BRTバス112便を降りて向かった先は、駅前にある「ミヤコーバス 気仙沼駅前」のバス停でした[①]。これより、大船渡線のBRT部分で未乗車として残った最後の区間、鹿折唐桑〜上鹿折間を乗車します。12ページでご説明したように、同区間については、JR東日本はBRTバスを運転せず、同区間が含まれるミヤコーバス・鹿折金山線の気仙沼駅前〜上鹿折駅前間が、大船渡線のBRTバスとして扱われます。
鹿折金山線はただの路線バスなので、気仙沼駅の構内には乗り入れません。駅前のバス停にやってきたのは、そのためです。気仙沼〜盛・陸前高田〜陸前矢作・鹿折唐桑〜上鹿折の全てを乗ってこそ、初めて大船渡線のBRT部分を乗り尽くしたと言えるわけですが、時刻表に掲載されないことといい、気仙沼駅・鹿折唐桑駅での乗り場が違うことといい、鹿折唐桑〜上鹿折間の乗車に至るまでには、様々な試練が待ち受けています。
ちなみに、上鹿折駅へ行こうと思ってミヤコーバス(宮城交通)のサイトを訪れても、旅人はそこでまた新たな試練に遭遇します。トップページから「路線バス→時刻・運賃・路線図検索」と辿っても、鹿折金山線の時刻表は出てこないのです。同線の時刻表は、運行情報のページの中に入っています。というわけで、同線の時刻をご覧になる場合は、トップページから運行情報を開き、そこにある「鹿折線」のPDFファイルを開いてください。
この情報により、私のように「上鹿折ってどうやって行けばいいんだね?」と右往左往する人がいなくなることを願います(笑)
さて、少し遅れて鹿折金山前行きがやってきました[②]。JR東日本のBRTバスではなく、宮城交通の路線バスなので、外装のデザインなどは大きく異なっています。しかし、正面右下に「気仙沼駅前〜上鹿折駅前 JR BRT区間」と書かれたシールが貼られ、このバスが大船渡線のBRTとして扱われることを知らせています。これがなかったら、いよいよ意地悪もいいところでした。
気仙沼市役所などを経由しながら、バスは港の近くまでやってきました[③]。もっとも、鹿折金山線は、市街地から離れた山間部へ向かっていく路線なので、海の近くを走る時間はごく僅かで、すぐに内陸へ戻っていきます。バスは途中、走行経路から外れ、気仙沼市営住宅に立ち寄りますが、その市営住宅は、比較的内陸に位置しているうえに高台にあるので、よくよく考えると、津波に対してこの上ない防御力を備えています[④]。
大船渡線と交わる踏切を渡っていきます[⑤]。と言っても、タイガーロープがかけられていることからも分かるように、鉄道として動いてる区間の線路ではなく、事実上廃線状態となった区間の線路ですが・・・。線路の状態からも分かるように、ここは津波の被害は被っていませんが、気仙沼側や陸前高田側の線路では、大きな被害が出ています。結局、ある部分が綺麗でも、そこが孤立状態となっているのではどうしようも・・・。
気仙沼駅前から30分弱で上鹿折駅前に到着[⑥]。市街地からはかなり離れており、実に閑散としています[⑦]。
|