10号車にあるシャワー室を、8:00〜8:30の時間帯で予約しています。7:52に宇都宮を発車し、8:00が近づいてきたので、着替えやタオルなどの準備をして、そのシャワー室へ向かいました[①]。まあ、正直、今からシャワーを浴びて何になるんだろうという思いは拭えません。昨晩に浴びることができれば、「就寝する前に汗を落としておこう」ということにもなりますが、上野到着が近い今となっては、汗なんか落としても別に・・・。
それにしても、カシオペア号のシャワー室には心底がっかりしてしまいました。まず更衣室がとにかく狭い。今年の1月〜2月にかけて行った北海道旅行の帰りに、北斗星号のシャワーを利用しましたが、あちらの更衣室は狭いながらも普通に着替えられたのに対し、こちらの更衣室はとにかく窮屈な思いをしながら着替えるしかありませんでした。あまりに狭すぎて、更衣室の写真を撮ることができませんでした。
苦しみながらも脱衣を完了し、いざシャワー室へ[②]。台車の直上で揺れまくるという最悪の環境に耐えつつ、ボタンを押してお湯を出すと・・・、弱い。びっくりするくらい弱い。全身を濡らすだけのときはまだしも、体と髪の毛を洗った後、その泡を落とすのには、相当な時間がかかりました。あの水勢の弱さは何と例えれば良いのやら・・・。なんというか、ひしゃくでお湯をかけてもらう方がよっぽどましだと言いたくなるくらいでした。
お湯が出る時間は6分間。制限時間の6分間を使い切り、更衣室へ出ると・・・、下がヌルヌル。そういえば、北斗星号ではあったはずの足拭きタオルが、なぜかカシオペア号にはありません。1人目からの使い回しでもいいから、たった1枚でもいいから、ここに足拭きタオルがあれば、足の裏の水分を吸い取らせることができたというのに・・・。いくらバスタオルで足の裏を拭いても、結局足場が濡れているので、全くの無意味な行為です。
で、更衣室は空調が全くないようで、散々お湯を出した後のシャワー室と同等の暑さでした。せっかく汗を落としてさっぱりしたというのに、更衣室に立っているだけで新たに汗をかくという矛盾。バスタオルで全身を丁寧に拭き上げても、あまりの暑さにすぐに汗をかいてしまうので、シャツがスムーズに胴体を通過せず、汗による引っ掛かりとの格闘となりました。
私は鉄道好きの人間ですから、「鉄道車両のシャワー室なんてこんなものよ」と受け流すこともできますが、カシオペア号は、一般には「豪華寝台列車」として知られている列車です。一般の方がこんな状態のシャワー室を利用したら、「とても豪華寝台列車とは思えない」と失望してしまうのではないかと思います。多くの人が1度は乗りたいと憧れる列車なんですから、こんなところでがっかりはさせてほしくないものです。
シャワーを浴びた後、営業終了後の食堂車を訪ねてみました。昨晩、食堂車の撮影に失敗してしまっているので、下車するまでに何とかして食堂車の様子を撮影しておきたいと思ったからです。そして3号車のダイニングカーを訪れてみると・・・、カーテンも全て下ろして、営業終了後の様々な後処理を行っているところでした。
申し訳ないという思いを抱きつつも、撮影の交渉を開始。その結果、2人掛けのテーブルだけが並ぶ奥半分の撮影が許可されました[④]。また、従業員の方のご厚意で、当該部分のカーテンを全て上げていただきました。昨晩のパブタイムの写真と今朝のモーニングタイムの写真では、ちょっと食堂車の雰囲気が伝わりにくかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。E26系の食堂車はこんな感じです[⑤]。
その後、12号車のラウンジカーへ。すれ違うE231系は、すっかり見慣れた「よくある電車」[⑥]。こういう車両を見ると、本当に「帰ってきたんだな」という思いが強くなりますね。もうここは北海道ではないんだ、と思わされてしまいます。
9:00ちょうど、最後の途中停車駅、大宮に到着[⑨]。いやあ、いよいよ大宮までやってきてしまいましたね。次に乗降扉が開く駅は、カシオペア号の終点の上野です。否が応でも降ろされてしまう「終着駅」。カシオペア号の旅も、あと25分ほどを残すのみとなってしまいました。1週間以上にも及んだ晩夏の北海道旅行の終焉は、もう間もなくです・・・。
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