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 あおば通駅にやってきました。仙台駅が「街の中心」で、駅を中心として周りに市街地を形成しているものであるとするならば、あおば通駅は、地下駅という特性ゆえ、市街地の真下にあります。そのため、階段を上って地上に出てくると、そこはもう仙台市の市街地の中です[③]。街の中心部へのアクセス性という点では、仙台駅よりも便利というところでしょうか。

 8時台半ばのこの時間帯は、まだ通勤ラッシュの時間帯に入っているようで、バスが続々と発着します[④] [⑤]。歩道を人が行き交い、自家用車も多数往来します。なお、あおば通駅のバス停は、上りのみ機能(営業)するというちょっと変わったバス停で、下り便は全て通過してしまうようです。鉄道でも、常磐線の偕楽園駅は、下り列車のみ停車し、上り列車は全て通過するという営業形態をとっています。

 地下駅となっているあおば通駅には、駅舎らしい駅舎はありません。駅への出入り口となる階段は、屋根付き・ガラス張りの囲いで覆われていますが、その見た目は、まさに地下鉄の駅そのものです[⑦] [⑧]。その見た目には、JRの駅らしくないような雰囲気があります。

 バスの往来が少し落ち着いたかな・・・と思っていると、仙台市営のバスのみならず、宮城交通のバスもやってきたり、上りでありながらあおば通に停まらないで通り過ぎるバスなどが現れたりと、たちまち団子状態になりました[⑨] [⑩]。仙台といえども、鉄道の路線網は貧弱で、地下鉄は2路線しかなく、路面電車もありませんから、路線バスが活躍しないわけにはいかないようです。

 で、こうやってあおば通駅にやってきて初めて気がついたんですが、仙台駅がこんなにも近くにあるとは知りませんでした[⑩]。駅舎がこれほどに大きく見えるくらいですから、目と鼻の先と言っても過言ではないでしょう。何も考えずに仙石線に乗ってしまいましたが、どうせなら、仙台駅から歩いてやってくるのも悪くはありませんでしたね。ちょうど良い運動にもなりそうですし・・・。

 あおば通駅ですが、隣に仙台という巨大なターミナル駅(もちろんびゅうプラザあり)が鎮座していながら、びゅうプラザが置かれています[⑪]。利用客数はたしかに多いですが、仙台駅は非常に近く、歩いても連絡できるほどです。地方・500m程度の駅間距離という状況下で、びゅうプラザのある駅が連続しているというのは、首都圏で物凄い勢いでみどりの窓口を閉鎖するなど、最近合理化に積極的なJR東日本とは思えない状態です。
















 あおば通8:54発の高城町行きに乗車します[①]。仙石線の仙台口は、通勤・通学路線という性格が強く、4両編成の205系が短編成で高頻度に発着しています。列車は混み合うと共に、陸前原ノ町までは完全な地下区間、地上に上がった後も、建物と建物の間を縫うように走ったり、高架区間が何度も出現したりするなど、都会的な車窓が続きます。

 本塩釜を発車すると、車窓に海が現れるなど、ようやく郊外までやってきたという感が強くなってきます[③]。仙台発車時点と比べると、乗客も少なくなり、やや寛げるようになってきます。そして東塩釜を出ると、線路は単線へと変わり、仙台口との需要の差が明らかになってきます[④]。もっとも、その割には、通勤型車両・オールロングシートの205系なので、「長閑なローカル線」という雰囲気にまではなりませんが。

 陸前浜田駅の手前で、線路は松島湾に最接近します[⑤]。すぐその場に駅はありませんが、日本三景・松島への最寄り駅としての役割を担う松島海岸駅が設置されているなど、仙石線は、松島へのアクセスという役割も持っています。観光客がよく犯す間違いとして、東北本線にある松島駅に下車してしまうということがあるようなので、松島へ行く際は、松島海岸駅の存在を覚えておかなければなりません。

 松島海岸〜高城町間で、東北本線からやってくる接続線と合流します[⑥]。こうした接続線が敷設できたように、東塩釜〜高城町間では、仙石線と東北本線がお互いに近接したところを走る区間が結構あります。この接続線を含む仙台〜石巻間(東北・接続線・仙石経由)は、仙石東北ラインの名称で呼ばれています。上野東京ラインもそうですが、漢字4文字ラインがお好きのようで・・・。

 9:40、列車は終点の高城町に到着しました[⑦]。現在の仙石線では、あおば通からの列車を高城町止まりとし、接続線からやってくる石巻行きの列車と連絡するという手法がよく取られるようになり、以前と比べると、あおば通〜石巻間を通して走る列車が減少しています。
















 高城町駅にやってきました[①]。東北本線と仙石線を結ぶ接続線が開業したことにより、両線との接続駅という地位を得ることになりました。東北本線側の接続駅は、運賃計算上は松島(高城町から徒歩で900mもない)ですが、接続線は、松島には乗り入れず、また、接続点にも駅はないため、実際には、松島から約10kmも離れた塩釜となっています。仙石東北ラインは、松島以北から(へ)の利用においては、やや”無駄”があります。

 住宅街の奥まったところにあるという立地の高城町は、駅前の道路が細く狭く、とても狭隘です[②] [③]。そのため、東日本大震災の影響で仙石線が不通となっていたときに運転されていた代行バスは、高城町駅前での発着はできず、駅から離れた、松島町文化観光交流館の前に置かれた停留所に発着していました。まあ、バスが発着するにはちょっと厳しいかもしれませんね。

 これから乗車するのは、仙台から接続線経由でやってくる、石巻行きの特別快速です[⑤]。今日の目的地は大船渡駅ですが、乗りたいところを乗って大船渡へ行くだけであれば、もう少し遅い時刻に出発しても問題ありませんでした。ただ、どうせなら、1日に1往復しか走らないという仙石線の特別快速に乗ってみたいということで、わざわざ朝早いこまち1号で出発したというわけです。仙石線内の途中停車駅は矢本のみ[⑥]

 3月26日のダイヤ改正に合わせ、駅の運賃表は「調整中」でした[⑦]。このダイヤ改正により、仙石線に新駅・石巻あゆみ野駅が誕生しますが、掲示されている運賃表には、シール貼りでありながら、既に石巻あゆみ野駅が登場していました。同駅が書かれたシールだけを追加で貼っている状態ですが、全体的な違和感が薄いので、陸前赤井と蛇田の間は、元々、新駅の開業に備えて間隔が広めにとられていたようです。


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