◆3月25日◆
Page:18

※各画像はクリックすると拡大します。










 日付は変わって3月25日です。今日は最終目的地を青森駅に定めて移動していきます。それでは、ホテルを出て、旅路に戻りましょう。

 今日はまず東北本線を下っていきます。乗車するのは、7:59発の盛岡行きの普通列車です[①]。特急・急行とは言わないまでも、せめて快速列車があれば、少しは楽しく移動できるのでしょうが、一ノ関を発着する定期の東北本線快速列車はありません。7:59発の次は8:59発であり、万が一乗り逃してしまうと、大変なことになります。また、停車列車の都合上、仮に乗り逃した場合、新幹線で追跡して追い付くこともできません。

 東京方面の新幹線発車標を見てみると、はやて112号とはやぶさ8号が表示されていました[②]。どちらの列車も、登場当初は、基本的に東京・(上野)・(大宮)・仙台・盛岡と停車する速達列車だったはずですが、一体全体どうして一ノ関に平然と停まっているのやら。今や、仙台以北まで達するはやて号は、少なくとも一ノ関には必ず停車し、東京発盛岡行きのはやぶさ号には、仙台〜盛岡間各駅停車という便まであります。

 仙台方面から貨物列車がやってきました[③]。牽引しているのはEH500形。最終的な行き先がどこなのかは知りませんが、青函トンネルを抜けて北海道まで達する便でしょうか。以前は、EH500形がそのまま北海道まで行くことができましたが、北海道新幹線開業後は、架線電圧昇圧とATC方式の関係で、青函トンネル区間はEH800形が牽引するようになりました。機関車付け替えの手間が増えましたね。

 まあ、それにしてもこの貨物列車の編成の長いこと[④] [⑤]。具体的に何両あるのかは不明でしたが、少なくとも17両はあったように思います。もちろん、貨車なので、旅客車両(20m級)が17両ある場合よりは短いのでしょうが、これから乗る普通列車(4両)、その次の普通列車(2両!)などと比べると、圧倒的な長さを誇ります。東北新幹線ができてからというもの、東北本線は、一気に近郊輸送が中心となりましたからね・・・。

 足元を見ると、ジョイフルトレイン「ジパング」の乗車位置案内がありました[⑦]。定期的な運用のない車両に対しても乗車位置案内を用意しているようですね。個別の列車名ではなく、編成愛称「ジパング」を書いておけば、どんな列車名をもって走る場合でも、このシールで対応できます。























 701系4両編成の普通列車に乗車します[①]。一ノ関を出る東北本線の下り普通列車は、最終の北上行きを除き、全て盛岡行きとして運転されます。4両という編成もあってか、車内は比較的空いていて、青春18きっぷ利用者と思われる人の姿もちらほら。

 今日はまた一段と素晴らしい天気です[②]。澄み切った青空は、その下にいる我々の心を清々しくしてくれます。土手が邪魔をして見えませんが、この向こうには、水田が一面に広がるという風景があるようです。東北新幹線の線路は、その水田地帯の中を、高架橋をもって真っ直ぐに貫いており、夏ごろ〜秋ごろにかけては、素晴らしい眺めが見られることでしょう(特にE席側)。一ノ関のやや北寄りの地点では車窓に注目です。

 最初の停車駅は山ノ目です[③]。2面2線の駅ですが、単式1面1線が2組あるという構造をしています。見た感じ、駅舎に接していない側のホームにおいて、線路が1組剥がされてしまったようです。ということは、以前は2面3線だったのでしょう。

 平泉〜前沢間には、1kmほどだけ高架線になっている区間があります[④] [⑤]。しかし、この付近は、高架化以前から築堤であり、高架化によって渋滞を誘発する踏切を廃止したということはありません。では、なぜ高架化されたのか。調べてみると、一関遊水地を整備するにあたり、この付近の線路の高さを4m上げる必要が生じたため、旧来の橋梁に代わり、この高架橋を整備したとのことでした。

 北上川が見えます[⑥]。東北本線は、一ノ関以北では、これまでは離れたところを通っていた北上川が接近してくるようになり、両者間の距離が50mもないほどに接近するところもあります。しかし、不思議と「北上川を渡る」ということはなく、結局、東北本線は、北上川から分岐する別の川を渡ることはあっても[⑦]、北上川自体とは交わることなく終点の盛岡まで至ります(いわて銀河鉄道の岩手川口駅の手前でようやく渡る)。

 向こうに東北新幹線の線路が見えています[⑨]。一ノ関で合流し、そして別れた東北本線と東北新幹線は、北上の手前で再度合流し、北上駅の手前にある和賀川は、両者がほぼ並行しながら横断します[⑩]。8:37、列車は主要駅のひとつである北上に到着[⑪]。当然、乗車も降車も多く、3つ前の水沢と同様に、乗客の入れ替わりが発生しました。

 北上を出てから10分もしないうちに、次の街が見えてきました[⑫]。そこは花巻です。北上市と花巻市は、どちらも10万人弱の人口を擁する、岩手県内では都市として挙げられる街ですが、互いに独立(合併していない)しながら隣接し、2つで1つの都市圏を形成する双子都市となっています。中心駅となる北上駅と花巻駅も、間に村崎野駅を挟んだだけの、2つ隣の駅という位置関係です。

 列車は8:48に下車駅の花巻に到着しました[⑬]。一ノ関からは50分ほどですが、普通列車での50分はそれなりにくたびれるもので・・・。























 東北本線(宮城・岩手エリア)は何度も乗っていますが、昼間に乗ったり、あるいはこうして途中の駅で降りたりするのは珍しいことです。なぜなら、何度も乗っていると言っても、そのほとんどは、北斗星号・カシオペア号で夜間や早朝に通過するだけのものだったから。

 かつてからの主要駅だったということもあり、特に2・3番線ホームは、その有効長が非常に長くなっています[②]。おおよそ320mはあるといったところでしょうか。ということは、16両編成程度まで入線できるということになります。もっとも、今では、その有効長を十分に使うだけの編成長を持つ列車の発着はないため、途中に柵が立てられ、端の方は閉鎖状態となっています。

 2番線の発車標に、「団体専用臨時列車」との表示が出ていました[③]。平日の朝に運転される団体列車とは、どのような人たちが使う、どのような列車なのでしょうか? わざわざ4両とも表示していますが、このあたりで4両というと、やはりジパングが来るのではないかと予想しますが、さて。

 「老人優遇・若者冷遇」としてしばしば後ろ指を指される大人の休日倶楽部。まあ、いくら階段の1段1段に広告を貼って宣伝しても、私には全く関係のない話ですな[④]。若者限定の有用なサービス・切符といえば、JR四国の「学生限定春休み四国フリーきっぷ」くらいでしょうか。馬鹿正直に普通乗車券を買って貢ぎまくりな大学生なんて、世の中を探しても私くらいしかいないかもしれません。

 花巻駅前に林立する21本のステンレス製ポール[⑦]。先端には風車がついていて、風を受けて回り出します。「風の鳴る林」と名付けられたこのモニュメントは、21本という本数をもって「花巻市の光り輝く21世紀」を表し、宮沢賢治の作品から聞こえる風の音をイメージしているとのこと[⑧]。ステンレス製のポールがぎらぎらと光るこのモニュメントは、駅前に出てみた瞬間から目に入る、駅前ではよく目立つ施設です。

 路線バスがやってきましたが、後面の方向幕が抜かれていて、これではどこへ向かうバスなのかがまるで分かりません[⑨]。側面や前面の表示さえきちんとしていれば、まあ実用上の問題はないのかもしれませんが、後ろ姿を見ただけでは、廃車寸前の車両の最後のご奉公かと思ってしまいます。故障などの理由で一時的に抜いているだけであれば良いのですが。

 2009年3月、花巻駅に自動改札機が導入されました。しかし、当時も今も、盛岡近郊ではSuicaなどは使用できないため、ICカードの読み取り部分がない筐体が使用されています[⑩]。首都圏か、あるいは仙台あたりからのお古が回されてきたのでしょうか。全国的に、自動改札機集中導入地域=ICカード利用可能エリアであるため、現在では、ICカード非対応の自動改札機というのは、あまり見かけない存在になっています。

 9:13発の快速はまゆり1号に乗車します[⑪]。かつての急行陸中号のなれの果てです。快速列車でありながら指定席車両も連結していることが特徴で、2両の自由席と1両の指定席をもって運転されます[⑫]。もちろん、私は指定席に乗車します。たった520円で確実に座れて、良い座席で(リクライニングシート)、「花巻→釜石 はまゆり1号」と印字された切符が入手できて、えきねっとポイントを稼げて・・・。そうしない理由がありません。

 1番線へ向かうと、SL銀河号の乗車位置案内がありました[⑬]。鉄道好きという観点から言えば、この列車は、純粋な客車ではなく、客車→気動車となったキハ141系を牽引(協調)しているところが注目の点と言えましょう。ただ、この件は例外としても、最近、SLの復活は盛んに行われていても、それに牽引させる客車の用意(保存)が不十分なのは気がかりです。14系や24系が次々に廃車・解体されていますが、それで良いのでしょうか?

 先ほどの団体専用臨時列車は、やはり485系のジョイフルトレイン・ジパングでの運転でした[⑭]。既に乗客がいましたが、花巻から乗り込んでいったのは、なんと幼稚園児とその祖父母。いったいどういう目的で運転されたものだったのでしょうか?


                  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25
26  27  28  29  30  31  32  33  34  35  36  37  38  39  40  41  42  43  44  45  46


DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ