◆3月26日◆
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 今日は3月26日土曜日、ダイヤ改正の当日です。携帯電話の目覚ましによって4:20頃に叩き起こされた私は、まだ5:30にもならないうちにホテルをチェックアウトし、青森駅にやってきました[①]。自宅からか、あるいはホテルからか。早朝5:30にもなっていないという時間帯であるにもかかわらず、多くの”同好の士”たちが、青森駅を目指して歩いていました。彼らと共に青森駅へ潜入。

 昨日は「開業まであと1日」だったカウントダウン装置も、今日はついに「あと0日」の表示となりました[②]。これから北海道新幹線への乗車をするわけですが、「〜の初日」や「〜の最終日」の騒乱が好きではない私は、これまでは、そのようなものは避けていました。「21歳になるまでに・・・」「大学の春休みのうちに・・・」といった条件がついて回った結果、開業から早めの乗車が求められ、「じゃあ、どうせなら初日に」となりました。

 普段の青森駅の様子は知りませんが、お盆や年末年始でもないのに、早朝5時台からこれだけの人がいるというのは、非常に珍しいことではないでしょうか[③]。それこそ、東北新幹線の新青森開業以来のことであるかもしれません。その身なりや恰好を見るにつけ、皆考えていることは同じであると見受けます。まあ、私もそのうちのひとりというわけですが。

 5:45発の弘前行きに乗車します[④]。元々は6:00ちょうど発という発車時刻でしたが、本日施行されたダイヤ改正により、青森5:43発の特急つがる2号が廃止されたため、その穴埋めをするべく、5:45発へと繰り上げられました。毎年定例の3月改正(今年は2週間遅れでしたが)も迎え、まさに春が近づきつつありますが、路面上の雪はほとんどなくとも、線路上には雪が残り、「青森は春と冬の境目」を漂っています[⑤]

 今日という今日のこの時間帯に青森駅にやってくる人たちの目的は、ただひとつです。そんなわけで、青い森鉄道の列車はこの有様[⑥]
















 弘前行きの701系に多くの人たちが乗り込んでいきます[①]。4両編成での運転となっていましたが、普段は何両編成で運転されることになっているのでしょうか。早朝5:45発の列車が普段から4両とも思えません。北海道新幹線関連客の輸送に対応した、今日だけの措置でしょうか? ただ、新青森は隣の駅ですから、1区間だけのために増結する必要性があるかといえば、それはそれで疑問です。やっぱり普段から4両?

 車内に掲示された路線図を見ると、北海道新幹線の”線”は引かれていませんでした[②]。新青森駅の部分はシール貼りになっていましたが、それは、「東北新幹線新青森開業によって変化する部分をシール貼りにした」ときのものでした。他社線の青い森鉄道については、線だけを引き、駅名は書かないという状態になっていますから、北海道新幹線の線を引くとしても、「線だけ」に留まるかもしれません。

 まだ雪の残る青森を発車[③]。青森発車後に左へ分岐していく線路は、青い森鉄道線のものです[④]。対北海道の寝台列車の廃止が、IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道の経営に大きな影響を及ぼすということが話題になりましたが、その後、カシオペア号については、団体列車として復活することが発表されました。運転頻度は低くなりますが、いくらかの足しにはなることでしょう。

 5:49に列車は新青森に到着。そして、そこでまあ降りること降りること[⑥]。老若男女多種多様、その人の属性は問わず、とにかく多くの人が降りていきます。その結果、1両あたり20人は立ち客がいたであろうという乗車率であったのが、新青森でこんなことになりました[⑦]























 新幹線に乗り換えるべく、エスカレーターで上へあがっていきますが、そこもこの混みよう[①]。まるで年末年始の混雑を見ているかのようです。ところで、年末年始といえば、特に混雑が激しくなる時期には、在来線と新幹線の乗り換え改札が開放状態にされるということがしばしばありましたが、青函特急と新幹線の乗り換えがなくなった今、それが行われることは、もうないかもしれませんね。

 五稜郭までの乗車券と新幹線特急券を通し、乗り換え改札を通過。そして・・・、おお、皆さん撮っている撮っている[②]。新幹線の発車標には、今日から、新函館北斗を目指す列車たちが表示されるようになります[③] [④]。世間では、「一番列車となるはやぶさ●号が・・・」などと言っていますが、新青森から北海道へ向けては、6:32発のはやて91号(新青森始発)、7:57発のはやて93号(盛岡始発)と、2本続けてはやて号が出発します。

 勘の良い方はすぐにお気づきになったかもしれませんが、[②]番の写真の発車標には、あるおかしな点があります。それは、13・14番線用の発車標に、11番線から出るはやて91号が表示され、逆に、11・12番線用のものでは、14番線から出るはやぶさ4号を表示しているということです。13・14には「新函館北斗方面」と書かれ、11・12には「盛岡・仙台・東京方面」と書かれているので、方面的には間違っていませんが・・・。

 本来は、はやて91号は12番線(それでもやっぱり東京方面用ホーム!)から発車し、はやぶさ4号は11番線(これは正しい)から発車しますが、どうやら、今日に限り、式典実施などの都合で、発車番線が変更されているようです。はやて91号がいずれにせよ東京方面用ホームから発車する理由は、両列車を1つのホーム(11・12番線)に置くことで、必要となるホーム監視員などを削減するためというのが一説のようです。

 お見送り用の紙旗が配られていたので、1本もらっておきました[⑤]。一昔前は、新駅開業や新線開業のときは、日の丸の旗を振って祝福していたようですが、世知辛い世の中、最近はそのような光景はあまり見ませんね・・・と思ったら、この紙旗のデザインを見てください。中央に描かれた津軽海峡が青い丸で囲まれていて、まるで青い日の丸のよう。意図してのものだったのかは不明ですが、落としどころを突いた見事なデザインです。

 そうこうしている間にも、改札口を通り抜けて、次々と人が流れ込んできます[⑥]。誰が乗客で誰が見物人なのか。その区別も碌につきませんが、とにかくお祭り騒ぎになりかけているのはたしかなことです。11番線へ繋がるエスカレーターも混雑し、警備員も困惑、もうてんやわんや[⑦]

 6:00過ぎ、新函館方面から、6:32発のはやて91号となるE5系が入線してきました[⑧]。多くの人は、やはりH5系に乗車したいと思っていたことでしょうが、5年前から走っているE5系での運転です。各始発駅を新函館北斗に向けて1番に出る列車では、仙台6:40発のはやぶさ95号は、H5系によって運転されますが、新青森6:32発のはやて91号、盛岡6:54発のはやて93号、東京6:32発のはやぶさ1号は、それぞれE5系で運転されます。

 列車の入線後、人々の注目は、行き先表示機に集まりました。「回送」表示で入線してきたE5系ですが、「はやて91 新函館北斗」の表示に切り替わると、各々のカメラが唸り出します[⑨]。・・・それにしても、つくづく、「新函館北斗」「奥津軽いまべつ」という冗長な駅名は、とても好きになれません。やはり、「新函館」と「奥津軽今別」が良いでしょう。後者に関しては、「奥津軽」か「津軽今別」であれば、なお良いと思います。

 開業記念式典が行われる都合上、今日は、様々な「特例」が実施されています。ふつう、列車に乗車するときは、各車両にある乗車口から乗り込みますが、9号車と10号車の乗車口は、ひとつにまとめられてしまいました(8号車の新函館北斗寄り)[⑩]。10号車(新函館北斗方)付近で開業記念式典を行うことにより、10号車方面への一般旅客の通行が禁止されているためです[⑪]

 式場に近づけない中でも、何とか式典の様子を撮影しようとする人が多数います。彼らを掻い潜りつつ、私も式典の撮影を試みますが・・・、遠い、他人の頭や腕が邪魔になる、案内標で隠れる、と、厳しい環境であったため、なんだかよく分からない写真になりました[⑫]

 しかし、諦めることはありません。私は、はやて91号、それもグリーン車の乗客です。9号車・グリーン車の乗降扉は、新青森での乗り降りには使えませんが、開けられていたため、その隙間から、式典の様子を少しだけ見ることができました。視界は先ほどよりも良好。6:27ごろ、式典もいよいよ終盤を迎え、くす玉の紐に手がかかりました[⑬]。「それでは、どうぞ」の声を引き金として、その瞬間、くす玉が綺麗に割れました[⑭]


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