糠南駅の利用客がほとんどいないことは、わざわざ詳細な記録を調べようとしなくても、もはや感覚で分かることです。そのような利用客僅少の駅は、本来ならば、上雄信内駅のように廃駅となる運命です。宗谷本線においても、上雄信内駅と同時に、下中川、芦川という2つの秘境駅が廃駅となりました。2006年には、智東、南下沼の2駅が廃駅となりました。
糠南駅も、JR北海道の内部では、恐らく次の廃駅候補に挙がっていることでしょう。秘境駅の存続と消滅は紙一重のことです。秘境駅の魅力と美しさは、そんな儚さの上に成り立っています。いつかやってくるそのときに後悔しないように、私は、できることを今のうちにやっておきます。
さて、7:29発の普通列車がやってきました[①]。8月30日のダイヤ改正による普通列車の時刻変更のせいで、7:13に着いて7:29に出るという、滞在時間わずか16分の短い訪問になってしまいました。そのダイヤ改正が行われる以前であれば、糠南に7:00に着いて7:51に出ることができた(旅程ではそうなっていたのに・・・)だけに、このダイヤ改正による時刻変更は、かなり恨めしいものがありました。
上り列車も、やはり車両の後ろ半分がホームからはみ出ます[②]。前乗り前降りのワンマン列車であることを考えると、究極的には、最低限片開きの乗降扉1枚分の長さのホームさえあれば良いわけですから、車両1両分の長さすらないホームというのは、ある意味、駅としての「最小限」を極めたものと言えるのかもしれません。
普通列車を天塩中川で下車します[④]。この後やってくる特急スーパー宗谷2号に乗り換えるためです。この普通列車は名寄行きで、音威子府で特急スーパー宗谷2号を先に通しますが、音威子府での停車時間は、なんと1時間38分にも及びます。音威子府から先は列車番号も4328Dとなり、事実上の別列車となりますが、時刻表では、稚内から名寄まで「1つの列車が列車番号を変えつつ直通運転している」ことになっています。
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