列車は海が見える区間に入りました[①]。間もなく夕暮れ時です。カシオペア号の個室は全て、札幌〜函館間で海側になる側に配置されています。それだけでなく、窓は眺望に優れた大きめのものなので[②]、個室からの視界が広いです。
引き続き、室内の設備などを見ていきましょう。部屋に入ってすぐのところに、ハンガーが3つかけられています[③]。クローゼットまではさすがにありませんが。壁には2か所、小物置き場が取り付けられていて[⑥] [⑦]、こまごましたものを置くのに活用できます。ただ、ベッドに寝ながら届くようなところにあるわけではないので、ナイトテーブルのように使うことはできません。眼鏡や携帯電話を置いても、立ち上がらないと取れません。
2つある床置きのベッドは、初期状態では向かい合わせのソファーとなっています[⑧]。就寝する際は、これをベッドに組み替えます(やり方は後ほどご紹介)。肘掛けとして利用するためのブロックが、各座面に1個ずつ置かれています。座面の下はくりぬかれていて、使い捨て式のスリッパと靴磨きが収められています[⑨] [⑩]。寝台個室という限られた空間をいかに活用するかの腐心が垣間見えます。
カシオペア号は「全車2階建て車両」として知られています(厳密にはそうではありませんが・・・)。そのため、下級個室のカシオペアツインは、部屋数を確保するためでしょう、2階室と1階室を置く2階建ての構造になっています。その代わり、1部屋1部屋の天井は低いです。もし狭さや圧迫感を感じるとすれば、そのような天井の低さが、理由の1つとして挙げられるでしょう。
しかし、3人でも利用できるタイプのカシオペアツインは、台車直上の車端部にあり、平屋構造となっています。そのため、普通のタイプの部屋よりも天井が高く、広々としていて開放感があります[⑪]。それゆえ、札幌を発車したときから常々思っていたことですが、部屋が1人で利用するにはあまりにも広すぎて、正直、落ち着きませんでした(笑) 言うなれば、学校の教室の無駄に天井が高い感じ、でしょうか・・・。
部屋の中には、JR北海道の車内誌「THE JR Hokkaido」が置かれていますが、やはり3冊あります[⑭]。改めて、ここは3人で利用することが前提となっている部屋なんだな、と思わされます。別にこのタイプの部屋を所望したわけではなく、空室となっていたカシオペアツインの部屋がたまたまこれだっただけですが、3人でも使える部屋を1人で使うことに対するお得感は、通常のタイプの部屋の場合よりもはるかに大きいです。
17:37、列車は登別に到着しました[⑮]。ここから乗ってくる人はいたのでしょうか。カシオペア号・北斗星号ともに、道内は北斗号・スーパー北斗号とほぼ同等の停車駅となっていますが、上りで多く乗車してくるのは、やはり札幌と函館でしょう。
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