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 名鉄・中部国際空港駅のホームにやってきました。これから乗車するのは、15:07発のミュースカイ号です[①]。「全車特別車」とありますが、特別車とは、要は指定席車両のこと。従って、中部国際空港と名鉄名古屋方面を結ぶ特急ミュースカイ号は、全車指定席ということになります。そのため、乗車に当たっては、座席の指定を受ける特別車両券の購入も必要となりますが、これは360円であり、JRの指定席料金520円よりも安いものです。

 座席は普通のリクライニングシートです[②]。水色と青色の表地が使われ、なんとなく「海」や「空」を連想させるようになっているのは、空を飛ぶ飛行機へ乗るための列車、海上空港へ行く列車ということの表現でもあるように思われます。

 中部国際空港を発車した列車は、ほどなくして、連絡橋を渡ります[④]。ここは、決して幅の広い川の上などではなく、伊勢湾、即ち海の上です。大阪にある関西国際空港も、海上空港であるため、ここと同じように連絡橋が架けられていますが、向こうは下が線路・上が道路という2層構造(瀬戸大橋を思い浮かべてください)をしているのに対し、こちらは線路と道路が並行しています。

 特急列車であるミュースカイ号は、中部国際空港を出ると、名鉄名古屋の3つ前の神宮前まで、ノンストップで走り続けます。そこまでの間、この列車は、なんと23駅も連続で駅を通過します[⑤]。名も知らぬ駅(私鉄に関する知識はほぼゼロなので)を次から次へと通り過ぎ、先行する列車をあっという間に追い越して[⑥]、高い速度を維持したまま、ミュースカイ号は名鉄名古屋へ向けて突っ走ります。

 「高い速度を維持したまま」と書きましたが、それには、ある秘訣があります。その答えは、これです[⑦]。非常に分かりにくい写真ですが、ミュースカイ号で使用される名鉄2000系は、実は車体傾斜装置を持っていて、最大2度まで車体を傾けることができます。そのため、本来ならば減速しなければならないような曲線部も、速度をあまり落とさずに入ることが可能です。空港〜名古屋間28分を達成させた立役者と言えます。

 道徳を通過した後、東海道新幹線の高架下を潜り抜けます[⑧]。しかし、注目すべきは、別に新幹線の下を通ることではありません。この写真を見ると、新幹線の高架橋の手前に、もうひとつの高架橋があることに気づきます。これは、建設途中のまま放棄された南方貨物線の残骸です。基本的には撤去を進める方針ですが、その高架下に賃貸で何かが入っている(この写真では物置場?)場所を中心に、まだまだ多く残存しています。

 神宮寺からは東海道本線の線路と並行します[⑨]。飛行機で北海道から一気に飛んできたことも踏まえ、ここまで、なんとなく「愛知にやってきた感」が薄かったのですが、JR東海の313系を見ると、ああ、ここは愛知・名古屋だな、という実感が湧いてきます。熱田駅の留置線には、しらさぎ号で使われる683系の姿もあり、313系以上に「名古屋」を思わせます[⑩](313系は、一応、東は熱海でも見られますから)。

 そして列車は地下区間に入り、終点の名鉄名古屋に到着しました[⑪]。今日はもうこれ以上の移動はありません。
















 名鉄名古屋駅から出た後は、真っ直ぐ今日の宿へ向かいました。これから泊まるのは、名古屋駅の太閤通口(裏口)から徒歩1分もかからないという抜群の立地を自慢とする、名古屋フラワーホテルです[①]。今日3月26日は、名古屋のホテルはどこもかしこも満室で、空室のあるホテルをなかなか見つけられないでいましたが、これほど便利なところに位置するホテルに空室があるとは(逆に、”訳あり”を感じますが・・・)。

 楽天トラベルを通じての予約でしたが、既に禁煙室はなく、強制的に喫煙室にご案内となりました[②] [③]。消臭はそれなりにされていて、煙草臭さはありませんでしたが、壁の色合いに、喫煙室としての「矜持」があるような気が。ちなみに、このホテルは、その立地ゆえ、「新幹線ホームが見える(部屋がある)」ことがウリとなっていますが、私に割り当てられた部屋は、新幹線どころか、葉っぱの1枚さえ見えませんでした[④]

 ちょっと驚いてしまったのが風呂場です[⑤]。ホテルによくあるユニットバスでしたが、浴槽から天井までの高さが異常に低く、身長約178cmの私がそこで背筋を伸ばして立つことができませんでした(頭がぶつかる)。天井にある換気扇のユニットを見てみると、「1985」と書いてありましたが、当時はもう日本人の体格もだいぶ向上してきていたはずです。178cmの人間が直立できないって、まるで戦前並みの体格による設計・・・。

 NHKのデータ放送でニュースを開くと、北海道新幹線開業の記事がありました[⑦]。今日、私は、北海道上陸一番乗りの列車、はやて91号に乗車しました。朝は青森のホテルで目覚めて、新幹線で函館へ行って・・・ということしていたのに、なぜ、いま自分は名古屋にいるのか? ここまでずっと北上していたのが、飛行機で突然南西に向かったわけですから、私の内部にある方向感覚は、もうめちゃくちゃです。

 「名古屋駅前の一等地に構えられているくらいだから、結構(歴史のある)古いホテルなんだろうな」とは思っていましたが、それはおおむね当たっていたようで、全体的に、決して新しいとは言えないホテルで、随所にくたびれがあります。また、清掃は甘いようで、冷蔵庫の裏はおぞましいことになっていました。数々の問題点を承知したうえで、それでもなお「でもこの近さは」と思える人には、悪くないかもしれません。


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