◆7月26日◆
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 さて、今日はこの北海道旅行の最終日です。しかし今は便利な時代なもので、対東京であれば、新千歳空港からの飛行機というのは、だいぶ遅い時刻まで飛んでいます。夜までしっかりと旅をしてから帰ることにしましょう(ただ、2020年10月から大阪で暮らしていますが、伊丹空港の離着陸可能時間というのは・・・)。

 6:15くらいにはホテルをチェックアウトしましたが、街を歩いている人はほとんどいません。まあ、休日の朝というのはそういうものでしょうか。昨晩お世話になったしゃぶしゃぶの店「友禅」の前も通りましたが、翌朝までどんちゃんしているような居酒屋というわけではないので、シャッターも下ろして静かになっています。その店先の犬は・・・、飼い犬だったのでしょうか。

 留萌本線の留萌〜増毛間は2016年12月に廃線となりました。線路や橋梁といった設備が残っているところもありますが、かつて踏切だったところの線路は完全に切断され、今は舗装された道路になっています。留萌駅の方向を見ても、増毛駅の方向を見ても、虎色の柵が行く手を阻んでおり、その中に進んでいくことはできません。

 昨夕留萌駅に到着したときには、既に改札の係員は引き上げている時間帯でしたが、今日もまた改札業務が始まるよりも前に駅にやってきたので、結局留萌駅で駅員に遭遇することはありませんでした。運転要員は常時詰めていますが、信号の操作や列車の入れ換えを行うための要員であるため、切符の販売や回収等は担当していません。

 2020年7月の時点で、留萌から発車する列車は1日に9本で、運行間隔は1〜3時間に1本というところ。これから先、この本数が増えることはまずありえないでしょうし、一方で留萌本線の利用客は減っていくに違いありませんから、いよいよ路線の存廃そのものが取り沙汰される頃合いでしょう。正直、2016年12月が留萌〜増毛間の部分廃線で済んだのは、幸運であったとさえ思います。




           








 昨夕はキハ150形でしたが、今日は”留萌本線ではお馴染み(私のイメージ)”のキハ54形です。6:47発の深川行きは、途中の駅を通過することなく、全ての駅に停車してゆく便です。1日に9本ある上り列車の中で言えば、真の各駅停車は、この6:47発の便を含む2本しかなく、それ以外の普通列車は、何かしらの通過駅を有しています(2020年7月当時)。

 ガラガラの状態で深川を目指しますが・・・、”進行方向向きのクロスシート部”だけは、人口密度が少々高めです。このキハ54形はセミクロスシートで、車両中央部はクロスシートになっていますが、集団見合い式となっているため(座席の回転はできない)、最も人気が高い進行方向向きに座れるクロスシートというのは、座席数が少なくなっているのです。

 その座席は、キハ183系から転用された簡易リクライニングシートとなっており、座席を回転させることはできませんが、リクライニング機構はまだ生きており、背もたれを倒すことが可能です。もっとも、いわゆる「簡リク」であることから、好きなところで止めることができないのはもちろんのこと、姿勢を起こしたら背もたれも勝手に戻ってくるので、ご注意のほどを・・・。

 深川行きの列車でしたが、私は途中の恵比島で降りました。




                           















 恵比島で下車しました。昨夕も少し触れましたが、ここには連続テレビ小説「すずらん」のロケで「明日萌(あしもい)駅」として使用されたセットが残されていると聞いていたため、それを目当てに降りました。素晴らしい青空と単線非電化のローカル線・・・、束の間の夏休みの幸せな過ごし方としては、これに勝るものもなかなかないかもしれません。

 言うまでもなく、ここは恵比島駅なのですが、「あしもい」の駅名標がホーム上にがっつりと設置されているほか、何よりかによりその駅舎のセットというのが本物の恵比島駅の駅舎(車掌車改造)よりも遥かに大きいので、実は恵比島駅の方が架空の存在なのではないかと誤認しそうになります。事情を知っている人は良いかもしれませんが、そうでない人には・・・・(笑)

 さて、この明日萌駅のセット、本当は中を見て回ることもできるのですが、扉に無慈悲な張り紙が。「・・・感染拡大防止のため・・・セットを閉鎖しております」。これについて言いたいことは色々ありますが、だったらせめて公式サイトにきちんと書いておいてくれというのが私からの希望(これ、時短や休業の最新情報を反映していない飲食店とかにも言えることではあるのですが)。

 そのような記載がなければ、通常通り開けていると思うのは当然であるわけで、わざわざ明日萌駅を目当てにここまでやってきた身からすれば、血管の一つや二つが千切れそうな思いがあります(笑) 「今は閉鎖しています」とひとことウェブサイトで予告さえしてくれていれば、「それなら明日萌駅は外して別のところを見てこよう」とこちらも対策をとれるわけで・・・。

 仕方がないので、窓越しに超広角レンズで駅舎内部を撮影してお茶を濁します。今は日中なのでさほどでもありませんが、夜にここに来たときに駅員の姿をしたマネキンを突然目撃したら、心臓にかなりの悪影響がありそうです。間違いなくびっくりします。

 とても立派な明日萌駅舎に比べると、車掌車を改造した恵比島駅舎は質素なもので、外面こそ木材が貼られて(すずらんのロケをする際に目立つことがないように施したとのこと)ちょっとした小屋のような雰囲気を湛えていますが、中はJR北海道の車掌車改造の駅舎そのもので、床の鉄板に2つの扉、長椅子といったものは、もはや見慣れたものでもあります。


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