◆7月24日◆
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 翌朝6時30分前ごろ、朝食の前に外出し、ホテルの近くにある「御幸橋」にやってきました。曰く、対岸にある三嶋神社と町の中心部を結ぶための橋ということですが、完成は2002年とのことで、まだ20年ほどの歴史しかありません。それまでは橋がなかったということなのでしょうか?(だとしたら、川面を横切らなければならないということになってしまいますが・・・)

 地元産の木材を使用したこの橋は、材料の接合部以外は全面的に木で構成されており、重厚感と暖かみを両立させています。橋を歩けば、天然の木材を使っているからこその反響と「軋み」が聞こえ、その音が朝の静けさの中にこだましてゆきます。下を流れる梼原川は青とも緑ともつかぬ色合いを呈し、透き通った透明ともまた違う美しさを宿しています。

 まだ人や車の往来もほとんどない静かな朝に、とめどなく水が流れる川のBGM。対岸の神社には、鳥居と本殿と共に、天に向かって伸びる樹齢430年の松の木。自分が呼吸をする音ですらもハッキリと聞こえてきてしまいそうな、それほどにも深い静寂に包まれた高知県のとある町で迎える、ちょっと蒸し暑い朝。こんな幸せだってあると思います。




                     












 ホテルを出て最初に立ち寄ったのは、道の駅ゆすはらです。道の駅ゆすはらは、場所的には雲の上ホテルと同じところにあり、私がここに寄っていったのも、結局は宿泊しなかった雲の上ホテルの姿を拝んでゆくためでした。

 雲の上ホテルは隈研吾による設計であり、自ずと「見た目」にもリソースが大きく振られています。三日月を背中合わせにしたような屋根は、時にその裏側に水のきらめきを映し出し、逆三角形のような形をした通路は、木材を段々に折り重ねた左右対称の姿が、均整を表現します。こちらに泊まるという手もあったのですが、ちょっと値段的に・・・だったもので。

 なお、雲の上ホテルには、温泉が隣接しており、そちらは別館マルシェ・ユスハラの宿泊者も利用できるようになっています。私も昨晩、チェックインした後、車を走らせて温泉に入りに来ました。マルシェ・ユスハラと雲の上の温泉の間にはシャトルバスが走っているため、それを利用すれば、居酒屋で飲んでから入浴ということもできましたが、「食べたら後は寝る」にしたかったので、先に自分の車で温泉に行きました。

 なお、雲の上ホテルは改修のために2021年10月より休館しており、再開は2024年4月とのこと。それまでの間は、こちらでは宿泊ができなくなるので、宿泊需要が全部マルシェ・ユスハラの方にのしかかってきてしまうかもしれません。




         







 神在居千枚田にやってきました。別に千枚田マニアというわけではありませんが、昨日に引き続き、またやってきてしまいました。昨日の堂の坂の棚田は、上から見下ろすような眺めになりましたが、今日はどちらかというと下から上を見るような感じで、田圃が段を成して形成されている様子が分かりました。

 各段の切り立った面には石が積まれており、文字通りの石段になっています。水稲の緑色と石の灰色が交互に展開され、棚田というものがどのようなものであるのかを、視覚的に分かりやすく示してくれています。ただの田圃と比べれば、見る方としては面白みがありますが、このような棚田では機械化も促進しづらいでしょうし、農業をやる側としては大変なのだろうと想像します。

 今回は夏の棚田を2か所で見ましたが、秋の稲刈り直前のころには、今度は黄金色に実り、まさに「首を垂れた」稲に溢れた景色が見られるのだろうと思います。もう一度見に来るなら、夏ではなく、やはり秋でしょうか。


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