あおば通8:54発の高城町行きに乗車します[①]。仙石線の仙台口は、通勤・通学路線という性格が強く、4両編成の205系が短編成で高頻度に発着しています。列車は混み合うと共に、陸前原ノ町までは完全な地下区間、地上に上がった後も、建物と建物の間を縫うように走ったり、高架区間が何度も出現したりするなど、都会的な車窓が続きます。
本塩釜を発車すると、車窓に海が現れるなど、ようやく郊外までやってきたという感が強くなってきます[③]。仙台発車時点と比べると、乗客も少なくなり、やや寛げるようになってきます。そして東塩釜を出ると、線路は単線へと変わり、仙台口との需要の差が明らかになってきます[④]。もっとも、その割には、通勤型車両・オールロングシートの205系なので、「長閑なローカル線」という雰囲気にまではなりませんが。
陸前浜田駅の手前で、線路は松島湾に最接近します[⑤]。すぐその場に駅はありませんが、日本三景・松島への最寄り駅としての役割を担う松島海岸駅が設置されているなど、仙石線は、松島へのアクセスという役割も持っています。観光客がよく犯す間違いとして、東北本線にある松島駅に下車してしまうということがあるようなので、松島へ行く際は、松島海岸駅の存在を覚えておかなければなりません。
松島海岸〜高城町間で、東北本線からやってくる接続線と合流します[⑥]。こうした接続線が敷設できたように、東塩釜〜高城町間では、仙石線と東北本線がお互いに近接したところを走る区間が結構あります。この接続線を含む仙台〜石巻間(東北・接続線・仙石経由)は、仙石東北ラインの名称で呼ばれています。上野東京ラインもそうですが、漢字4文字ラインがお好きのようで・・・。
9:40、列車は終点の高城町に到着しました[⑦]。現在の仙石線では、あおば通からの列車を高城町止まりとし、接続線からやってくる石巻行きの列車と連絡するという手法がよく取られるようになり、以前と比べると、あおば通〜石巻間を通して走る列車が減少しています。
|