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 椎名から夫婦岩に移動しました。夫婦岩と呼ばれるような番の岩は、全国各地にあることかと思いますが、それはここに室戸にもあるというわけです。おおむね直線的に進んできた道路が、急に瞬間的にくねるというその場所に、室戸の夫婦岩はあります。

 ごく僅かに突き出した、岬というほどでもない岩場地帯に、その夫婦岩があります。2つの大きな岩の間には縄が架け渡され、それは夫婦が連れ添っているような光景となります。ここは東向きの場所にあり、太陽がちょうどこの夫婦岩の間から昇る季節にそれを見ることができると、良縁に恵まれるという言い伝えがあるのだとか。

 夫婦岩とそのほかの岩は、長年の風食によって蜂の巣状の表面になっています。単なる巨岩ではなく、蜂の巣状になってしまったその出で立ちが、長年の歳月の経過とそれに耐えてきたことの証となっているようであり、より大きな存在感を宿しています。濃いから薄いまで、連続的諧調の太平洋で今日も荒波に揉まれ続ける岩々は、このエリアにおいては一際目立つ存在として君臨しています。

 路線バスの難しいところは、どこに乗り場があってから始まる「どのように乗って、降りれば良いのか」が分かりづらいという点にあると思いますが、夫婦岩バス停は、「室戸行きは、道路向い側でお待ち下さい」とのこと。これです、こういうのが困るわけです。甲浦方面は、バスが停まれるように道路が内側に引っ込んでいて、バス停の標も立っているのですが、室戸行きの反対車線は、そのどちらもないのです。




                     












 バスに乗って室戸世界ジオパークセンターにやってきました。ここまで、室戸エリアの様々な自然美を見てきましたが、それらはとりあえず「なんだか凄いものだ」とは思っても、その価値は何であるのか、歴史上どういった出来事があって形成されたのか、ここにはどのような文化があるのかまでは、現地では分かりようがありませんでした。

 そこで、それらについての情報と解説を提供する資料館のような位置づけとなるのが、ここ室戸世界ジオパークセンターです。2つの路線バスが接続する結節点でもあります。時刻は13:00過ぎで、ちょうど昼食を食べるにも良かろうということで、入るなりまずはジオカフェに向かったのですが・・・、「休日は食事の提供はありません、カフェのみの営業です(意訳)」とのこと。

 平日はカフェのみなら分かりますが、休みの日がカフェのみとは。うどんくらいは食べようと思っていたのがこの展開、しかしまさか飲まず食わずで夜までお腹が持つはずもないということで、アイスクリームでごまかしにかかりました。でも、そうはいっても、所詮アイスクリームはアイスクリームです。おやつには良いのでしょうが、昼食にはなりえません・・・。

 今回に限らず、博物館的なところに行くと常に感じてしまうのですが、「色々解説してくれても、それを理解するための前提知識がないので、結局内容が分からない」ということが非常に多いのです。博物館=専門的なことを説明するところとなると、どうしても、業界用語的なものを使わざるを得ないことが多いとは思うのですが、それが分からないために、展示内容が結局咀嚼できないわけです。

 たまに用語を事細かに説明してくれているところもありますが、そうではないことの方が多いので、ホント、悔しいことに、博物館を訪れても、何も分からないし何も頭に残らないしで終わることがほとんどとなっています。これ、私の永遠の悩みでもあります。近現代的な文化や産業の話は、まだ身近なので分かりますが、古代の話というのは、もう理解が難しくて・・・。




           








 奈半利駅へバスで戻ります。寒冷地だと、雪で濡れても滑りにくいとか、靴に滑り止め金具をつけたまま乗車してくる人もいるとかで、床面が板張りになっていても分かる(現にキハ56系はそういう理由で板張りでした)のですが、高知のこのバスも床面は木でした。単なるコスト削減のためなのか、それとも何か意味があるものなのかどうか?

 奈半利方面に行くときに右手に見えてくる「室戸青年大師像」。若き日の弘法大師空海をイメージしたもので、台座を含めて全高21mを誇ります。この手のモノを見ると、バブル期に出現した「大観音像」をなんとなく思い出してしまうのですが、こちらは1984年の完成で、中に入れる展望台になっているというわけでもないので、バブル期のそういったものとは関係ないようです。

 ジオパークセンターから1時間17分で奈半利に到着します。路線バスで1時間17分というのは、乗車時間としては、結構長い方ではないでしょうか。走行距離は約36kmです(8kmショートカットできる道もあるのですが、路線バスは室戸岬を周回していくので、その道は通らない)。


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