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 B737-700は、小型ジェット機であるため、機内も狭めです[①]。この便に充当されていた機体は、全席が普通席で、その座席は3+3配列。「JALのクラスJというものは、たった1000円を足すだけで、普通席とは段違いの快適さを手に入れられるらしい」ということは知っていたので、「JALが函館〜名古屋に就航していないだろうか」と期待していたのですが・・・、AIR DOとANAの共同運航便が1往復あるだけだったという。

 ボーディング・ブリッジを切り離した機体は、駐機場を離れて滑走路へ向かいます[②]。このとき、機内のモニターには、シートベルト着用案内の映像が流されていましたが、飛行機に乗るときは必ずすることですから、映像をきちんと視聴する人はまずいません。「わざわざ言われなくても分かっている」ことですからね。・・・私を除いては[③]。飛行機なんて乗り慣れていないものですから、全てが新鮮に感じられて・・・。

 列車に乗るときは、とにかく窓側の座席に座ることにこだわりますが、それは飛行機においても変わりません。航空券の予約時に、自分で座席を自由に選ぶことができるようになっていましたが、私は、4Aという座席を選びました。そこは、進行方向左側の窓側席で、翼とエンジンが見えるという場所でした[④]。外の景色をきっちりと堪能しつつ、”いかにも飛行機に乗っている”感が得られる、なかなか良い座席でした。

 滑走路に入った機体は、そろりそろりと滑走路上を進んでいきますが、あるところで急にスイッチが入ったかのように急加速[⑥]。鉄道ではまず感じることのできない「G」が、体に浴びせられます。そして、勢いに乗ったB737は、12:43に函館空港を離陸しました[⑦]。津軽海峡を眼前に控える函館空港では、離陸した瞬間から、眼下に広がる海景色を楽しむことができます。ああ、さらば北海道[⑧]

 当たり前といえば当たり前ですが、基本的に水平移動をする鉄道に対し、飛行機は、離陸・着陸時に上下移動をしますから、離陸直後は、期待が本当に上を向いて傾きますね[⑨]。いかにも空に向かって飛んでいます、という雰囲気です。しばらくして機体の角度が安定してくると、機体は既に雲よりも高いところに達していて、窓越しには、限りなく青い海と空が広がっていました[⑩]。その視界の中に、本州・青森県の陸地が見えています。

 雲よりも高いところに来てしまえば、その上にあるものは、指先サイズの雲さえない空です[⑪]。快晴も快晴を極めた、といったところでしょうか。上に行けば上に行くほど濃くなり、下へ行けば下へ行くほど淡くなる空の色合いとグラデーションは、あまりにも美しく、思わず見とれてしまいます。

 ドリンクサービスがあるとのことだったので、リンゴジュースをもらいました[⑫]。紙カップの表面には、AIR DOのマスコットキャラクター、「ベア・ドゥ」の顔が描かれています。私は、航空業界のことはよく知りませんが、AIR DOというのは、いわゆるLCCではないようですね。最大手と比べれば安価な会社ですが、こうしたドリンクサービスなどがありますし。

 鉄道では、すれ違いというと、基本的に、相手の列車は、自分の列車の真横を通っていきます。ただ、飛行機では、さすがにそうはなりません。視界の遠くを1機の飛行機が通過していきましたが、自機からは相当離れたところであり、向こうの飛行機の会社名すら分からないです[⑬]。ただ、飛行機同士ということで、相対速度は、当然1000km/hを超えています。今この瞬間、私はマッハの世界を見ました。

 「ワンコイン(500円)のスープカレー」なるものがあったので、注文してみました[⑭]。もっとも、搭乗時間1時間40分の国内線でこんな有料メニューを頼む人など、私以外にはいませんでしたが・・・。ただ、12:30発14:10着でちょうどお昼時だったということ、”非常食”として備えてあるおにぎりを、あろうことかリュック共々預けてしまっていたので、注文するためのきっかけは十分にあったわけです。
















 AIR DO 128便は、いつの間にか新潟県上空を通り過ぎていました[①]。鉄道であれば、窓越しに建物が流れたり、木々が流れたり、車が流れたりし、駅を通過すれば、駅名標を見ることにより、そこがどこであるのかが分かります。そのため、「移動している」という実感があります。

 しかし、飛行機の場合、青いだけの空が見え、白い雲が繰り返し流れ、場所も分からないミニチュアのような街並みが見えるだけであり、「移動している」、「場所が変わっている」という感覚がありません。また、最高巡航速度は830km/hですが、地上のものは非常にゆっくりと流れているように見えるため、それだけの速度を出しているという実感もないものです。

 長野県飯山市・木島平村の上空を通過するとき、面白い光景が見られました。写真右側の地帯は全く雪がないのに、左側は辺り一帯が雪に覆われています[②]。写真の右端から左端までの距離は、直線で測ると、およそ10kmと算出されましたが、その10kmの間に、気候が大きく変化しているということが窺えます。上空から眺めると、右から雪が無→少→中→多と徐々に変化しているのがよく分かり、面白いですね。

 さて、ここはどこでしょうか[③]。どうやら新幹線が通っているようで、駅の裏側には川があり、駅前には、やや都会的な街並みが広がっているようです。その正解は・・・、長野県上田市でした。写真の右側に写っている駅は、上田駅です。その場では、ここがいったいどこなのかはさっぱり分かりませんでしたが、帰宅後に行った、Google Earthを用いての場所当ては、なかなか楽しいものでした。

 そこから17分もすると、当機は既に名古屋の上空までやってきていました[④]。ここまでに眼下に眺めてきたどの街よりも都会的で、市域が広く、窓越しの視界いっぱいに住宅地と繁華街が広がっています。そして私の興奮が最高潮に達したのは、名古屋駅付近を通過するときでした[⑤]。名古屋市の中でもとりわけ高速建築が集結する区域で、それらを上空から眺められたのは、素晴らしい一瞬でした。

 海上空港である中部国際空港と陸地を結ぶ連絡橋が見えてきました[⑥]。普通の道路だけでなく、名鉄線の線路も架けられています。これが見えれば、着陸はもうすぐです。徐々に高度を下げていったB737-700は、滑走路を捉え、無事に着陸に成功しました[⑦]

 ・・・と書くと、いかにも平和的にフライトが終わったかのように思えますが、実は、「当機はこれより高度を下げていきます」との放送が流れた後、機体が高度を下げていくようになると、耐え難い激痛が耳を襲いました。しかし、飛行機に乗り慣れていない私は、耳抜きなどという手法の存在も知りませんでしたし、ひたすら痛みに耐えるほかありませんでした。終盤の方に撮った写真は、いずれも内心は泣きながら撮ったものです。























 函館空港からのフライトを無事に終え、中部国際空港にやってきました。北海道から一気に愛知まで来たというわけですが、つい2時間ほど前までは北海道にいたとは、とても信じられません。新幹線の速さは距離感を狂わせますが、飛行機の速さは、それ以上です。

 預けていたリュックを受け取るべく、まずは手荷物受取所に向かいますが、遠いですね・・・[①]。通路が非常に長いです。それゆえ、動く歩道も設置されているわけですが、そこまでの約300mの道のりというのは、「屋内の直線に伸びる通路」という環境もあって、本当に長く感じられます。そのとき、B737-700は、ちょうど預けていた荷物が搬出されている最中でした[②]。そして預けていたリュックを手荷物受取所で取り返します[③]

 到着便を案内する装置に、私が乗った「ADO 128」が表示されていました[④]。この便は、「ANA 4828」でもあり、いわゆるコードシェア便となっています。どっちかのマイレージやポイントを貯めているというわけではない(何せ、修学旅行以外で飛行機に乗るのは初めてですから)ので、どちらの会社で乗っても良かったのですが、AIR DOの方により安い運賃があったので(ANAの最安値より2000円安)、AIR DOにて航空券を購入しました。

 この後は、中部国際空港15:07発のミュースカイ号に乗車する予定としています。飛行機の遅延の可能性などを加味し、余裕を持たせてあったのですが、飛行機は、ほぼ定刻で到着してくれました。そこで、まだ時間がある、ということで、ちょっと空港見学に乗り出しました[⑤]。函館空港と比べると、空港にいる人の数は、さすがに段違いです。中京圏の空の玄関口でありますからね。

 ま、空港見学といっても、足が向かう先はただひとつなわけですが。スカイデッキ、即ち展望台です[⑥]。空港の規模に比例するような、広くて長い展望台が整備されていますが、晴れた土曜日の昼下がりということもあってか、多くの人がやってきていました[⑦]。ターミナルビルに出店している飲食店で飲み食いをしたり、展望台で飛行機見物をしたりというのは、休みの日の過ごし方のひとつと言えます。

 先ほどまで乗っていたAIR DOのB737-700が見えました[⑧]。函館⇔名古屋は1日1往復で、名古屋発函館行きの折り返しが函館発名古屋行きとなる以上、今日はもう函館へは行きませんが、この機体は、この後どうするのでしょうか。名古屋発札幌(新千歳)行きにでもなるのでしょうかね。

 飛行機のことについてはよく知らなくとも、JALといえば鶴丸だ、というのは、私の意識の中にありました[⑨]。その鶴丸は、一時期、JALの所有機からは失われていましたが、現在は、このように復活を遂げています(ただし廃止直前とは少しデザインが異なる)。その奥にはAIR DOの機体がありますが、こうして見比べてみると、ロゴで存在を主張するか(真っ白な機体に赤い鶴丸)、色で存在を主張するか、という違いが見えてきます。

 香港のキャセイパシフィック航空の飛行機が着陸してきました[⑪] [⑫]。「中部国際空港」の名が示すように、この空港は、国際線の発着も盛んであり、更には貨物専用機の発着もあるようですから、飛行機の離着陸の頻度は高く、退屈はしません。

 そんな中、座席数70という小さな機体が離陸していきました[⑬]。尾翼にはIBEXと書かれており、アイベックスエアラインズの便と分かりますが、このような小さな機体ゆえ、どこの離島に行くのだろうかと思っていたら、時刻表と照らし合わせてみたところ、14:25発の福岡行きであると思われることが分かりました。名古屋⇔福岡というと、それなりの需要がある路線に思われるのですが・・・、こんな小さな機体も飛ばしているのですか?


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