津で下車しました[①]。県庁所在地の代表駅という、比較的地位があって有名な駅でありながら、その一方で、「かな・漢字表記のとき、日本で最も短い駅名」という称号を持っています。ただし、「ローマ字」が含まれていないことには、留意しなければなりません。
近鉄線のホームに、大阪難波行きの特急がやってきました[②]。近鉄名古屋〜大阪難波間を2時間25分で走るようですが、所要時間では新幹線経由に敵わなくとも、運賃・料金の安さ、大阪の中心部により近い駅(=大阪難波)へ行けることが武器になります。
近鉄とJRでは、言うまでもなく、近鉄の方が利用客数が多いです。両社のホームは、ほぼ並んで設置されていますが、近鉄のホームが、ホームのほぼ全面に屋根と照明が整備されているのに対し、JRのホームでは、その途中までしか整備されていません[③] [④]。特に3・4番線ホームは、240mほどの全長のうち、70mほどにしかありません。同じ県庁所在地の駅でありながら、大変な格差を感じます(電化・非電化の違いも含め)。
しかし、それ以上に腰を抜かしてしまったのは、みどりの窓口に休止時間帯があるということでした。みどりの窓口に何かが立てられていますが、そこには「しばらくお待ち下さい お急ぎの方は車内でお申し出下さい」と[⑤]。これではまるで、地方の小駅で、駅業務の片手間として営業している窓口であるかのようです。窓口が1つしかないことはともかくとしても、よもや休止時間があるなんて・・・。
県庁所在地の中心駅ということで、駅前は、たしかに街になっています[⑦] [⑧]。ただし、三重県内には、津市を上回る都市として四日市市があるため、「この県の賑わいを集めた」というほどに発展してはいないようです。2006年1月に平成の大合併を行う直前の人口は、約16万5700人で、全国の県庁所在地で最も少ないものでした(現在は約28万人)。つまり、津駅周辺の街並みというのは、元々「16万+αクラス」ということになります。
駅前にある高層ビル「アスト津」は、2001年に完成した複合ビルで、高さ約94mは、建築物の高さとしては、三重県下第2位です[⑩]。では、1位は何かというと、四日市市にある、四日市港ポートビル(約100m)となっています。ここでも四日市の後塵を拝してしまいました。もっとも、ビルの下に来てみれば、見上げなければてっぺんは見えず、その高さと存在感を感じられます。
ここから乗車するのは、19:54発の特急南紀8号です[⑪]。あと20分待てば、快速みえ26号がやってきますが、それに乗ると、この後の予定に支障をきたすため、この南紀8号に乗車します。まあ、松阪への行きがみえ号だったわけですから、名古屋への帰りは南紀号でいいでしょう。
20:16発の四日市行きと思われる列車(伊勢鉄道)が停車していました[⑫]。発車までまだ時間がありますが、今のところ、車内には誰もいないようです。とはいえ、発車するときには満員になっているかといえば、それもないでしょう。そんな伊勢鉄道が、第三セクターの鉄道会社としては安定した経営を続けていられるのは、やはり、線内を通過していく南紀号・みえ号の存在が大きいわけです。
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