Page:27

※各画像はクリックすると拡大します。



                           















 特急南風26号に乗り継ぎます。黄色いアンパンマン列車で、天井にはアンパンマンに登場するキャラクターたちが踊っていますが・・・、幸いにも、1号車半室のアンパンマンシートを選ばない限りは、アンパンマンの攻勢はこれくらいなもので、大人が乗っても何とか耐えられます(何かの手違いで普通の大人がアンパンマンシートに乗ってしまったら・・・、諸々”賑やか”すぎるかも)。

 2700系の車内にある情報表示器には、最近のJR東日本の車両でよく見かけるものと同等の仕様のものが使われています。そこの部分だけ見ると、「ここは特急ひたちか」などと感じてしまいます。なお、グリーン車の座席には、E5系のグリーン車とほぼ同じものが採用され、コストダウンへの意識が垣間見られます(もっとも、E5系のグリーン車の座席はなかなか優れたものなので、それと同じというのは良いこととも言えます)。

 電車を目撃するとき、そこは琴平です。土讃線は、多度津〜琴平間のみは電化されているため、ここからは気動車だけではなく、電車の姿も目にすることができるようになります。始発のサンポート号として待機していたのは7200系で、全ての121系が7200系へと改造された結果、元々の121系は消滅するとともに、「国鉄型電車」は四国から消えました。

 南風26号を丸亀で下車して、後続のサンポート南風リレー号に乗ります。南風号では高松まで行けないので、坂出・高松方面に行きたい人は、途中でこの列車に乗り換える必要があります。私もまさに高松が目的地になる人間なので、サンポート”南風リレー”号の恩恵に大いにあずかります。そういえば、これは先ほど琴平駅で見た列車ですね。

 「大阪に帰りたい人間が、なぜわざわざ高松に足を運んできたのか」といえば、その理由はただひとつ。この旅にまたひとつ彩を加えるべく、高松〜岡山間で、サンライズ瀬戸号のノビノビ座席に乗りたかったからです。あのまま南風号を岡山まで乗り通し、そこで新幹線に乗り換えれば、さっさと大阪に辿り着くことができますが、それでは面白くない。もうちょっと楽しいことをしてから帰りたいじゃないですか。

 流れ星マークと共に表示される「サンライズ瀬戸」の文字を見ると、このまま東京まで夜行列車の旅と行きたいところですが、乗ることができるのは、残念ながら岡山駅まで(そこから新幹線)。一応、大阪までノビノビ座席に乗ることはできなくもないのですが、そうすると帰宅が1時間遅くなるので、明日から仕事の人間には、その違いは大きいのです。




                                     



















 サンライズ瀬戸号は、1日1往復、ただひたすらに同区間を結び続け、その歴史はまもなく25年になります。青函トンネルの開通と同時に走り始めた北斗星号が、東京と札幌を乗り換えなしで結び、青函トンネルによって本州と北海道が結ばれたことの象徴となったことと同様に、サンライズ瀬戸号は、瀬戸大橋で本州と四国が繋がっていることの象徴になっています。

 単に高松から乗る人がそこまでいないのか、あるいは他の人たちはまだ外で写真撮影に興じているのか、ノビノビ座席はがらんどう。1時間も乗りませんが、瀬戸大橋の通過というイベントを控えているので、上段席を選びました。その代わり、出入りに階段の上り下りが必要という、ちょっとした面倒くささがありますが、高い視点からの眺めの良さがそれを補ってくれます。

 坂出は四国側最後の停車駅・・・といっても、四国島内を走る距離は非常に短く、そもそも、四国側の停車駅自体、高松と坂出の2つしかありません。松山まで延長運転をしていたころの上り便であれば、いくつもの停車駅を経た果てに停まる「坂出」に、四国側の出口駅としての重みを感じられたのかもしれませんが。

 坂出を出てしばらくすると、列車は瀬戸大橋に入ります。夜の瀬戸大橋の見どころは、四国側の重化学工業地帯のきらめきと、満月が作り出す「月の道」にあります。下り列車で目撃する日の出と比べると、だいぶ地味であることは否めませんが、この”月の道”は、夜のサンライズ瀬戸号における、瀬戸大橋の隠れた楽しみのひとつだと私は思っています。

 岡山でサンライズ瀬戸号を降りますが、もちろん列車の発車を見届けます。岡山では、先にサンライズ瀬戸号が入り、その後にサンライズ出雲号がやってきて、連結作業が行われます。本当に勝手を言えば、”岡山22:34発の14両編成の夜行列車が1本ある”ではなく、それぞれが単独で運転し、21:30発と23:00発の7両編成の夜行列車が2本ある、とかの方が、絶対便利なんですけどね。

 22:48発のみずほ614号に乗り換えます。この列車は姫路にも停まりますが、姫路ではサンライズ瀬戸・出雲号より先行してしまうので、ノビノビ座席を姫路まで乗ってからこれに乗り継ぐということはできません。




           








 みずほ614号に乗りますが、意味もなく乗ったサンライズ瀬戸・出雲号からの乗り換えに使ったり、九州へ旅行しに行ったときの帰りに使ったりと、この列車、私が大阪にやってきてから大活躍しています。乗り込んだのは、いつものお気に入りの6号車です。

 この列車にはもう結構な回数を乗っているので、今更特に語れることは何もないのですが、乗るならば、進行方向右側のA席が良いですね。終点新大阪に着く直前に見える、都心部キタの夜景は、遠めに見てもなかなか美しいものがあります。それは同時に、明日からまたあそこらへんに出て仕事をしなければ・・・という、現実への引き戻し役でもありますが。

 さて、こうして5日間に及ぶ四国旅行は完結しました。今回は久しぶりに、乗り鉄という要素と、観光という要素の両方で、非常にバランスの取れた旅程に仕上がり、完成度と満足度としては、かなり高いものに仕上がったと感じています。それでも、四国には、私がまだ訪れることができていない素晴らしい場所がごまんとあります。今後も四国のことは追ってゆかねば・・・。













TOP                    10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20
21  22  23  24  25  26  27


DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ