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 廃校水族館ということで、当時の小学校校舎がそのまま使われています。入口が自動ドアというのは、さすがに水族館になるタイミングで改修したものでしょうけれども、開館時刻を始業、閉館時刻を下校と称しているのは、廃校を水族館にしているという環境によく似合っています。下駄箱なんかを見ていると、ほんと、当時の思い出がよみがえりますね。

 2021年7月時点で、私は小学校を卒業してから13年の歳月が経過していましたが、それくらい(大学を出て、もはや”学生”とは呼ばれなくなる頃合い)になると、いよいよ昔日のことに”なつかしさ”を感じるようにはなってくるもので、「そうそう、小学校ってこんな感じだったよな」とか、そういったものを思うたびに、かつての日々が頭に還ってくる気がします。

 机と椅子を並べた教室の空間、ボルト止めして高さを調整していた机と椅子・・・私は超早熟だったので、これを一番高くなるようにしていた記憶がありますが・・・今となっては「ここに何を入れられるのか?」とも言える机下の狭小な物入れ、子供だった頃の日々を思い起こさせる、電動黒板消しクリーナーの聞き慣れたあの音・・・。OHPは世代ではありませんが、正直、魚よりもこっちの方が価値があるような。。。

 小学校の備品にばかり目が行って、なかなか展示されている海洋生物に目が行かないのですが、水族館を名乗るわけですから、展示はしっかりとしています。しかし、ここは”小学校”ということで、水棲動物は壁と一体化した大きな水槽ではなく、床に置けるレベルの水槽に入れられています。これはまた小学校という空間の雰囲気を保持することに繋がっています(これで壁を大きくくりぬかれては・・・ですから)。




                                         





















 展示されている水棲動物のことはよく分からないので、小学校の空間とセットで楽しんでいきます。小学生の頃のことなど、今となってはよく思い出せませんが、理科室とか、音楽室とか・・・、科目特有の設備が必要な場合に向かっていた教室(これを移動教室と呼ぶかどうかは、地域差があるようですね)があったかなあということは、なんとなく思い出せます。理科室も、むろと廃校水族館の手にかかれば、水族館の展示室になります。

 1995年生まれの私の世代は、まだアルコールランプを使っていましたが、聞くところでは、今の子供たちは、アルコールランプは危険だからと使用しないのだとか。で、代わりに使っているのガスコンロと。そういうわけで、ガスバーナーやアルコールランプが描かれた図解を見てしまうと、それだけで懐かしさを覚えてしまいます。それらの着火にはマッチを使っていましたから、もしかすると、我々はマッチがまともに使える最終世代なのか?

 もうひとつ、今はないものといえば、座高計。私のころはまだありました。私は典型的な胴長だったので、身長の割には座高はある方ではありませんでした。2016年度からは座高の測定はしなくなったというので、懐かしい存在といえます。とりわけ早熟だったので、中学年〜高学年のときくらいまでは、身体測定に楽しみがありましたが、その後の伸びのなさと言えば、もう・・・。

 ここが小学校の廃校であることを最もよく活かしているものは、やはり屋外にあるプールでしょう。ここでは、25mプールがそのままに生かされ、シュモクザメが泳いでいます。夏期のプール使用期間以外の、何とも言えぬ薄汚れた状態までもが再現(別に再現しようと思っているわけではないでしょうが)され、繰り返しの月並みの表現にはなりますが、とにかく懐かしいというほかありません。

 プールといえば、眼球ダイレクト洗浄のあの蛇口(分かりますでしょうか・・・二股に分かれた、先端がシャワー状になった蛇口)ですが・・・、それはここにはないようでした。2008年に日本眼科医会が「目洗いは積極的には推奨しない」と発表して以降、洗眼器は減ったとのことですが、私は2007年度に小学校6年生でしたので、もろに最終世代に掠る予感が。




           








 むろと廃校水族館は見終わるも、次のバスにはまだ時間があるので、近くにある椎名八王子宮という神社に行ってみました。といっても、鳥居こそあるものの、賽銭箱も鈴もなく、佇まいは小ぢんまりとしています。結局、何をどうするわけでもなく、神社を離れ、椎名バス停に向かいました。

   椎名(むろと廃校水族館の近くにあります)は高速バスのバス停でもあり、本数は極小ですが、時間帯がうまく合えば、ここから大阪駅前やなんばにも直接行けるのですから、高速バスの機動力を感じるところです。今日は祝日月曜日ですが、甲浦方面へは1日6本しかなく、公共交通機関だけで1日を乗り切ると宣言した者には辛いものがあります。


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