
引 き 続 き ・ ・ ・
本四備讃線・宇野線・山陽本線・東海道本線5032M 寝台特急サンライズ瀬戸号 (285系)

高松(21:26)〜東京(7:08)
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なんという絶景!① |

E231系。2階同士② |

部屋に射し込む朝日③ |

もうここまで来たか・・・④ |

見慣れた車両の姿も⑤ |

東京に到着⑥ |

E231系と285系⑦ |

回送発車待ち⑧ |

そして9番線から発車⑨ |
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眠りから覚め、起床すると、列車はちょうど熱海を出発してしばらくしたところと思われる場所を走行していました。日付は変わって4月6日です。4月2日東京発のサンライズ瀬戸号で東京を発ち、4月6日東京着のサンライズ瀬戸号で東京に戻ってくる。今回の旅は、都合4泊5日という、これまでにない大規模な旅でした。しかし、四国内の移動は全て10000円のバースデイきっぷだったので、旅費は案外かかっていません。
起床後、上段のベッドで胡坐をかきながら車窓を見ていると、やがて橙色に輝く太陽と太平洋という、素晴らしい絶景が窓越しに現れました[①]。まさに列車名の「サンライズ」のごとくです。サンライズ瀬戸・出雲号では、各部屋にポストカードが置いてありますが、これはかつては列車案内のパンフレットでした。その初代のパンフレット(2種類あったんです)には、最初の表紙にこう書いてありました。
”さわやかな朝があなたをお迎えいたします”
なるほどたしかにその通りで、これは決して偽りではありませんでした。これ以上に爽やかな朝が他にあるでしょうか。これ以上に気持ちの良い目覚めが他にあるでしょうか。朝起きたら、こんな絶景が目に飛び込んでくる。夜行列車ならではの”マジック”と言えましょう。
JR東日本区間に入っているということで、E231系などの見慣れた車両を目にするようになります[②]。こういった見慣れた車両を目にすると、「あぁ、帰って来たんだなぁ」と思わずにはいられません。旅をするたびに、この何とも言えぬ悲しさを味わっていますが、今回は4泊5日と、その期間が期間だっただけに、この何とも言えぬ悲しさの大きさがこれまでとは違います。
おはよう放送が流れてしばらくすると、6:44、横浜に到着[④]。横浜は、終点東京到着前の最後の途中停車駅です。通勤客のこちらを見る痛々しい視線は、「この旅が終わればお前も普通の生活に戻るんだぞ」と教えてくれているかのようです。
横浜を出ると、終点の東京までは24分。列車の走行音だけが個室内に響き渡ります。窓越しに広がるのは、何度も見たことがある光景。しかしそれでも「俺は旅をしているんだ」という気分でいられるのは、サンライズ瀬戸号の中からそれを見ているからかもしれませんね。もし山手線や京浜東北線の車内から見ていたら、そんな気分には微塵もならないでしょうね・・・。
品川を通過する前に、田町車両センターの脇を通過[⑤]。スーパービュー踊り子号の251系などの見慣れた車両が留置されていました。それにしても、いったいどうしたものか。ほんのついさっきまで高松にいた気がするのに、ちょっと眠りこけていたら熱海を過ぎていて、ちょっと車窓を見ていたら、もう品川だとは・・・。時間の感覚と場所の感覚を狂わせるのは、夜行列車のひとつの罪です。
そして終点東京到着を告げる車内放送が流れます。降りる支度をして、デッキへ出ると、同じように降り支度をしてデッキや通路で待つ人が多くいました。そして列車は7:08、終点の東京駅の9番線に定刻で滑りこみました[⑥]。
扉が開き、東京駅の9番線に降り立つと、「ご乗車ありがとうございました。終点の東京・・・」という放送が。あぁ、これで旅も終わりなんですね。
もう気分的には「旅は終わったのだ」というところなんですが、ただ、285系がそこにいると、まだなんとなく旅は終わっていないような気もします。しかし、その285系も、東京到着の14分後の7:22には回送列車として東京を後にします[⑨]。これで本当に終わってしまいましたね。
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