小牛田運輸区を併設する小牛田駅では、そこに留置される様々な車両を見ることができます。最初に目についたのは、キハ40系のジョイフルトレイン、ふるさとでした[②]。お座敷車両に改造されたジョイフルトレインですが、外観は改造前から大きく変わってはいません。かつては水戸支社に所属し、「漫遊」という名を持っていましたが、2000年に仙台支社(小牛田)にやってきました。
古くから、小牛田は交通の要衝として発展してきました。駅間は田園風景が基本で、駅周辺までもがそのようになっているところも多い東北本線(仙台以北)でも、小牛田駅の周辺には、比較的まとまった市街地が形成されています[③]。先ほど乗車した普通列車のように、小牛田を始終着とする列車も数多く設定されており、現在でも、列車運行上の重要な拠点駅です。
小牛田駅の拠点性は、路線の集まり方からも分かります。大幹線・東北本線の他に、小牛田〜新庄間を結ぶ陸羽東線、小牛田〜女川間を結ぶ石巻線が通っています[⑤]。また、前谷地〜柳津〜気仙沼間を結んでいる気仙沼線の列車も、小牛田〜前谷地間で石巻線に乗り入れることにより、小牛田まで直通してやってきています。
都合4路線が集う駅と言って良いでしょう。
「きっぷはみどりの窓口で あなたの小牛田駅をご利用下さい」[⑥]。昨今、JR東日本は、首都圏を中心に、凄まじい勢いでみどりの窓口の閉鎖を続けています。まあ、主要駅であり、利用客数も多い小牛田では、みどりの窓口が閉鎖されるとは思えませんが、私の最寄り駅はどうなることやら。今のところ営業を続けていますが、最寄り駅のみどりの窓口を潰さぬよう、指定席券売機の利用を避け、なるべく窓口を使うようにしています。
小牛田駅は、少し変わった構造をしています。入り口の扉を開けて駅舎に入ると、そこには、切符売り場や改札口がある・・・のではなく、観光案内所があります。更に扉を開けると、壁に「きっぷ売り場は2階です」との掲示があり、何もない空間に、パンフレットラックが置かれていました[⑧]。そして、「入口」の標示がついた、東西自由通路へ繋がる階段があり、そここそが、小牛田駅への本当の入り口です[⑨]。
つまり、駅舎は地上に置かれているのに、改札口やみどりの窓口は、なぜか自由通路の中にあるわけです。自由通路を橋上駅舎であるとみなせば良いのでしょうが、そうすると、「小牛田駅」という看板まで掲げた、地上にある建物はいったい何なのかという話になります。2006年に自由通路を整備した際、駅の中核機能をそこに移動させたにも関わらず、旧来からの駅舎も継続して使用することにした結果、このようになったようです。
小牛田運輸区は、ふるさとの他にも、リゾートみのり、びゅうコースター風っこといったジョイフルトレインが所属しています[⑩] [⑪]。リゾートみのりは、通常3両編成で運用され、妻面が見えることはありませんから、編成がばらされ、1号車の妻面が見えているというのは、なかなか貴重な姿かもしれません。びゅうコースター風っこは、留置中ということで、さすがに窓は閉まっていました。
さて、次の列車に乗りましょう。15:38発の気仙沼線直通・柳津行きに乗車します[⑫]。発車標の下でも案内されているように、前谷地〜気仙沼間のうち、前谷地〜柳津間のみ鉄道での営業を行っていて、柳津〜気仙沼間は、BRTによる営業となっています。BRTの便のうち、一部は前谷地駅まで乗り入れており、全区間をBRTで乗り通すことも可能ですが、一応、柳津までは鉄道で行けるので、ここでは当然柳津まで列車で移動します。
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