500円のパスで2,300円の施設に無料入館。ありがたいことはたしかですが、本当に良いのでしょうか・・・!?

 「ほぼ常にカメラを持ち、目に見えたあらゆるものを記録する」ことが旅行中の基本方針ですが、足立美術館においては、”美術作品は撮影禁止、庭園は撮影可能”とされています。そのような条件下では、さしもの私も従うほかありません。ということで、ここからは、美術作品の写真は一切出てきませんが、その代わりに足立美術館が誇る名園の様子をご覧ください。

 足立美術館の庭園は、アメリカの日本庭園専門誌(そんなものがあるらしい)で2003年から18年連続で日本一に輝いているとのこと。これが書かれているところだけ、毎年取り換えが可能なようになっています。・・・まあ、庭園など毎年ガンガン作り変えるものではない以上、基本的にランキングは固定されがちなものでは?とも思いますが、素晴らしい庭園としての外部的評価がある証です。

 どうしても木花が枯れがちな冬を乗り越えた庭園は、豊かな緑と花々に満ちています。人工物による美しさではなく、自然による美しさを追求したものが日本庭園であるならば、自然が本能的に織り成す価値を最大限に引き出す設計をすることに、庭園の本質が詰まっていると言えそうです。それさえやれば、あとは自然任せ。春夏秋冬に見せる様々な表情を楽しむだけです。


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