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 車で少し移動して天狗高原にやってきました。ここは遊歩道が整備された、四国カルストの壮大な眺望が楽しめる展望地ということらしいのですが、先ほどから立ち込めている靄のせいで、眺望などとても楽しめたものではありません。いかにもカルスト地帯と思わせる岩々は手が届きそうなところにまで来ていますが、期待していた見晴らしはどこへやら・・・。

 どうしても岩々が印象的なせいで、四国カルストに花が咲いているというイメージが持てないのですが、実際には、高原植物が人々を待っています。黄色い花弁が特徴的な「ハンカイソウ」は、四国カルストに群生し、時に放牧されている牛とセットになることによって、夏の高原の長閑な風景を作り出します(今は靄のせいで何が何だか分かりませんが・・・)。

 それにしても、まあ雨でないだけマシと思えということなのかもしれませんが、とはいえこの虚しさは何でしょうか。いつでも何度でも来られるのであれば、今日の天候が悪くても別に恨みませんが、ここに至るまでの苦労を思うと、なぜちょうどこのタイミングで山頂は靄に包まれてしまったのか、実にやるせないですね。しかもこういうのは、視界が奪われるのは一瞬ですが、一度そうなると、なかなか回復しないわけで。




                   











 元々は四国カルストにある「姫鶴荘」に泊まろうと思っていたのが、満室ゆえにそうはいかぬと分かったとき、しかし一方で思ったのは「そこ以外に宿泊施設なんてあるのだろうか・・・」ということ。梼原町という町は、四国カルストの高知側の町ですが、人口は約3,000人という山間部の小さな町。「あったとしても個人経営レベルの旅館か・・・」と思っていたら、おやおや、なんだかお洒落なホテルがあるじゃないですか。

 「マルシェ・ユスハラ」は、隈研吾が手掛けた”雲の上ホテル”の別館という位置づけで、梼原町の中心部にあります。こちらも設計は隈研吾によるもので、外観は茅葺屋根をイメージしたものとのこと。場所がら、ビジネスマンがやってくる場所とは思えませんが、シングルルームの用意があったため、2人部屋を1人で使うようなことにはなりませんでした(そういうのって高くつきますからね)。

 室内は木材が多用されており、恐らく地元産の木を活用しているということなのでしょう。部屋は照明をいっぱいにつけてもあまり明るくはならず、ホテルの部屋で仕事をすることも想定するビジネスホテルとは異なり、旅行で宿泊することを前提とした、ゆったりと落ち着いた雰囲気を演出する方向性になっていることが分かります。

 ホテル「マルシェ・ユスハラ」となっているのは建物の2階部分で、1階部分は地元の特産品を販売するお店になっています。朝食の提供はありますが、夕食の提供はなく(それができるほどのキッチンがない)、これは町の飲食店に繰り出して地元の人々との交流を持ってもらいたいという願いがあるからだとか。




         







 夜、「いなほ」という居酒屋にやってきました。飲酒をすると車の運転はできなくなる一方で、ホテルから徒歩圏内に居酒屋などあるのだろうかという疑問もありましたが、幸い歩いて行けるところに居酒屋がありました。連休なので混んでいるかな・・・と思っていましたが、実際にはガラガラで、まったりしながら夕食を食べることができました。

 私は夕飯をコンビニ弁当で済ませることも多いのですが、梼原町中心部には、大手のコンビニはなく、1軒のヤマザキショップがあるのみです。そこで何か買うのでも良いかなと思っていましたが、今回の旅の原資は賞与であり、それなりに懐事情にも余裕があることから、「せっかくだから地元の経済にも貢献しなければ」ということで、居酒屋利用となりました。


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