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 出発反応標識に書かれた「青森方」と「東京方」[①]。たしかに間違えてはいませんが、カシオペア号の廃止により、東北本線を通して走る長距離の在来線列車が失われた今、青森や東京と書かれても、かえってピンと来ないような気がします。青森方面に関しては、盛岡から先は、もはやJRの東北本線でもありませんしね。せいぜい「盛岡方」「仙台方」がいいところでしょう。

 東北新幹線とも接続する一ノ関駅ですが、新幹線のホームは、側線を挟んだ先にあるため、在来線ホームからはやや離れています[③]。もっとも、離れていると言っても、三河安城駅などと比べれば、大したことはありません。乗り換え通路がどれだけ長くとも、同じ駅として改札内での乗り換えができるようになっていれば、それに越したことはありませんね。

 2番線に盛岡行きの普通列車が停車していました[④]。701系は仙台あたりでも見られますが、盛岡支社所属車両特有の紫色の帯を巻いた車両を見ると、北の方へ来たなと感じます。ところでこの盛岡行き、発車は18:40とありますが、まだ17:50なのに、もう入線しているのですか?[⑤] 既に乗客は乗り込んでいましたが、ただの普通列車が発車の50分以上も前に入線しているとは。いくらなんでもおかしいような気がしてしまいます。

 東北本線においては主要な駅として挙げられる一ノ関駅ですが、新幹線と東北本線は1時間に1〜2本程度、大船渡線は1〜2時間に1本程度しかないので、発着する列車の数は多くありません。列車の発着がない時間帯は、乗り換え通路も閑散としています[⑦]

 西口の改札口を出ると、左手に鉄道模型を収納したショーケースがありました[⑧]。中を覘いてみると、485系や583系のNゲージ車両のほかに、カシオペア号のBトレインショーティー車両が置かれていました[⑨]。もっとも、先頭のEF510形が前のめりになって脱線しかけていたのはご愛嬌。鉄道模型の展示はよく見かけますが、一度ケースに入れるとなかなか管理されないのか、よく脱線しています。

 「カシオペア号といえば・・・」と思って発車時刻表を見てみると、まだカシオペア号は掲載されたままでした[⑩]。一ノ関に停車するカシオペア号(下り)は、上野発3月19日の分をもって既に廃止されていますが、シールで隠すなどの処理はされていません。カシオペア号が廃止されたことにより、宇都宮・郡山・福島・仙台・一ノ関・盛岡から在来線特急(優等列車)が失われました。

 一ノ関駅には西口と東口がありますが、市街地が広がっているのは西口側です。西口の駅前では、多くのタクシーが客待ちをしています[⑫]。居酒屋や商業施設、ホテルなども、基本的には西口側によく集まっています[⑬] [⑭]。そんなわけで、今日私がこれから宿泊するホテルも、西口側に構えています。では、大通りを歩いてホテルへ向かいましょう。














 今日の移動は一ノ関までです。今日最初の列車、もとい、BRTバスは10:15発で、一ノ関に到着したのは17:41ですから、7時間30分も行動していないということになりますが、バス・バス・バス・バスでしたから、もう疲労困憊です。ちょっと移動する程度であれば良いかもしれませんが、繰り返し乗ったり、長時間乗ったりするのには、やはり路線バスタイプの車両は向いていません。

 本日のお宿は、蔵ホテル一関です[①]。駅の西口から徒歩3分という立地で、バーと大浴場をウリとしているようです。もっとも、私は、さすがにバーに1人で入る気にはなれませんし、風呂についても、部屋のユニットバスでシャワーを浴びる程度で済ませてしまうような人なので、それらに惹かれてこのホテルを選んだわけではありません。

 では、なぜこのホテルを選んだのか。それは、「全国チェーンではない、そこにしかないホテル」で、かつ「まだ泊まっていないところ」だったから。旅人としてあらゆる宿に泊まる中で、宿の比較研究をするのが好きになってしまった私は、「どこかのホテルの会員になってそこにばかり泊まる」のではなく、「なるべく違う系列・違う会社のホテルを選ぶ」ようになりました。そこまで真剣ではありませんが、ホテル研究家を自任しています。

 部屋はやや広め[③] [④]。ロングソファーが置かれていましたが、こうした設備は、似たり寄ったりな部屋が多いホテル業界にあっては、差別化を図るための小道具となることでしょう。以前、札幌で、マッサージチェアーが置いてあるというホテルに泊まったことがありますが、あれには心底驚き、次に札幌で泊まるときは、ホテル研究家の身分を捨ててでも、またあのホテルにしようかな、と思っているくらいです。

 洗面所・風呂場は若干狭め。特にバスタブの大きさがちょっと・・・[⑤]。水道は残念ながら湯水混合栓で、相変わらずちょうど良い水温を見つけ出すのが難しいです。ハンドルで水温を調整できるものが一番ですが、湯水混合栓を採用するのであれば、せめて混合状態を保持できる仕様のものにしてほしいと思います。ただ、それができる湯水混合栓を使用しているホテルは、非常に珍しいです。


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