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 先ほどは南口(JR)に出たので、今度は北口(近鉄)に出てみました[①]。「JR東海のフリーきっぷを、近鉄の改札機は、果たして正しく認知してくれるだろうか?」などと不安になりながら切符を投入しましたが、もちろん、きちんと処理されました。当たり前といえばそうですが。

 JRの利用客数と近鉄の利用客数には、4.9倍ほどの差があるので、「近鉄側の駅舎は、さぞかし賑わっているのだろう」といえば、そのようなことはありません。駅舎は小ぶりで、行き交う人の数も限られています[②]。自動改札機の3レーンという通路数も、JR管理の南口と同じです[③]。南口の方が市街地側ですから、近鉄の利用客でありながら南口で出入りしている、という人も多いのでしょう。

18:56発の亀山行きに乗車します[④]。2日前までであれば、キハ40系が入っている可能性もありましたが、3月26日のダイヤ改正により、JR東海からキハ40系が姿を消した、ということで、キハ25形による運転でした[⑤]。JR東海からキハ40系が消滅したことは、JR東海が保有する国鉄時代製造の車両が、僅か8両の211系のみに絞られたということも意味しています。

 車内はオールロングシートであり、ここから、キハ25形の中でも、2次車に分類される車両であることが分かります[⑥]。これから乗車する列車は、実は、新宮を15:30に発車してきた列車であり、終点の亀山到着は、19:40となっています。それにも関わらずオールロングシートであることを考えると、全区間を通して乗る人たち(青春18きっぷ利用者?)のことが、ちょっとかわいそうになります。

 すっかり暗くなった松阪駅を発車しました[⑦]。が、その暗さゆえ、もう外の景色はよく見えません。また、ロングシートであるため、車窓を見ようと思うと、体を強くひねることになり、それを続けるのにも限界があります。阿漕では3分停車し、鳥羽行きの普通列車と列車交換を行います[⑧]

 松阪から25分で津に到着しました[⑨]。県庁所在地の駅(主要駅)であり、少々停車するのかなと思ったら、1分で出ていきました[⑩]





















 津で下車しました[①]。県庁所在地の代表駅という、比較的地位があって有名な駅でありながら、その一方で、「かな・漢字表記のとき、日本で最も短い駅名」という称号を持っています。ただし、「ローマ字」が含まれていないことには、留意しなければなりません。

 近鉄線のホームに、大阪難波行きの特急がやってきました[②]。近鉄名古屋〜大阪難波間を2時間25分で走るようですが、所要時間では新幹線経由に敵わなくとも、運賃・料金の安さ、大阪の中心部により近い駅(=大阪難波)へ行けることが武器になります。

 近鉄とJRでは、言うまでもなく、近鉄の方が利用客数が多いです。両社のホームは、ほぼ並んで設置されていますが、近鉄のホームが、ホームのほぼ全面に屋根と照明が整備されているのに対し、JRのホームでは、その途中までしか整備されていません[③] [④]。特に3・4番線ホームは、240mほどの全長のうち、70mほどにしかありません。同じ県庁所在地の駅でありながら、大変な格差を感じます(電化・非電化の違いも含め)。

 しかし、それ以上に腰を抜かしてしまったのは、みどりの窓口に休止時間帯があるということでした。みどりの窓口に何かが立てられていますが、そこには「しばらくお待ち下さい お急ぎの方は車内でお申し出下さい」と[⑤]。これではまるで、地方の小駅で、駅業務の片手間として営業している窓口であるかのようです。窓口が1つしかないことはともかくとしても、よもや休止時間があるなんて・・・。

 県庁所在地の中心駅ということで、駅前は、たしかに街になっています[⑦] [⑧]。ただし、三重県内には、津市を上回る都市として四日市市があるため、「この県の賑わいを集めた」というほどに発展してはいないようです。2006年1月に平成の大合併を行う直前の人口は、約16万5700人で、全国の県庁所在地で最も少ないものでした(現在は約28万人)。つまり、津駅周辺の街並みというのは、元々「16万+αクラス」ということになります。

 駅前にある高層ビル「アスト津」は、2001年に完成した複合ビルで、高さ約94mは、建築物の高さとしては、三重県下第2位です[⑩]。では、1位は何かというと、四日市市にある、四日市港ポートビル(約100m)となっています。ここでも四日市の後塵を拝してしまいました。もっとも、ビルの下に来てみれば、見上げなければてっぺんは見えず、その高さと存在感を感じられます。

 ここから乗車するのは、19:54発の特急南紀8号です[⑪]。あと20分待てば、快速みえ26号がやってきますが、それに乗ると、この後の予定に支障をきたすため、この南紀8号に乗車します。まあ、松阪への行きがみえ号だったわけですから、名古屋への帰りは南紀号でいいでしょう。

 20:16発の四日市行きと思われる列車(伊勢鉄道)が停車していました[⑫]。発車までまだ時間がありますが、今のところ、車内には誰もいないようです。とはいえ、発車するときには満員になっているかといえば、それもないでしょう。そんな伊勢鉄道が、第三セクターの鉄道会社としては安定した経営を続けていられるのは、やはり、線内を通過していく南紀号・みえ号の存在が大きいわけです。




















 少し遅れて南紀8号がやってきました[①]。今日2度目のキハ85系への乗車です。先頭車両は自由席となっていて、その気になれば、普通車自由席の乗客という身分でありながら、全面展望を楽しむこともできます[②]。高山本線のひだ号では、先頭車両がパノラマ型グリーン車となる列車がありますが、南紀号では、全ての列車において、グリーン車は中間に組み込まれています(半室)。

 津駅の券売機で特急券を購入すると、「特定特急券 960円」の切符が発行されました[③]。私は、「50kmまでの自由席A特急料金750円」に「伊勢鉄道線の特急料金310円」を足した1060円になると試算していたのですが、実際には、「650+310」でした。JR東海では、修善寺踊り子が入線する熱海〜三島間を除き、B特急料金区間はありませんが、その代わり、特定特急料金を適用する区間を設けていて、それが適用されていました。

 通常、夜行列車にでも乗らない限り、夕食はホテルで食べますが、今日はもうホテルには泊まらず、上りのムーンライトながら号で帰るので、南紀8号への乗車中に、適当に夕食を食べておきます[④]。南紀8号の中で食べることにしたのは、時間帯的にいって夕食時であるということもそうですが、特急列車に乗る、即ち、テーブルつきの車両に乗るということもポイントです。

 四日市に到着しました[⑤]。名古屋からそう遠くなく、快速みえ号という存在もある四日市では、四日市から(まで)名古屋まで(から)特急に乗るという選択肢は、あまり選ばれないかと思いますが、新幹線に(から)乗り継いでいくのであれば、むしろ積極的に選んでも良いでしょう。乗継割引が適用されることにより、自由席であれば、本来は650円となるところが、約半分の320円になります。320円で速さと快適性が手に入ります。

 津で乗車したときからずっと気になっていましたが、私が座っている座席のところの窓だけ、なぜか外側に水滴がついていました[⑥]。それ以外の窓は綺麗だったというのに。どこかのトンネルを通過したときに、漏水でも被ったのでしょうか?

 名古屋駅の近くまでやってきて、煌びやかな街並みが見えてきました[⑧]。名古屋のような大都市は、夜にこそ、その美しさが際立ちます。そうして南紀8号は、終点の名古屋に到着しました[⑨]。下りの最終南紀号は、既に名古屋を出ているので、今日はもう折り返しません[⑩]

 時刻は21:00前ですが、帰ろうと思えば、新幹線を利用して、今日中に東京へ帰ることもできます[⑪]。名古屋を出る最終の東京行きは、22:12発ののぞみ64号であり、22:00を過ぎても、なお今日中の帰還が可能です。しかし、私が帰路で乗るのは、大垣22:49発の快速ムーンライトながら号。滞在時間を延ばすことができるとともに、費用の大幅な節減が可能になります。


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