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 東北本線の塩釜駅にやってきました。接続線の東北本線側における接続駅は、運賃計算上は松島ですが、実際の乗り換えができる駅は、ここ塩釜です。駅名標を見てみると、小牛田方の駅は、松島/高城町が併記されています[①]。番線の案内標を見ても、下り列車がやってくる2番線は、東北本線と仙石東北ラインの併記となっています[②]

 発車時刻表を見てみます[③]。「赤快速」「緑快速」は、駅にある発車時刻表にも表れていて、同じ快速列車でも、数字が赤色のものと緑色のものがあります。「100万都市・仙台の近郊にしては、あまりにも本数が少なすぎやしないだろうか」と思ってしまうのですが、付近を仙石線が通っていますから、利用客が互いに分散している、食い合いをしているということはあるのかもしれませんね。

 島式のホームということはあるでしょうが、それにしても、ホームの幅がやけに広いです[⑤]。実際に測ったわけではないので、衛星写真からの概算ですが、他の駅の島式ホームが、幅6.5mやその程度であるところを、塩釜駅のものは、8mはあるようでした。

 JRの駅ホームの高さには、主に3種類があります。客車用の760mm、電車用の1100mm、そして共用の920mmです。かつてから電車の運転が盛んだった仙石線では、全ての駅のホームが1100mmの高さとされているようですが、比較的遅くまで客車列車が残っていた東北本線では、それよりも低いところが多いようです。塩釜駅も、中心部は920mmに嵩上げされていましたが、端は低い760mmのまま残されていました[⑥]























 普通列車に乗って小牛田を目指します。701系の4両編成がやってきました[①]。この車両は、床面の高さは1130mmですが、ホームの高さが共用(920mm)となっている駅への入線を前提とし、乗降口にはステップが設けられています。

 先ほどの快速列車で通ってきたところを引き返すようにしながら、東北本線を下っていきます。塩釜を発車してから8分ほどで、ようやく仙石線との接続線がある地点までやってきました[②] [③]。塩釜〜松島間は、約10kmの駅間距離がありますが、接続線がある場所は、松島駅から750mほどの位置です。つまり、高城町〜塩釜〜松島と移動すると、9km以上も同じ区間を往復しなければならないことになります。

 もっとも、だからといって、塩釜を接続点として扱うと、石巻・本塩釜方面から小牛田方面に接続線経由で向かう場合に、運賃が不当に高くなってしまいます。運賃計算上の接続点を松島としたのは、それを避けるためであると考えられましょう。ただ、「代償」と言ったら言い過ぎかもしれませんが、石巻・本塩釜方面〜高城町〜塩釜〜松島方面を移動する場合、塩釜での途中下車はできません。

 14:59に松島に到着[④]。東北本線と仙石線の接続線は、いかにも画期的な事業のように扱われることがありますが、かつて、松島駅の塩釜寄り(東北本線上り線)と仙石線を結ぶという渡り線が存在していました。もっとも、東北本線の上り線と仙石線を結ぶということは、仙台方面から(へ)の乗り入れは想定されていないわけです。この渡り線は、接続線の整備に伴って撤去されました。

 松島の次は愛宕。築堤上に、まるで仮設のような安っぽい造りをしたホームが設けられ、駅舎という駅舎はなく、簡易な屋根を設けた雨凌ぎ場があるという程度[⑤]。当然無人駅で、自動改札機もなく、簡易Suica改札機だけが置かれています[⑥]。そんなわけで、まるでローカル線の駅のような、とても東北本線とは思えない構造をしています。

 品井沼で719系の上り列車と遭遇[⑧]。東北本線と言っても、この辺りは田園風景が基本で、大規模な駅もなく、列車同士のすれ違いの頻度も低いです。東西の大幹線が東海道本線なら、南北の大幹線は東北本線なのでしょうが、やはり差はあります。

 仙台所属の701系では、内装の一部に木目調の部品が使用されているようです[⑨]。通勤・近郊型車両で木目調の内装に仕上げているという車両は、それほど多くはないはずです。ところで、この木目調の風合い、どこかで見たような気がすると思ったら、思い出しました、JR東日本所属のオロハネ24・25の壁です。オロハネ車の方が登場時期は早いはずですが、「平成初期のJR東日本における木目はどんなものか」が読み取れます。

 便所の外壁などにこの木目調の部品は使われていますが、その便所の前には、ごみ箱が置かれていました[⑩]。ごみ箱がない駅があるからか、それとも単に乗車時間が長い場合が多いからか。いずれにせよ、首都圏の通勤・近郊型車両では見かけることのないものです。

 仙台の都市部を離れた列車は、田園風景の中を進んでいきます[⑪]。曇っている時間帯もありましたが、再び青空が広がるように。鹿島台では、待避線に入る貨物列車を発見[⑫]。東北新幹線の開業により、在来線特急などが激減した結果、旅客輸送における東北本線の比重は、大きく低下しました。東北本線を走る夜行列車も全滅した今、特に夜間は、東北本線は、貨物列車のためにあるような路線と化します。

 15:20に小牛田に到着[⑬]。小牛田行きの列車だったので、701系は、折り返し仙台行きとなりました[⑭]





















 小牛田運輸区を併設する小牛田駅では、そこに留置される様々な車両を見ることができます。最初に目についたのは、キハ40系のジョイフルトレイン、ふるさとでした[②]。お座敷車両に改造されたジョイフルトレインですが、外観は改造前から大きく変わってはいません。かつては水戸支社に所属し、「漫遊」という名を持っていましたが、2000年に仙台支社(小牛田)にやってきました。

 古くから、小牛田は交通の要衝として発展してきました。駅間は田園風景が基本で、駅周辺までもがそのようになっているところも多い東北本線(仙台以北)でも、小牛田駅の周辺には、比較的まとまった市街地が形成されています[③]。先ほど乗車した普通列車のように、小牛田を始終着とする列車も数多く設定されており、現在でも、列車運行上の重要な拠点駅です。

 小牛田駅の拠点性は、路線の集まり方からも分かります。大幹線・東北本線の他に、小牛田〜新庄間を結ぶ陸羽東線、小牛田〜女川間を結ぶ石巻線が通っています[⑤]。また、前谷地〜柳津〜気仙沼間を結んでいる気仙沼線の列車も、小牛田〜前谷地間で石巻線に乗り入れることにより、小牛田まで直通してやってきています。 都合4路線が集う駅と言って良いでしょう。

 「きっぷはみどりの窓口で あなたの小牛田駅をご利用下さい」[⑥]。昨今、JR東日本は、首都圏を中心に、凄まじい勢いでみどりの窓口の閉鎖を続けています。まあ、主要駅であり、利用客数も多い小牛田では、みどりの窓口が閉鎖されるとは思えませんが、私の最寄り駅はどうなることやら。今のところ営業を続けていますが、最寄り駅のみどりの窓口を潰さぬよう、指定席券売機の利用を避け、なるべく窓口を使うようにしています。

 小牛田駅は、少し変わった構造をしています。入り口の扉を開けて駅舎に入ると、そこには、切符売り場や改札口がある・・・のではなく、観光案内所があります。更に扉を開けると、壁に「きっぷ売り場は2階です」との掲示があり、何もない空間に、パンフレットラックが置かれていました[⑧]。そして、「入口」の標示がついた、東西自由通路へ繋がる階段があり、そここそが、小牛田駅への本当の入り口です[⑨]

 つまり、駅舎は地上に置かれているのに、改札口やみどりの窓口は、なぜか自由通路の中にあるわけです。自由通路を橋上駅舎であるとみなせば良いのでしょうが、そうすると、「小牛田駅」という看板まで掲げた、地上にある建物はいったい何なのかという話になります。2006年に自由通路を整備した際、駅の中核機能をそこに移動させたにも関わらず、旧来からの駅舎も継続して使用することにした結果、このようになったようです。

 小牛田運輸区は、ふるさとの他にも、リゾートみのり、びゅうコースター風っこといったジョイフルトレインが所属しています[⑩] [⑪]。リゾートみのりは、通常3両編成で運用され、妻面が見えることはありませんから、編成がばらされ、1号車の妻面が見えているというのは、なかなか貴重な姿かもしれません。びゅうコースター風っこは、留置中ということで、さすがに窓は閉まっていました。

 さて、次の列車に乗りましょう。15:38発の気仙沼線直通・柳津行きに乗車します[⑫]。発車標の下でも案内されているように、前谷地〜気仙沼間のうち、前谷地〜柳津間のみ鉄道での営業を行っていて、柳津〜気仙沼間は、BRTによる営業となっています。BRTの便のうち、一部は前谷地駅まで乗り入れており、全区間をBRTで乗り通すことも可能ですが、一応、柳津までは鉄道で行けるので、ここでは当然柳津まで列車で移動します。


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