◆7月26日◆
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 チェックアウトしたのち、送迎車で大歩危駅まで送ってもらいました。サンリバー大歩危は、残念ながら駅と徒歩で行き来するのはあまり現実的ではないです(3.2km)。今日は旅の最終日ですが、どうやら天候には恵まれそうです。

 今日は三好市を観光して回ります。公共交通機関だけで巡るのは大変ですが、今更レンタカーを借り直す気にもならなかったので、多少の不便はあっても、バスと自らの脚で何とかしてみせます。

 駅前から四国交通祖谷線のバスに乗り、祖谷温泉前へ行きます。ここはあの有名な、断崖絶壁に立つ小便小僧の最寄バス停でもあるため、それを目当てにしています。場所が場所ですから、コミュニティバスのような車両が来るのかと勝手に思っていたのですが、実際にやってきたのは、都市部でも使われていそうな路線バス。それを隘路でも自在に操る運転士の技能には感服しました。

 辿り着いた祖谷温泉前は、正真正銘山の中で、正直ここに建設資材を持ってきたり電気を引っ張ってきたりしたこと自体にちょっと驚いてしまいます。どんなにくまなく探しても、視界に民家はなく、すれ違いも難しいような1本道だけが、この場所でも人の往来があることを示しています。

 祖谷の小便小僧は、そんな山間部にあります。アクセス至便とは言えないところまでやってきた甲斐があったと思わせてくれるでしょうか。




           








 断崖絶壁に立ち、渓谷を見下ろしながら小便をする(水は出ていませんが)その像・・・ジュリアンこそは、噂に聞いていた祖谷の小便小僧です。僅かに突き出た岩場に建てられたその像は、人間が同じところに立てば間違いなく恐怖を感じるであろうくらいのところにあり、あまりにも豊かな自然の中でひときわ存在感を放っています。

 下を流れる祖谷渓の水は、四万十川にも負けず劣らずの青さと透明度で、ああジュリアンはこうも美しい眺めを見ながら用を足しているのかと分かります。彼の足元には、賽銭箱はありませんが、訪れた人々が小銭を置いていっており、まるでその勇敢さに敬意を表しているかのようです。

 小便小僧になったつもりで下を見てみるもよし、下から仰ぎ見て開放感ある青空の下に佇む雄姿を見るもよし。小便小僧の楽しみ方、とまで言うとだいぶ大袈裟ですが、このあまりにもスリルに満ちた場所で人々を出迎える小便小僧には、きっと他の場所で見かける小便小僧とは違う価値が宿っていることだろうと思います(私は遥々来た価値はあったと感じました)。




                                         





















 続いてバスでやってきたのは祖谷大橋。もっとも、架け替えられてしまったということなのか、近くにある橋の名前は”新祖谷大橋”でしたが。祖谷川は相も変わらず美しい色調を見せていますが、その上を通り過ぎているのは、いわゆるジップラインのワイヤー。私も静岡の三島スカイウォークと北海道の鹿追でやったことがありますが、大人がやっても楽しいですよ、あれ。

 件のジップスライドをはじめとした様々な体験型アクティビティを提供しているのが、フォレストアドベンチャー・祖谷です。アクティビティは何もできませんが、とりあえず中に入っていくと、横方向にも縦方向にもアーチを描いた不思議な橋が出現。その橋の名前は”祖谷ロマン橋”と称し、横方向の桁は半径50m、縦方向の放物線は半径35mとして造られており、曲線が織り成す均整が表現されています。

 なお、祖谷ロマン橋には、木彫りの小便小僧が立っています。小便小僧といえば、その衣装の無限のレパートリーが有名ですが、この木彫りの小便小僧は、着る衣装の代わりに麦わら帽子をかぶっていました。

 ”モノライダー”という、てんとう虫型のモノレールがありましたが、こちらはなぜか運休中。レールが伸びる先を見ると、乗り場を出て早々に茂みの中に突っ込んでおり、森林の中を駆け抜けるようなコースになっているのだろうかと想像できます。

 ロングジップスライドは、1往復720mが2,300円。もう1往復が1,000円。つまり合計3,300円で1,440mも空を飛ぶことができるというわけです。そう考えると、結構お得なのではないかという気がしてきました。


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