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 特急スーパーおおぞら3号で釧路へ向かいます。昔は、帯広駅から広尾線・士幌線、白糠駅から白糠線が出ていて、また一昔前までは、池田からふるさと銀河線が出ていましたが、いずれも廃線となり、現存していません。そのため、根室本線は、石勝線と接続する新得を出ると、釧網本線と接続する東釧路まで、他の路線と接続する駅がありません。
 もし、広尾線や士幌線が残っていたら、釧路まで特急で一気に移動する前に、まずは帯広で下車する、という行動をとっていたことでしょう。

 帯広の1つ隣の駅、柏林台駅の手前から始まる高架橋を上ると、帯広市の住宅街を、ちょっと高い視点から左右に見られるようになります。北海道の市町村としては第6位となる、人口約17万人の帯広市の代表駅である帯広駅は、1996年11月に高架化された駅で、スーツ姿の人を中心に、多くの人が降りていきました。札幌〜帯広間を走るスーパーとかち号の存在が、帯広を目的地とする人の多さを示しています。

 根室本線の線路は、一部区間では、太平洋のすぐそばを通っています。もっとも、太平洋の海岸線に沿っている区間は短く、「車窓にずっと太平洋を見ていられる」と言えるほどの区間はありません。とはいえ、北海道の鉄道旅行においては、絶景の1つとして挙げられましょう。スーパーおおぞら号では、A席が太平洋側の席となっています。

 北海道の鉄道では、広がる自然の中に線路を敷設したという区間も非常に多いです。それは、根室本線でも当てはまります。そのような区間に突入したスーパーおおぞら号は、警笛を何度も何度も鳴らし、時には急ブレーキさえもかけるように・・・。一体全体どうしてそんなことをするようになるのかというと・・・、それは、野生のエゾシカが線路を横断していくから。

 釧路などの道東地方は雪が少なく、晴れる日が多いと言いますが、今日はまさにそんな日でした。釧路に近づくにつれ、車窓に見える雪の量は少なくなり、キハ283系の大きな窓からは、暖かいばかりの日差しが差し込んできます。「北海道」という大きな括りで見ると、つい「大雪」「豪雪」などを考えてしまいますが、地域ごとに細かく分けてみると、独特の気候を持った地域の存在に気がつきます。

 終点の釧路には、新得から2時間以上の乗車時間をかけて到着します。
























 釧路からは、根室行きの普通列車に乗車します。発車時刻は13:10で、スーパーおおぞら3号が釧路に到着する時刻が13:01であることを考えると、ちょうど良い待ち時間で接続している列車であると言えますが、私にとっては、「駅舎の外にすら出られない、あまりにも短い待ち時間」。一方、この13:10発の次は16:28発で、3時間以上も列車がないので、13:10発のものに乗らざるをえないのも事実です。

 根室本線が通っている市町村の1つに浜中町がありますが、その浜中町は、ルパン三世の作者であるモンキーパンチ氏の出身地。そこで現在、根室本線で運用されるキハ54形のうちの1両が、ルパン三世のラッピングを施されています。13:10発の根室行きに充当されていたのはそのラッピング車で、車体側面には、ルパン三世の登場人物たちが、その姿を見せていました。

 東釧路は、釧網本線が分岐する駅です。ここで根室から来た快速はなさき号と列車交換を行いました。釧路を出てからというもの、列車はずっと内陸側を走ってきましたが、門静〜厚岸間では、厚岸湾に非常に近いところを走ります。厚岸は、根室本線の釧路〜根室間における最も大きな途中駅で、釧路〜厚岸間のみを走る区間運転の列車が、1日3往復設定されています。























 列車は厚岸を出発し、更に東進します。釧路⇔厚岸間の区間運転の列車があるということで、厚岸から先は、更に列車の本数が少ない区間となり、北海道を代表する長大路線である根室本線と言えども、”ローカル線感”がより一層高まってきます。

 厚岸を出発すると、間もなく右手に厚岸湖が見えてきますが、その厚岸湖の湖面は氷結していて、まるで流氷が来たかのようになっていました。今回の旅では、流氷を見られる路線として名高い釧網本線も乗る予定となっていて、もしかしたらそこで流氷が見られないかな、という期待をしていますが、一足早く、”流氷体験”をすることができました。

 根室本線の釧路〜根室間には、直線が長く続く区間がいくつかあります。進めど進めど、列車の後方には真っ直ぐなレールが伸びゆくばかり。海岸に立っているときに、海のその水平線の先が見えないように、別にレールが曲がっているわけではないのに、その先にあるはずの景色が見えにくくなっていきます。長く続く直線は、北海道らしい鉄道風景の1つでもあります。

 厚岸湖が見える区間が終わると、線路は内陸を走るようになり、しばらくの間、海とは無縁になります。別当賀〜昆布盛間の一部には、右手に海が見える区間があり、北海道の東の果てに近づいているという感覚が急に大きくなってきます。昆布盛の次の駅が西和田ですが、この西和田は、5635D唯一の通過駅となっています(たった1駅しか通過しないくらいなら、別に停めても良いと思うんですが・・・)。

 下車駅の東根室は15:24着。日本最東端の駅ではありますが、1面1線、しかもホームは板張りという簡素さ。「日本最東端」らしく、陽が沈むも早いようで、まだ15:30にもなっていないというころですが、太陽の位置はだいぶ低くなっていました。

















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