●9月5日●
Page:32

−Day:6 復活の山線特急−

※各画像はクリックすると拡大します。






















 おはようございます。今日は9月5日です。明日6日発の上りのカシオペア号で上野へ戻りますが、昨日、日高本線を全線乗車したことで、JR北海道の路線は完全に制覇されました。今日と明日と、どこを乗っても、1度は乗車したことのある区間を乗ることになります。逆に言えば、この路線を乗車しなければならないという縛りがないので、乗りたいものに自由に乗ることができる日であるとも言えます。

 そこで、今日は、札幌〜函館間を山線経由で走る臨時特急・ヌプリ号に乗車します。函館本線の山線区間は、当然、既に乗車した区間ですが、定期の優等列車の設定がない山線に特急列車が走るとなれば、黙ってはいられません。では、まずは札幌駅へ向かいましょう。

 せっかく北海道フリーパスを利用しているので、札幌駅までの移動には、はまなす号を利用することとしました[①]。青森〜札幌という区間を走るはまなす号は、乗る機会もそう多くはないので、乗れそうならば乗っておくべきだろうという思いもありましたしね。もっとも、苫小牧の発車は早朝5:01。苫小牧駅すぐ近くのホテルに宿泊しているとはいっても、はまなす号に乗ろうと思えば、相当の早起きを強いられることになります。

 まだ夜が明けきらない暗いホームで列車の到着を待ちます[②]。既に9月に入っているので、もとより日の出の時刻が遅くなっていますが、それに加えて、今は雨が降っています。平日金曜日の早朝・雨という条件でしたが、私以外にも、1人の高校生くらいの女性がはまなす号に乗ろうとしていました。苫小牧5:01発のはまなす号は、札幌方面への初発列車という性格も持っています。

 そして5:00すぎ、ほぼ定刻ではまなす号がやってきました[⑤]。「寝台列車」であれば、終点まであと1時間ちょっとという区間で乗ることは極めて非現実的なことですが、そこは座席車も連結するはまなす号です。このような短区間での利用も気軽にできます。

 札幌までは1時間ちょっとであり、また、はまなす号の自由席を利用したことがまだなかったので、ここでは自由席の利用としました。最初は3号車の自由席車両に乗り込みましたが、座席を向かい合わせにして足を投げ出すような不届き者が多く、碌な席が残っていませんでした。ドリームカーを通り抜けた先の6号車の自由席車両も同様でした。結局、いちばん機関車寄りの7号車にめぼしい席を見つけたので、7号車に落ち着きました。

 私が乗車した時点では、各座席車の車内は減灯状態でした[⑦]。この薄暗さが何とも夜行列車らしくてたまらないんですよね。しばらく減灯状態が続いていましたが、5:20ごろに減灯が解除され、車内の照明の明るさが普通の状態になりました[⑧]。こうなると、車内の雰囲気が「夜行列車の丑三つ時」から、「異国の終着駅へ」といった具合に変わります。

 苗穂運転所に、キハ183系のニセコエクスプレスが留置されていました[⑨]。特急ヌプリ号とその返しのワッカ号は、ニセコエクスプレスで運転されることになっています。この後の特急ヌプリ号での運用に備えて待機しているというところでしょう。そして高架橋を駆け上がり[⑩]、いくつにも分岐したレールとそれを取り込む札幌駅のホームが見えると、そこは終点の札幌駅です[⑪]

 なお、はまなす号の自由席車両では、簡易リクライニングシートが使用されています[⑫]。自由席の急行料金に310円〜520円の指定席料金を足せば、元グリーン車の座席を配置した指定席車両・ドリームカーに乗れるということを考えると、積極的に自由席を利用する理由は見当たりません。ただ、昔ながらの”クラシカルな”座席夜行の旅を楽しみたいのであれば、こちらの方が良いのかもしれません。



















 時刻は既に6時を回っています。さすがに辺りが明るくなってきました。苫小牧駅ではまなす号を待っていたときは雨が降っていましたが、雨は上がってしまっているようです[①]。雲はまだ多いですが、その隙間に青空がのぞいています[②]

 約193万人の人口を擁する札幌市と言えども、朝6時台では、まだ人の数は多くはないようで、閑散としています。駅周辺にはビル群が立ち並んでいますが、駅前を歩く人の数も少なく、至って平和そのものです[③] [④]。通勤ラッシュもまだ始まってはいないはずです。とはいえ、今日は平日の金曜日。この後、来るべき時間になれば、地下鉄ともども大都市の通勤ラッシュが繰り広げられるのでしょう。

 駅構内を見てみても、スーツ姿のビジネスマンはほとんど見られず、今まさに旅行中か、あるいはこれからどこかへ旅行へ行くのかというような、スーツケースを従えたり、リュックを背負ったりする人が多く見られました[⑦]。私の仲間が多いようですね。

 今日は特急ヌプリ号に乗車することが核となっている日ですが、このまま札幌駅でヌプリ号を待つのではなく、それに先駆けて、いったん手稲駅に向かいます。乗車するのは6:51発の小樽行きの普通列車です[⑧]。なぜ手稲へ行くのか・・・? その理由は下の段で分かります。小樽行きの普通列車は733系と731系の混結編成で[⑨]、私は733系の方に乗車しました。特にこれということも起こらないままに、7:06、手稲に到着しました[⑩]

























 手稲駅にやってきました[①]。JR北海道で最も乗車人員の多い駅が札幌駅であることは言うまでもありませんが、第2位につけているのは、この手稲駅です。新札幌副都心の中心駅の役割を担っている新札幌駅を上回っています。

 わざわざ手稲にやってきた理由。それは、平日にのみ運転されるホームライナーに乗車してみたかったからです。JR北海道では、札幌〜手稲・小樽間に、特急型車両を使用したライナー列車を運転しています。通勤客の利用を主眼に置いた列車なので、土曜・休日は運休となり、平日にのみ運転されます。ヌプリ号に乗車する前に手稲発札幌行きのホームライナーに乗車できそうだったので、実際に乗ってみることにしました。

 いったん改札を出て、券売機で整理券を2枚購入しました[④]。なぜ2枚?と思われるかもしれませんが、JR北海道のホームライナーでは、乗車時に乗降口の前に立っている係員に整理券を渡さなければならないので、1枚だけだと、手元に整理券を残すことができません。それでは困るので、持ち帰り用の2枚目も購入しておきました。なお、JR北海道の整理券には発券枚数の制限がないので、2枚買っても迷惑はかけていません。

 これから乗車するのは7:24発のホームライナーです[⑥]。その次に7:52発があり、更にその後に8:22発、8:33発(小樽始発)があり、朝の手稲〜札幌間では、計4本のホームライナーが運転されます。それにしても、朝の出勤用のライナー列車なのに、なぜ「ホームライナー」なのでしょうかね? 夕方以降の帰宅用のライナー列車はそりゃホームライナーでしょうけど、ここはおはようライナーとかの方が・・・。

 列車が入線してきました[⑦]。もともと、札幌運転所〜札幌間を回送する特急型車両を営業運転させたものがホームライナー(ただし、小樽発の列車はわざわざホームライナーのために特急型車両を小樽へ回送する)なので、各ホームライナーは、いずれもこのキハ261系1000番代のような特急型車両で運転されます。普通の特急運用のときと違い、一部の乗降扉しか開かないので、写真のような長蛇の列ができてしまいます。

 乗降扉が開いたら、整理券を係員に渡して乗車します。予め整理券を購入しておかなくとも、その場で整理券代を現金で支払っても構いません。JR北海道のホームライナーでは、全ての車両が開放されるので、グリーン車にさえ整理券代だけで乗車することができます。当然、私はグリーン車への乗車を狙いましたが・・・、列に並ぶのが遅すぎたため、グリーン車に乗ることはできませんでした。

 グリーン車ヘの乗車は逃しましたが、特急運用では指定席となるuシートタイプの座席にありつくことができました[⑧]。私が座席に落ち着いた後も、次々とお客が乗り込んできました。手稲〜札幌間の所要時間はたった17分ですが、100円(銭函以遠〜札幌間では310円)払うだけで普通列車の混雑を避けられ、ほぼ確実に座っていけるとなると、やはり皆そうしたくなるようですね。

 手稲を出発した列車は、終点の札幌まで無停車で走り抜けます。しかし、4分前に手稲を出発した江別行きの普通列車を追い抜かずに走るので、その走りはとてもゆっくりとしたもの。横の道路を走る車やバイクに次々と追い抜かれてしまいました[⑩]。桑園の手前で札沼線と合流し[⑪]、JRタワーの存在が特徴的な札幌駅周辺の街並みが見えてくれば、間もなく終点の札幌です[⑫]

 7:41、終点の札幌に到着しました[⑬]。「特急型車両の回送を営業運転に使用している」というのがホームライナーのミソで、このキハ261系1000番代も、札幌運転所からスーパーとかち1号となるために出区してきたところです。そのため、札幌到着前の放送では、「ご乗車の車両は、札幌から特急列車に使用いたしますが、車内整備を行いませんので、お手数ですが、座席のリクライニングとカーテンを・・・」という放送も流されます。


                  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25
26  27  28  29  30  31  32  33  34  35  36  37  38  39  40  41  42  43  44  45  46  47  48


DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ