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 降り立ったのは南斜里駅でした。2021年3月のダイヤ改正で廃駅になるという話を聞いていたので、網走まで一気に駆け抜けずに、途中にあるこの駅で下車しました。いかにも北海道の小さな駅らしい、単式1面1線の造りですが、ホームの面は舗装されていて、廃駅になるほどの駅にありがちな”板張りのホーム”ではありません。

 最末期(訪れたとき)は、釧路方面が1日4本で網走方面が1日2本というダイヤになっていて、普通列車でもここを通過する便がありました。ただ、ある方向の列車で降り立ってから反対方向の列車がやってくるまでの待ち時間は不思議とちょうど良いもので、列車のみで訪問する難易度は、それほど高くはありませんでした。

 麦畑や野菜畑に囲まれた環境にポツンとある佇まいは、北海道のローカル線の駅らしい雰囲気に満ち溢れていました。もちろん、これは利用客が極端に少ないことの裏返しでもあり、”旅情あふれる駅”としての一面と”多くの利用客で賑わう駅”としての一面は、基本的には両立しえません。結局、私がここにやってきたのも、「ここで降りるため」であり、生活利用が理由ではないのです。

 豊かな自然に恵まれた立地は、晴天であればこそ映えるに違いありませんが、今日は雨。しかし、露に濡れ、ところどころに水たまりを湛えた南斜里駅も、決して悪いものではありません。




     





 反対方向(釧路行き)の列車に乗り、2つ隣の札弦を目指します。今日は最終的には網走まで向かいますが、次にある網走行きの列車は、まさに南斜里を通過してしまう便であり、南斜里にいたままでは、それに乗ることができません。よって反対方向の列車に乗って迎えに行こう、というわけです。当初は徒歩で隣の駅まで移動することも考えてはいました。




                 










 そういうわけで札弦にやってきました。ここも単式1面1線の駅ですが、南斜里よりは遥かな立派な造りであり、きちんとした駅舎も備えています。線路は不自然に曲がっていて、ここがかつて相対式2面2線の構造であったことを偲ばせています。

 駅舎は三角を屋根をした、とりあえず雨は十分に凌げるであろうという程度のものですが、なぜか駅舎そのものに北海道ではおなじみの縦書きのホーロー駅名標が貼り付けられていて、他の駅ではなかなか見ない、特徴的な要素となっています。縦に「さっつる」・「さっつる」、横に「さっつる」と、3度も言われなくたって分かりますよ、と言ってみたくなる感じ。

 駅舎内には、公共交通機関の利用を促進するポスターが掲示されていますが、”まあ10分に1本あれば優先的に使おうかな”と感じる身としては(個人的な感覚です)、「釧網本線の本数でそれを言われても・・・」と思ってはしまいます。とはいえ、釧網本線の需要では、1時間に1本さえも過剰極まりないでしょう。つまるところ、もう「諦めるしかない」のです。世の中、綺麗ごとでは回りませんから・・・。


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