石巻駅にやってきました[①]。これで仙石線は全区間を乗車したことになりますが、線路自体は、この先、石巻線によって女川まで伸びています。
「仙石東北ライン開業 仙台⇔石巻駅間を最速52分 約10分短縮で結びます」[②]。最速52分というのは、当然、特別快速のみが達成している所要時間ですが、その特別快速は、1日に1往復しか運転されていません。明らかに最速記録を作るためだけの運転です。JR東日本からすれば、別に画期的な速達輸送を実現するために接続線を整備したわけではない、というところでしょうが、もう少し特別快速があっても良いように思います。
石巻市は、一応、宮城県第2位の街ですが、人口は15万人に満たない程度なので、都会的な街並みが広がっているわけではありません[⑥]。駅舎への入り口は、改札口へ繋がるものと[⑦]、びゅうプラザの店内へ繋がるものと[⑧]の2つがあり、一見すると、2つの別の駅舎を連結しているかのように見えます。前者の上では、石ノ森章太郎・作のサイボーグ009に登場するジェット・リンクが、空に向かって飛んでいます[⑨]。
改札口へ繋がる側の入り口から入ると、駅舎内は、左手にニューデイズ、正面に改札口、右側にびゅうプラザ・みどりの窓口という構成[⑩]。自動改札機が設置されていますが、その設置は2003年7月と、地方部の大規模とは言えない駅としては比較的早いもの。2003年10月に、Suicaは仙台地区でのサービスを開始し、石巻駅は、サービス開始当初の最初期から利用可能エリアに入っています。
石巻市の面白いところといえば、市役所が百貨店の建物の中に入ってしまっているということでしょうか。駅前のすぐそこに、桃色の百貨店風の建物が建っていますが、その外壁には、「石巻市役所」の縦型看板が[⑪]。元々、この建物は本当に百貨店でしたが、それが閉店した時期と旧市役所の新築移転を計画していた時期が一緒であったため、市役所は、旧百貨店の中に移転することとなりました。
次に乗車する列車は、10:38発の女川行きです[⑭]。小牛田〜女川間を結ぶ石巻線は、震災後、まず渡波まで復旧し、次に浦宿まで復旧。そして2015年3月、浦宿〜女川間も復旧し、石巻線は全線での運転を再開しました。これまで、未乗車の路線は東北地方に多く残っていましたが、それは、震災によって不通になった路線が多数あったほか、復旧する/しないが未確定な路線が多かったからです。
震災から5年近くが経過し、東北地方の各路線も、未来の大勢が固まってきました。無事に復旧した路線もあれば、BRTのまま営業することが決まった路線もあります。復旧はさせても、JR東日本は運営せず、三陸鉄道に移管することにした路線もあります。
「今後どうなるか分からないから保留で」としてきた態度を改め、今回、ようやく東北地方の各路線を乗っていくことにしたのは、5年が経って大勢が見えてきたためでもあります。
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