豊富駅にやってきました。豊かに富むと書いて「豊富」と、なんだか縁起のよさそうな駅名(地名)です。なお、読みは「とよとみ」です。間違っても「ほうふ」ではありませんよ!駅で「ほうふ」などと言おうものなら、山口県の防府駅までの切符を出されるかもしれません(笑)
豊富というこの地名は、北海道の地名としては珍しく、アイヌ語を名前の直接の由来としていません。北海道の地名は、アイヌ語の読みに漢字を割り当てて地名にしたり、アイヌ語のその意味を地名にしたりしたところが多いですが、豊富町はそうではないようです。
町内を下エベコロベツ川という川が通っていますが、その流域にエベコロベツという地名があります。エベコロベツとは、アイヌ語で「魚(食物)を持つ川」という意味です。また、石炭をはじめとする天然資源に恵まれた土地であり、そこから、なんでも豊富(ほうふ)にある町、転じて、豊富(とよとみ)となったとのことです。アイヌ語から直接名前を付けていたら、頃別町、魚川町とでもなっていたのでしょうか。
豊富町の二大観光資源は、サロベツ原野と豊富温泉。駅前にある「門」にも、「サロベツ 豊富温泉」と書かれています[⑤]。豊富温泉は、日本で最も北にある温泉郷であり、稚内が「日本最北の●●」をほぼ独占する中、「日本最北の温泉郷」の座を手にしています。
駅のすぐ近くに、使用されなくなった救援車が保存されています[⑦]。保存されていると言っても、まともに整備をしていないのか、車体が錆びだらけになっています。また、車両を紹介するような看板も立っておらず(オエ61-67というものらしい)、放置同然の状態になっています。
片開き扉があるところへ階段が接続していたので、中へ入れることを期待して上ってみましたが、錆に錆びているせいか、扉はびくともしませんでした。わざわざ階段を接続しているくらいですから、以前は車内へ入れたのではないかと思うんですが。また、扉の窓ガラスは割れていて、この車両の保存状態の悪さが窺い知れました[⑨]。
せめて中くらい覗いておこう、と思い、扉の隙間から中を窺ってみましたが・・・、車内のそのなんと汚いことか[⑩]。剥がれ落ちたと思われる木くずや鉄くずが散乱していて、座席の表地はボロボロで、木製の壁にはヒビが入っていました。
一応、除雪作業に使うスコップやそりがあるのが確認できたので、もしかしたら、これは倉庫として活用されているものなのでしょうか? 階段も、車内を見てもらうためにつけているのではなく、関係者が中にあるものを取り出すためにつけているのでしょうか。となれば、扉がびくともしなかったのは、鍵か何かをかけていたからなのかもしれません(じゃあなんで半開きなんだろうかとも思いますけど)。
豊富駅の横には、観光情報センターがあります[⑫]。今回、ここ豊富駅で降りたのは、サロベツ原野(サロベツ湿原センター)に行きたかったからですが、この観光情報センターで、自転車を借りることができます[⑬]。駅前からサロベツ湿原センター方面へのバスが出ているのは百も承知。でも、せっかくの晩夏の北海道です。バスなんかで行くのではなく、自転車で風を切りながら行こうじゃありませんか。
レンタサイクルは1時間300円、手荷物預かりは、1つにつき200円です。なお、観光情報センターの営業は16:00までなので、自転車は、それまでに返却する必要があります。
|