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 深川からは留萌本線の列車に乗車し、増毛へ向かいます。留萌本線は、深川〜増毛間66.8kmを結ぶ路線で、運転される列車は全てが普通列車(ただし一部の駅を通過する便がある)となっています。本線を名乗ってはいますが、総距離66.8kmというのは、本線としては、筑豊本線の66.1kmに次いで2番目に短く、また優等列車が全く走っていないなど、かなり地味な路線です。

 13:23発の増毛行きは1両編成のキハ54形でした。留萌本線では、基本的にキハ54形しか使用されません。平日の真昼間、しかも留萌本線のようなかなりのローカル線ということで、私は「まあがらがらだろう」と見込んでいたんですが・・・、実際には、クロスシートはほぼ満席、ロングシートも4割程度は埋まるほどの乗車率でした。

 もっとも、途中の石狩沼田で降りる人が多く、同駅からはクロスシートに座ることができました。この日乗車した車両は、クロスシート部の座席が、キハ183系で使用されていたリクライニングシートとなっていました。集団見合い式で配置され、座席の回転はできないようになっていますが、座席のリクライニング機構は存置されています。

 なお、全体の座席配置としてはセミクロスシートとなっていて、車端部はロングシートとなっていますが、ロングシート部の座席は、本当にただ横長な座席(1人あたりの座席幅が不明瞭)なものと、1人掛けをいくつも連ねたような座席(1人あたりの座席幅が明瞭)なものの2種類がありました。

 留萌本線は日本海側にある町、留萌市や増毛町に向かう路線ということで、留萌駅から先は、日本海の沿岸のあたりを走るようになり、車窓から日本海が望める区間があります。この日1月28日は、「留萌地方は大雪や猛吹雪に警戒を云々」と前日のニュースで言われていたように、天気は悪く、日本海も大時化でした。ただ、留萌本線はきちんと走っているようで何よりです。

 車掌車を駅舎とした舎熊駅など、ローカル線らしい風情のある駅を経由しながら一路増毛へ。非常に厳しい天候でしたが、遅れが発生することはなく、終点の増毛に14:47の定刻に到着しました。

























 増毛駅は留萌本線の終点駅。接続路線などはなく、同線の単独駅です。優等列車も一切ない全長66.8kmの盲腸線・留萌本線は、乗り潰しをするには、ちょっと面倒で厄介な路線です。もっとも、北海道には、やはり優等列車がなく、それでいて全長は142.5kmにも及ぶ盲腸線、日高本線という、更に面倒くさい路線がありますが・・・。

 増毛駅はやはり日本海に近いところにある駅で、駅からちょっと歩けば、その沿岸に行くことができます。このときの増毛駅周辺は、凍えるような冷たさを持つ強風が休むことなく吹き荒れていて、いかにも極寒というような状況でした。今回は、耳まで覆える帽子などを持ってきていましたが、そういった装備が、道内に入ってから初めて役に立ちました。日本海の荒波は、視覚的な「寒さ」を掻き立てます。

 残念ながら、増毛駅周辺にはこれという見どころは見当たらず、そのうえ非常に寒かったので、「とっとと折り返し列車の発車時刻にならないかな」と思いながら時間が過ぎるのを待つだけでした。なお、増毛駅にはそば処が併設されている(土日祝日のみ営業)ので、外がどうにも寒くて仕方がないときは、暖かいそばを食べながらやり過ごすのも良いと思います。




























 留萌本線に限らず、盲腸線の乗り潰しというのは、基本的に”帰り”はかなり退屈なものです。なにせ、”行き”で通ったところを全く同じように引き返していくだけですからね。ゆえに、深川までの1時間40分は、やや辛い道のりになります。

 行きの列車で見かけた顔ぶれがある(「平日だからそうそう旅行者はいるまい」とこの旅の出発前は思っていたんですが・・・、実際には、道内各日至るところで旅行者を見かけました。平日なのにね?)中、列車は増毛を出発。まず箸別、朱文別と停車しますが、これらの駅は両方とも、ホームの長さが1両分にも満たないという短さであり、進行方向前側の扉しかホームにかかりません。

 留萌には16:03に到着します。列車交換を行うわけではありませんが、ここでは11分間停車しました。これから列車が進んでいく方向を見てみると、猛吹雪のために、視界がとても悪くなっていました。冬の北海道では、このような荒天が日常茶飯事であるため、予め種々の対策や訓練がされているのは承知していますが、それでも、「こんな天候でも走れるのはさすが」と思わずにはいられません。

 16:39に到着するのは峠下で、ここでは列車交換のために5分間停車します。峠下は、留萌とともに、留萌本線の途中駅で列車交換が可能なたった2つの駅のうちの1つです。その駅名の通り、周辺は山々で、既に薄暗くなってきていることとも相まって、「人気のないところにひっそりと佇む秘境駅」の雰囲気が強く出ていました。

 基地局の増設などにより、携帯電話の電波(接続)状況は年々よくなっていますが、それでも、北海道の人口希薄地帯や山間部では、携帯電話が「圏外」になることもあるようです。「何だか繋がり方が悪い・・・」と思ったら、やがて、画面左上には「圏外」の表示が・・・。

 終点の深川には17:18に到着。前日のニュースでは、明日の留萌地方は大荒れだと言っていたので、「留萌本線には乗れないかもしれない」と思っていましたが、結果的には、行きの列車も帰りの列車も、最後まで問題なく走ってくれました。





















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