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本四備讃線・宇野線・山陽本線・東海道本線5032M 寝台特急サンライズ瀬戸号 (285系)
高松(21:26)〜東京(7:08)

2階通路①

今回もシングルツイン②

高松を発ち東京へ③

坂出に到着④

賞の受賞歴⑤

さらば四国の地よ⑥

本州の児島に到着⑦

タオルセットが到着⑧

岡山に到着⑨

発車を待つ285系⑩

 ついにサンライズ瀬戸号に乗り込みました。今日のお宿は、14号車1番個室[②]。行きと同様、今回もシングルツインです。列車に乗って個室内に入ったのは発車の2分前で、荷物などの整理を終えてほっと一息をつく間もなく、列車は高松駅を発車しました[③]

 大して汗はかいていませんが、やはり今日の1日で出た体の汚れや疲れはしっかりと落としてから眠りに就きたいので、検札時にシャワーカードとタオルセットを購入。・・・しようとしましたが、シャワーカードはその場で購入できたものの、なんでも、タオルセットは児島からの積み込みとのこと。まぁ、別に今すぐシャワーを浴びたいというわけではないので、それでも全然大丈夫なんですけれどもね。

 21:44、最初の途中停車駅にして四国最後の停車駅、坂出に到着[④]。ここから乗車する人の姿も見られました。そして扉が閉まると、扉の窓部分に「1998 グッドデザイン金賞」「1998 ブルネル奨励賞」などと書かれたステッカーが貼られていました[⑤]。たしかに、285系のデザインはなかなか秀逸だと思います。それに、従来の寝台列車=青から一転し、朝焼けをイメージしたという独特の塗装も良いですよね。

 坂出を出ると、列車は本州へ向けて北上。高架橋を進みながらしばらくすると、瀬戸内海が窓越しに見えるようになってきました。いよいよ、瀬戸大橋を渡って四国を後にするときが近づいてきたようです。瀬戸大橋に差し掛かるというその直前、マンションや街灯などの明々とした光が、私を見送ってくれました[⑥]。さらば四国。幾日かの思い出を携えて、今また瀬戸内海を越えていきます。

 瀬戸大橋を渡っているときというのは、もうまさに海の上を飛んでいるような感じで、また、夜ということもあって、四国上陸初日にマリンライナー号で渡ったときとは違った車窓が見られました。個室内の照明を消すと、窓への映り込みがなくなり、車窓がかなり見やすくなるので、部屋の照明を消して、瀬戸大橋からの眺めをじっくりと堪能しました。

 そして瀬戸大橋を渡りきり、本州に再上陸。22:00、本州最初の駅、児島駅に到着しました[⑦]。ここで運転士と車掌がJR四国の人からJR西日本への人へと交代します。なお、運転士は米原でJR東海、熱海でJR東日本の人とそれぞれ交代しますが、車掌は、JR各社の境界を無視して、JR西日本の人が東京まで乗り通します。児島を発車してしばらくすると、車掌氏がタオルセットを持ってきてくれました[⑧]

 児島から22分で、22:22に岡山に到着します[⑨]。岡山では、ノビノビ座席の12号車へ大量の乗車がありました。ここで出雲市からのサンライズ出雲号と併結するため、22:33の発車まで11分停車します。列車から降りて、連結作業が行われる場所へと行く人たちもいますが、私は連結作業には特に興味はないので、先頭車両の撮影をするために東京方のホームの端っこへ。

 サンライズ瀬戸号がサンライズ出雲号と併結すると、その編成の両数は14両に達します。そのため、先頭車両を撮影するにしても、ホームの本当に端の端で、柵にもたれかかりながらの撮影となります[⑩]。結果、下からやや見上げるように撮影することになりますが、そうすると、7両中5両が2階建て車で、残りの2両も大きさは2階建て車にほぼ同じという、285系の圧倒的な迫力と存在感が強調されます。








引  き  続  き  ・  ・  ・
本四備讃線・宇野線・山陽本線・東海道本線5032M 寝台特急サンライズ瀬戸号 (285系)
高松(21:26)〜東京(7:08)

これが闇を切り裂いて・・・①

シャワーを浴びる②

コーラとお茶を購入③

223系とのすれ違い④

大阪に到着⑤

 先頭車の前面下部にある前照灯[①]。これが暗き闇切り裂いて列車を進ませ、明日の太陽のある明るい世界へと導きます。ただ真っすぐ、前を照らすだけ、しかし列車が東進するのを支えてくれる。縁の下の力持ちとでも言いましょうかね。

 さて、岡山を発車したら、シャワーを浴びに行きます。経験上、サンライズ瀬戸・出雲号のシャワーは自分が行くときはいつも誰かが使っていて、ミニサロンで待たされるものだと思っているので、今回もそうなるだろうなと思いながら10号車のシャワー室へ向かいました。そうしたら、案の定。

 ミニサロンで待つこと十数分、ようやくシャワー室が空きました[②]。列車内ではありますが、揺れもそんなになく、快適にシャワーを浴びることができました。シャワーを浴び終えたら、自動販売機でコカコーラと爽健美茶を購入[③]。まだお湯を浴びた暖かさが体に残る中で、シングルツインの上段ベッドで、くつろぎながらコーラを飲みました(爽健美茶は翌日の朝に回しました)。

 223系とすれ違ったりしながら、列車は山陽本線・東海道本線を上っていきます[④]。部屋の照明は消していますから、窓越しに見える建物や月明かりだけが部屋の中を照らします。そして0:32、大阪駅に到着[⑤]

 ところで、上りのサンライズ瀬戸・出雲号では、岡山を出ると、横浜到着前まで車内放送は緊急時を除いて流さないことにしていますが、どういうわけか、姫路や三ノ宮、大阪など、岡山を出てからの停車駅で、どういうわけか発車前に「ドアが閉まります。ご注意ください。」という放送を流していました。注意喚起は良いことですが、いったい、なぜ決まり事を無視してまでそんなことを・・・?

 また、寝る準備をするために、荷物置きとした下段へ降りてみると、上段と下段で時計の時刻がずれていることに気がつきました。違う部屋でずれているならともかく、同じ部屋の中でずれているというのには「しっかり調整しておくんだ」と思うよりも先に「面白い」と思いましたね。

 大阪を出ると、新大阪、高槻、京都といった駅を通過しながら、東京へ向けて列車はひた走ります。途中で運転停車はありますが、時刻表上は静岡まで無停車で走ります。いよいよ、本格的な夜行運転に入るというところで、私も就寝しましょう。では、おやすみなさい・・・。

























● 4 月 6 日 ●



引  き  続  き  ・  ・  ・
本四備讃線・宇野線・山陽本線・東海道本線5032M 寝台特急サンライズ瀬戸号 (285系)
高松(21:26)〜東京(7:08)

なんという絶景!①

E231系。2階同士②

部屋に射し込む朝日③

もうここまで来たか・・・④

見慣れた車両の姿も⑤

東京に到着⑥

E231系と285系⑦

回送発車待ち⑧

そして9番線から発車⑨

 眠りから覚め、起床すると、列車はちょうど熱海を出発してしばらくしたところと思われる場所を走行していました。日付は変わって4月6日です。4月2日東京発のサンライズ瀬戸号で東京を発ち、4月6日東京着のサンライズ瀬戸号で東京に戻ってくる。今回の旅は、都合4泊5日という、これまでにない大規模な旅でした。しかし、四国内の移動は全て10000円のバースデイきっぷだったので、旅費は案外かかっていません。

 起床後、上段のベッドで胡坐をかきながら車窓を見ていると、やがて橙色に輝く太陽と太平洋という、素晴らしい絶景が窓越しに現れました[①]。まさに列車名の「サンライズ」のごとくです。サンライズ瀬戸・出雲号では、各部屋にポストカードが置いてありますが、これはかつては列車案内のパンフレットでした。その初代のパンフレット(2種類あったんです)には、最初の表紙にこう書いてありました。

”さわやかな朝があなたをお迎えいたします”

 なるほどたしかにその通りで、これは決して偽りではありませんでした。これ以上に爽やかな朝が他にあるでしょうか。これ以上に気持ちの良い目覚めが他にあるでしょうか。朝起きたら、こんな絶景が目に飛び込んでくる。夜行列車ならではの”マジック”と言えましょう。

 JR東日本区間に入っているということで、E231系などの見慣れた車両を目にするようになります[②]。こういった見慣れた車両を目にすると、「あぁ、帰って来たんだなぁ」と思わずにはいられません。旅をするたびに、この何とも言えぬ悲しさを味わっていますが、今回は4泊5日と、その期間が期間だっただけに、この何とも言えぬ悲しさの大きさがこれまでとは違います。

 おはよう放送が流れてしばらくすると、6:44、横浜に到着[④]。横浜は、終点東京到着前の最後の途中停車駅です。通勤客のこちらを見る痛々しい視線は、「この旅が終わればお前も普通の生活に戻るんだぞ」と教えてくれているかのようです。

 横浜を出ると、終点の東京までは24分。列車の走行音だけが個室内に響き渡ります。窓越しに広がるのは、何度も見たことがある光景。しかしそれでも「俺は旅をしているんだ」という気分でいられるのは、サンライズ瀬戸号の中からそれを見ているからかもしれませんね。もし山手線や京浜東北線の車内から見ていたら、そんな気分には微塵もならないでしょうね・・・。

 品川を通過する前に、田町車両センターの脇を通過[⑤]。スーパービュー踊り子号の251系などの見慣れた車両が留置されていました。それにしても、いったいどうしたものか。ほんのついさっきまで高松にいた気がするのに、ちょっと眠りこけていたら熱海を過ぎていて、ちょっと車窓を見ていたら、もう品川だとは・・・。時間の感覚と場所の感覚を狂わせるのは、夜行列車のひとつの罪です。

 そして終点東京到着を告げる車内放送が流れます。降りる支度をして、デッキへ出ると、同じように降り支度をしてデッキや通路で待つ人が多くいました。そして列車は7:08、終点の東京駅の9番線に定刻で滑りこみました[⑥]
 扉が開き、東京駅の9番線に降り立つと、「ご乗車ありがとうございました。終点の東京・・・」という放送が。あぁ、これで旅も終わりなんですね。

 もう気分的には「旅は終わったのだ」というところなんですが、ただ、285系がそこにいると、まだなんとなく旅は終わっていないような気もします。しかし、その285系も、東京到着の14分後の7:22には回送列車として東京を後にします[⑨]。これで本当に終わってしまいましたね。


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